生命に満ち溢れる地球は、広い宇宙でも特別で奇跡的な星ではないかと言われています。
しかし、宇宙は途方も無く広く、いくら地球が奇跡的な星だといっても、地球以外に文明を持つ宇宙人、つまり知的生命体が存在しないとは言い切れません。
もし、地球人類以外に高度な文明を持つ知的生命体が存在していたとしたら、何故地球にコンタクトを取って来ないのでしょうか?
これって素朴な疑問として思うところではありますが、専門家たちはこの疑問についていくつか理由挙げているようです。

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地球以外に知的生命体がいるかも知れないという根拠

冒頭でも述べましたが宇宙は途方も無く広く、私たち人類の物差しでは到底測りきれません。
その広さを具体的に言ってみると、私たちの住む地球はとてつもなく巨大な恒星・太陽の周りを周っている太陽系の中の小さな惑星のひとつです。

「Image Credit:Gakkenキッズネット
しかし、その巨大な太陽も天の川銀河の中の2,000億個以上と言われる恒星の中のひとつに過ぎません。

「Image Credit:天の川銀河のイメージ図(iStock)」
そしてそんな銀河も大小様々存在しますが、宇宙にはさらに銀河が数千億個あると言われています。

「Image Credit:大小様々な銀河が集まるおとめ座方向の銀河団(NASA/ESA)」
このように、画像をいくつか入れて宇宙の広さを表現してみましたが、ちょっとわかりにくかったかも知れません。
とにかく、ここで言いたかったのは、想像する事も出来ないくらい広過ぎる宇宙では、私たちの地球などあまりにもちっぽけな存在だという事なのです。
そんなちっぽけな地球ではありますが、いくつもの偶然が重なり、その結果、人類をはじめとする生命が溢れる星となったワケです。
ただ、このような偶然は地球だけのモノだったのでしょうか?
今、ご紹介した宇宙の広さから考えると、他でも同じような偶然が起こっても不思議ではない気がします。
著名な科学者や研究機関も、地球以外にも人類、もしくはそれ以上の高度な文明を持つ知的生命体がいる可能性があると考えていて、実際に地球外知的生命体にコンタクトを取ろうと試みたり、研究も進めています。

「Image Credit:宇宙からのデータを収集するための電波望遠鏡(SETI研究所より)」
しかし、このような期待があるにも関わらず、実際には地球外知的生命体との接触はおろか、その証拠すら見つかっておらず、知的生命体はいる可能性が高いのに何故か見つからない。
この矛盾をフェルミ・パラドックスと呼んでいます。

フェルミ・パラドックスの5つの矛盾点

地球外知的生命体(宇宙人)がいるかも知れないと考えられているのに、何故人類は彼らに遭遇どころか?コンタクトすらも出来ないのでしょうか?
この事について、フェルミ・パラドックスでは以下の理由が考えられるとしています。

知的生命体とコンタクトが取れない理由 その1:地球から遠過ぎる

太陽系は星の集団の銀河内に存在します。
しかし、太陽系があるのは天の川銀河の外縁部でオリオン腕と呼ばれる比較的星が密集していない領域です。
その密度はどれくらいか?を具体的なモノで例えるとしたなら、例えば、太陽(恒星)を1個のスイカに置き換えてみます。
すると、太陽系が位置する天の川銀河の外縁部の星の密度は、隣の恒星系との距離間隔は、太平洋にスイカを2個浮かべたような密度だと例えられるそうです。

「Image Credit:iStock」
銀河は明るく星が密集しているようにも見えますが、実際はそんなに密集しているのではなく、特に太陽系がある領域は非常に星の密度が低いとされています。
つまり、星(恒星)と恒星の間はとてつもなく広く、簡単に生命体が行き来でき、なおかつ連絡手段である電波も届くような距離ではないということになるのです。
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知的生命体とコンタクトが取れない理由 その2:高度な文明は既に滅んでしまっている

生命体の文明が高度になればなるほど、その存続も危ぶまれてしまうと考えられるそうです。
それは文明が高度に進んでしまったばかりに、環境破壊や文明を滅亡へ導く兵器が開発されてしまったり等、自らを滅ぼしてしまうというような愚かで自業自得の行為を行っており、そもそも人類とコンタクトなど取れる状況にないと事を示しているとの事です。

知的生命体とコンタクトが取れない理由 その3:生命が存在する星があっても知的生命体は進化しにくい

宇宙には、生命が存在する星は意外と多いと考える事も出来るらしく、そこに人類のような知的生命体が生まれ進化して行く事とは別の話で、地球で人類が進化したのは本当に稀で奇跡的な事だという考え方も出来るそうです。
地球誕生から約45億年という長い年月を経てこそ、今の人類の文明があるワケで、他の星でこのような進化を辿るには、同じような年月、またはそれ以上が必要だと考えられています。
そこまで長い年月だと、進化過程で様々なトラブルや環境の変化も起き、結局は途中で進化が止まってしまったり滅んでしまってしまうという事も考えられ、順調に知的生命体が進化するには、これまた奇跡的な条件が続かないとあり得ないのでは?とされています。

知的生命体とコンタクトが取れない理由 その4:光の速さを超えられない?

広い宇宙空間。知的生命体同士が出会うには、この宇宙を移動しないと行けません。
地球から最も近い恒星系でも光の速さで約4年半もかかってしまい、仮に知的生命体が星が宇宙のどこかにあったとしたら、そこまで行くには光の速さをもってしても途方もない時間がかかってしまいます。
それならば、光の速度を越えればいい!と発想してしまうかも知れませんが、現在の科学の認識では光の速さを超える、もしくは光に近づく宇宙船を造ることは不可能だと考えられているのです。
もしその認識が正しければ、いくら高度な文明を築いている宇宙人でも地球を訪れることなど出来ないでしょうし、私たち人類も宇宙人には会いに行けない事になります。

知的生命体とコンタクトが取れない理由 その5:宇宙人探査の歴史は浅い

人類以外に知的生命体・宇宙人がいるかも知れないと本気で考え、実際に探査が始まったのは1960年代からです。
当時の観測技術では、なかなか深宇宙までの探査は難しく、本格的に探査が出来るようになったのは2015年からだと言います。
ちなみに、地球外の知的文明を探査するプロジェクトを「地球外知的生命体探査(通称:SETI(セチ)研究所)」と言い、多くの科学者がこのプロジェクトに参加しています。
まだ始まったばかりの宇宙人探査。今後、知的生命体がいると思われる数十万の星を探査し、25年以内には地球外知的生命体の存在の証拠を掴みたいとしています。

「Image Credit:Wikipedia」

もし地球外知的生命体がいたとしたら

SETI研究所による地球外知的生命体探査は主に電波によるモノです。
もし、知的生命体の情報をキャッチしても、まったく未知の文明である事は想像出来ます。
なので、未知の文明の情報はすぐには解読は出来ないでしょうし、情報が地球に届くのにも光の速さですので数十年~数千年かかるものと思われます。
そのため、地球外知的生命体との直接のコンタクトを取ることは難しく、かなりの年月を経てのコンタクトとなり、言わばその証拠を掴むだけのモノとなることが高いようです。
ただ、数々の目撃情報があるUFOのように、もし地球外知的生命体がUFOに乗って地球にやって来ているという確たる証拠が見つかれば、話は大きく違って来るものと思われ、そうなればSETI研究所の存在の意味も無くなってしまう可能性があります。
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