西暦536年と言えば、日本では古墳時代から飛鳥時代に移る頃だと思います。
しかし、この年から約10年間、地球は未曽有の異変による寒冷化が起こったとされ、その原因は地球規模で発生した大規模な火山活動によるものとされていましたが、実はこのとき地球に彗星が衝突したのでは?という説もあるとの事。

果たして真実はどこにあるのでしょうか?

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西暦536年に起こった災害とは?

あまり知られていませんが、西暦536年は人類史上最大規模の災害が起こったとされています。
それはインドネシアにあるクラカタウ火山で、過去3000年間で最も大きな火山噴火が起きたというモノ。
この噴火はかなり大規模で、噴煙が成層圏まで上昇し地球全体を覆ったため、その結果、太陽光を著しく弱めたため地球全体が寒冷化。
この寒冷化は、人類にも大きな影響を与えており、ヨーロッパでは東ローマ帝国の衰退、ゲルマン民族の大移動を誘発。
さらに中東ではイスラム教が誕生し、日本では古墳時代に終わりを告げ仏教が広まったとあります。


彗星衝突説

地球規模の大異変で人類の歴史をも揺るがしたと言われる西暦536年。
実はこのとき直径500メートル前後の彗星が衝突したのではないか?との説もあるのです。
その根拠は、最近の研究で明らかになったおうし座流星群の母体の彗星が分裂したのが、この536年の時期に重なるからであって、その分裂した彗星の破片が地球に落ちて来たのでは?とい説です。
通常、小天体が地球に衝突する場合クレーターを作りますが、彗星の場合モロいため上空で爆発を起こすといい、爆心地周辺はエアーバーストという強烈な爆風が吹き荒れ、広範囲を焼き払い、また粉じんをまき散らします。
これにより地球を広く粉じんが多い地球に寒冷化をもたらしたのでは?という事。

さらに、この彗星が落下したのはヨーロッパ北部とされ、事実536年にスイスのジュネーブ湖に津波が起きたとあります。
●参考ブログ:【6世紀のジュネーブを襲った「湖の津波」】
これは、爆発した彗星の破片が湖に落下したため津波が起こったのではとの説もあるのです。
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近年でも起こっている彗星衝突

彗星ではないですが、最近でも宇宙から飛来した天体が地球に落下し上空で爆発、エアーバーストを起こしています。
それは2013年2月のチェリャビンスク州の隕石落下。

「Image Credit:ロイター通信」
さらに1908年にはロシアのポドカメンナヤ・ツングースカ川上流に彗星らしき天体が落下したと思われる「ツングースカ大爆発」も有名です。
このとき起きたエアーバーストにより、周囲30~50キロにも及ぶ森林が焼かれ焼失したと言われています。

「Image Credit:隕石爆発でなぎ倒された森林(Wikipediaより)」

今後地球規模で災害をもたらす天体衝突の危険性

西暦536年の大異変の有力な説はやはり火山噴火ではないか?と言われていますが、今回ご紹介したような彗星衝突説もぬぐい切れません。
この解明には今後の研究により明らかにされて行くことでしょうが、やはり心配なのは、今後地球全体に大規模な異変を起こすような天体の衝突は起こり得るのか?
これについては、その危険性は常に付きまとい、彗星や小惑星といった小天体は毎年のように地球に接近して来ます。
●参考記事:【大型小惑星クリスマスイブに地球に接近】
ほとんどの小天体は地球に接近といっても、数百万キロから数千万キロの距離を通過して行きますが、この距離は決して安心出来ない距離で、いつ地球の引力に捕まり地球への衝突コースに入るかわからない危険性を持っています。
そしてさらに、最近の観測で明らかになった危険な彗星群「ケンタウルス族」の存在。
●参考記事:【「ケンタウルス族」と呼ばれる地球から遠く離れた小天体群】
これらも決して軽視できない危険性を持っていると言われています。
そして残念なのは、もし彗星や小惑星が地球に衝突することが事前にわかったとしても今の人類には成す術が無いという事もあります。
つまり、もしそうなったら黙って衝突を受け入れるしかないのです。
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