太陽系6番目の惑星・土星と言えば、大きなリング(環)が特徴ですので、他の惑星は知らなくても土星だけは知っているというくらい、太陽系の中でも最もメジャーな惑星ではないでしょうか。
そんな特徴的な土星のリングは、地上からも良く観測出来るほど。しかし、土星のリングは何故あるのか?その成分やどのようにして出来たのか?等はまだまだ謎に包まれています。
ここでは、そんな土星のリングの謎を調べると同時に、本体の土星についても少し触れてみたいと思います。

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土星の環観測のルーツ

土星の特徴でありシンボルなのは、土星を取り巻くあの大きなリング(環)ではないでしょうか?

「Image Credit:Wikipedia」
このリングは、双眼鏡でも観測できるほど明るく輝いて見え、人類で初めてリングを観測したのも15世紀の偉人ガリレオ・ガリレイです。

「Image Credit:Wikipedia」
彼は、観測技術がそれほど発達していない中世の時代に、自作の望遠鏡で土星の環を発見しました。
しかし、ガリレオは土星の環を”輪っか”とは認識せず、あまりにも大きく見える土星の環を”別の星”と勘違いして、「土星は星が3つ並んでいて、その3つの星は接触するくらい近くにある」とし、環を”土星の耳”のように表しています。

「Image Credit:Istituto e Museo di Storia della Scienza, Florence/IYA2009」
結局ガリレオは、最期まで土星の環の正体を突き止めることが出来きませんでしたが、それでも「地球は宇宙の中心」といった天動説が信じられていた当時の時代に、ガリレオは「地球は宇宙の一部に過ぎない」と地動説を唱えたのは有名で、そんな彼が時代の常識を飛び越え、土星に目を向けていたとは驚くべき事です。
なお、”土星の耳”が”環”であることが初めて認識されたのは、ガリレオの死後10年以上後の1655年でした。

土星の基本情報

目立つ土星の環ばかり興味が注がれがちですが、土星本体も非常に興味の持てる星です。
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そんな土星の基本データがコチラ。
  • 直径:120,536キロ
  • 地球からの距離:約15億キロ
  • 公転周期:29.5年
  • 自転周期:10.5時間
  • 衛星数:63個
  • 表面温度:平均マイナス180度
土星は太陽系で木星に次ぐ大きさで、地球の約9倍ほどもある巨大な惑星です。
そのため木星型惑星とも言われ、地球のように地面の存在しないガス状の惑星です。
また、巨大な惑星のため環以外にも衛星数も多く、現時点で65個も衛星の存在が確認されています。
さらに土星の特徴は、星自体を構成する成分が水素やヘリウムといった非常に軽い物質が大部分を占めるため、土星自体の比重はとても軽く、もし土星が入るような巨大なプールがあったとしたら、土星は水に浮かぶと考えられています。

「Copyright ©:Discovery UK All rights reserved.」

土星の環の正体

巨大で美しい土星の環ですが、実際この環はどのようにして出来たのか?そして成分は何なのか?非常に興味が湧くところであります。
これまでも、土星の本体以上に注目が集まり探査の重要視されて土星軌道に探査機が送られてきましたが、1997年にアメリカ航空宇宙局(通称:NASA)が打ち上げた土星探査機・カッシーニによって、土星の環のかなりの謎が解明されて来ました。

「Image Credit:Wikipedia」
その探査で判明したのが、土星の環の主な成分は塵などの物質が混入した氷の固まりが無数に散らばり”環”を形成しているという事。
この環は土星の軌道上を7,000キロ~8万キロの幅で広がっており、それぞれの軌道を周る氷が筋状となり、環の厚さは10メートル~10キロメートルと様々。その異なる環の厚さのため、まるでレコード盤の溝のようにリング状に見えています。

「Image Credit:Wikipedia」
なお、このような環はどのようにして出来たのか?について、その原因は、やはり土星の持つ巨大な潮汐力にあるとされ、過去に土星の重力に捕まった彗星などの無数の小天体が土星の潮汐力によってバラバラに破壊され、その残骸が環となって土星軌道上を周るようになったと考えられています。

土星探査の歴史と探査機・カッシーニの成果

人類はこれまでに何度か土星に探査機を送って来ました。
1979年に打ち上げられたパイオニア11後を皮切りに、ボイジャー1号、ボイジャー2号、そして探査機カッシーニは、初めて土星の軌道に投入することに成功し、2004年の軌道投入成功以降長年に渡り土星を調査し続けています。
土星の周回軌道に乗ったカッシーニは、土星本体はもちろん。環や衛星など様々な探査を行っており、カッシーニによって新しく衛星も4つ発見され、さらに衛星の1つに大発見ももたらしています。
その衛星は、土星から約24万キロの軌道を周る「エンケラドス」という衛星で、この星の表面かた間欠泉のように水が噴き出すところが発見され大きな話題となりました。

「Image Credit:Wikipedia」
これは、厚い氷に覆われたエンケラドスの地下に液体の水が存在するということの証とされ、この水の存在により、この星には生命の存在の可能性も出てきたと大きな期待が寄せられています。
●参考記事:【土星の衛星エンケラドスに地球外生命存在の可能性】

太陽から遠く離れた極寒の星・土星ですが、その衛星に生命存在の可能性があるとなると今後は一層土星へ探査機が送られる計画あると言われています。
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