巨大な重力を持つ、太陽系最大の惑星・木星
木星と地球は遠く離れていますが、木星は遠くから地球を見守る守り神とも言われています。
そんな木星が地球を守っている証拠となる瞬間が捉えられ、その映像が公開されて話題になっています。
いったい、木星が地球を守るとはどういうことなのでしょうか?今回は、地球と木星の関係についてお話したいと思います。

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そもそも木星とはどんな惑星

ご存じの方も多いと思いますが、木星は太陽系第5惑星で直径が地球の11倍もある巨大なガス惑星です。
地球から木星までの距離は平均で約6億キロもありますが、非常に大きな惑星のため夜空で観測出来る天体のうち、月、金星、火星に継ぐ明るさで、最大マイナス3等級で見え観測しやすい天体でもあります。

「Image Credit:地球と木星の大きさ比較(NASA)」
木星の特徴は、何といっても縞模様の中に浮かぶ大きな目のような大赤斑ではないでしょうか?
大赤斑は木星の大気の渦で、地球で例えると台風のような巨大な嵐です。
大赤斑の風速は時速100キロ以上とも考えられており、最初に大赤斑が発見された17世紀から300年以上も消えずにずっと残っていますが気象現象のため、いつかは消えて無くなるものと考えられます。

地球を守っている?木星の証拠映像

木星はその巨大さ故に、地球を危機から守ってくれているとの仮説があります。
木星は直径が地球の11倍ですが、質量は地球の300倍以上もあり、そのため太陽系外縁部からやって来て地球に衝突する危険があるかも知れない、小惑星や彗星などを引き付けてくれる掃除機のような役目をしてくれていると考えられ、例えば、1994年のシューメーカー・レヴィ第9彗星木星激突は有名で、大きな話題になったのを覚えている人も多いと思います。
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この時、木星軌道近くを通過したシューメーカー・レヴィ第9彗星は、木星の巨大な重力に引き込まれ20個ほどに分裂して落下しており、その落下の一部始終がメディアでも大きく報道され注目を集めました。
そしてこのほど公開された映像。

「Copyright ©:Gerrit Kernbauer All rights reserved.」
これは、アマチュア天文家の方が2016年3月17日に20センチ口径の天体望遠鏡で撮影したもので、木星の右側に小さな物体が衝突するシーンが映っています。
この木星に衝突したとみられる物体が何かはわかりませんが、おそらく、かなり大きな小惑星か彗星ではないかと思われます。

太陽になれなかった木星

巨大な惑星の木星ですが、体積も巨大で地球の約1,300倍もあり、これもまた、木星の強力な重力を生み出す要因となっています。
また、木星の主成分が水素とヘリウムで出来ており、これは太陽とほぼ同じ成分です。
太陽と同じ成分であれば、本来なら太陽のように自ら光を放つ恒星になり得たのでしょうか?
しかし、木星が恒星になるには質量が足りなく、あと70~80倍の質量がないと内部で熱核融合反応が起きないとされています。
もし、木星に恒星となり得る質量があったならば、太陽系は現在とは違う構成になっていたかも知れません。
そうなっていたならば、太陽系は2つの太陽を持つ連星になっており、それにより太陽が1つの時より重力のバランスが大きく異なることも考えられ、もしかしたら、地球のような生命溢れる星は誕生していなかったかも知れません。
つまり、太陽系、そして地球にとって木星は今の状態が奇跡的とも言えるベストだということになります。
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