オーロラは地球では、北極や南極などに近い緯度の高い地方で見られる自然現象ですが、ご承知のとおり幻想的でダイナミックそしてとても美しい。
しかし、オーロラが発生するのは何も地球だけではなく、太陽系の様々な天体で観測出来ることがわかっています。
その中でも、木星のオーロラは地球のモノとは比べものにならないくらいダイナミックで激しい事が最新の観測で分かってきています。
残念ながら、まだその全貌は解明されていませんが、いったい木星のオーロラってどんなモノなのか?判明している範囲内ではありますが調べてみました。

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まずは知っておきたいオーロラの原理

オーロラは緯度の高い極域近辺で発生する発光現象です。
発生原理は、太陽風のプラズマが地球の磁力線に沿って高速で流れ込む事で、大気中の酸素原子や窒素原子を励起することによって発光すると考えられています。

「Image Credit:毎日新聞
オーロラの発生原理となっている太陽風ですが、太陽風とはいっても地上で吹く風とは違い、太陽から熱や光と一緒に放出される電気を帯びたプラズマ粒子の事を呼びます。
この太陽風を説明するに当たり、良くわかるのが彗星が長い尾を引く姿がその例ではないでしょうか。

「Image Credit:Wikipedia」
彗星は、彗星本体に含まれる氷や塵が太陽熱で温められ溶解し放出されます。その塵が太陽風に煽られて尾のように見えているのが彗星の「ほうき星」と呼ばれるものです。
そんな太陽から吹いてくる太陽風が地球の大気と衝突した場合、電気を帯びて発光する事でオーロラが発生するメカニズムだと考えられています。
●参考サイト:【オーロラのメカニズム(オーロラ情報館)】
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地球で発生するオーロラ

オーロラは緯度の高い地方で見られます。
前記もしましたが、オーロラの発生原理になっているのが太陽風です。
太陽風は、電気を帯びたプラズマ粒子で強い有害な放射線も持っており、もし私たち生物が太陽風を直接浴びると被ばくし非常危険です。
そんな危険な太陽風を防いでくれているのが、地球の北極と南極から放出される磁場です。
この磁場が太陽風をブロックするバリアのような働きをしてくれ、地球に住む生物を守ってくれています。
しかし、磁場は両極方から発生しているため、磁場の発生元である北極と南極に太陽風が地表近くまで流れ込んでいってしまいます。
その流れ込んで来た太陽風が大気に衝突することでオーロラが発生。
オーロラ発光する場所が”オーロラオーバル”と呼ばれ、地磁気緯度65度から80度付近の地域で頻繁に発生することとなります。
オーロラオーバルの地域に発生したオーロラを大気圏外から見ると、以下の動画のように見え、非常に幻想的で美しいのですが・・・

「Copyright ©:NASA All rights reserved.」
このように、地球で見られる美しく幻想的なオーロラですが、木星で発生するオーロラはこんなものではないようです。

木星のオーロラは凄いらしい!?

オーロラが発生するのは地球だけではありません。
他の惑星や衛星でも、基本的に磁場を持つ星ならオーロラが発生する可能性が高いと考えられています。
そんな天体の中でも、木星のオーロラは地球のモノとは比べものにならないくらいダイナミックだと言われています。
実際、地球からも望遠鏡や惑星探査機などで木星のオーロラは観測されその様子も撮影されているのですが、太陽風が激しく吹く太陽の巨大フレアが発生したときなどは、木星全体がオーロラに包まれるようなとても巨大で美しくダイナミックなオーロラが見れると考えられています。
「木星オーロラのイメージ」

「Image Credit:JAXA」
木星に巨大なオーロラが発生した場合、それは地球のオーロラよりも100倍以上明るいということですので、太陽から遠く離れ暗い木星では、その美しさはさらに映えていることが予想されます。

木星のオーロラがダイナミックな理由

何故、木星のオーロラがダイナミックに発生するのか?その原因はハッキリとは掴めていませんが、大きな要因となるのが太陽から放出されたイオンが木星に到達するときには高速近くまで加速しているため、木星の大気に激しく衝突する事が大きな原因となり、それに加え、地球の11倍もの大きさがある木星がわずか10時間の高速で自転していることの強重力も、オーロラを巨大化させている要因ではないか?と考えられています。

まだまだ、謎の多い木星のオーロラですが、今後JAXAの惑星分光観測衛星「ひさき」などが、解明を進めて行くとの事です。
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