火星と木星の間に位置する準惑星・ケレスという天体をご存じでしょうか。
このケレスは人類が初めて発見した準惑星としても知られ、準惑星の中でも最大級の大きさを持つ天体で、最近の観測技術により新たな発見がされた事で大きな注目を集めています。
今回はこのケレスについて、わかった事をご案内したいと思います。

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準惑星「ケレス」とはどんな天体なのか

準惑星というワードを聞いて思い出す人も多いと思いますが、21世紀初頭までは太陽系第9番惑星として知られていた「冥王星」が惑星としての分類から外れてしまい、準惑星として新たに位置づけされたことは記憶に新しいかと思います。
つまり、冥王星と同等のクラスになるのがケレスで、惑星に最も近い存在なのが準惑星なワケなんですが、冥王星という名前は学校の理科の時間に習っていたので、大半の人は知っていると思いますが、ケレスの名前は知らない人が多いと思います。
そんな冥王星と同等でも知名度が低いケレスとは?どんな準惑星なのでしょうか。

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言葉で説明するより上↑動画をご覧いただければ、ケレスの概要が何となくでもおわかりになったか?と思います。
準惑星ケレスは、火星と木星の間に位置する軌道上にある小惑星帯(通称:アステロイドベルト)の1つの天体です。

「Image Credit:Wikipedia」
この小惑星帯には無数の小惑星が存在しますが、その中でもケレスは最も大きな天体であり、イタリアの天文学者・ジュゼッペ・ピアッツィによって、1801年に小惑星として初めて発見された星でもあります。
ケレスが小惑星帯の中で一番大きいといっても直径が952.4キロメートルと、同じ準惑星である冥王星の直径2320キロメートルに比べたら半分にも満たない大きさです。
しかしながら、小惑星帯の中でケレスは絶対的で大きなな存在であり、無数に存在する小惑星帯全体の4分の1から3分の1をケレスが占めています。
またこのケレスは、ごくわずかではありますが大気の存在が確認され、さらには水が存在するのではとも推測されていて、これが今回注目が集まっている理由でもあります。
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準惑星ケレスには本当に水が存在するのか?

近年、欧州宇宙機関(ESA)のチームが発表したケレスの最新データによると、ケレスの表面から水を含む水蒸気が太陽熱に温まめられ立ち昇っているのをハーシェル宇宙望遠鏡で観測したと発表しています。

「Image Credit:ESA」
そもそも、我々が住む”水の惑星・地球”も起源は小惑星にあるという説もあり、太陽系創世記に無数もの水を含む小惑星が衝突を繰り返した結果、現在の地球が誕生したという考え方もあります。
それを裏付ける意味でも、今回発見されたケレスからの水蒸気は、非常に興味深いものでもあり地球誕生の起源を知るには良い観測材料となるかも知れません。

なお、今回水蒸気が立ち昇っているのが確認されたのは2カ所で、立ち昇る水の量が1秒間に6キログラムにもなるとのことです。
これは、ケレスの地表に存在する水ではなく地中にある水だと想像され、何らかのカタチで、太陽熱が地中の氷に届き溶け出し蒸発したものだと考えられています。
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