誰もが一度は耳した事があるアインシュタインという人物の名前。
彼がどんな人か?何をした人なのかはわからなくても、この名前を聞いた人は頭の良い人・天才というイメージが湧くのではないでしょうか?

そう!彼は「20世紀最高の物理学者」と称される科学者であり、それまでの物理学の認識を根本から変えてしまった、まさに「天才」と呼んでも異論のない大人物です。
そんな天才アインシュタインが残した一般相対性理論が、現在の宇宙物理学でも正確性が証明され大きな話題となっているのですが、そうは言っても私たちのような一般人に、アインシュタインの一般相対性理論の事を言われても、何が何だかわからないのが正直なところかと思います。
そこでここでは、一般相対性理論についての簡単な解説と、正確性が証明された出来事とは何だったのか?についてご紹介したいと思います。

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アインシュタインとはどんな人だったのか?

アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)は、20世紀前半に活躍したドイツ生まれの理論物理学者で、「20世紀最高の物理学者」、「現代物理学の父」等と評された偉大な科学者です。

「Image Credit:iStock」
そんな彼の名前を一躍世界に轟かせたのが、今回のテーマとなる相対性理論の発表なのですが、私たち一般人には、なかなかこの理論を理解する事が出来ないかも知れません。
この理論については後述するとして、そもそもアインシュタイン博士とはどんな人だったのでしょうか?
まずは、その生い立ちとエピソードを調べてみると。

アルバート・アインシュタインは、1879年ドイツのユダヤ人商人家庭に出生。
彼は偉大な功績を残しただけに生まれながらの天才か?と思いきや、幼少期は言葉を覚えるまでに異常に時間がかかり(7~8歳くらいまで覚えが悪かったとか?)、知的障害があるとまで思われていたそうです。
しかし、言葉を覚えたその後の彼は少しずつ天才ぶりを発揮し始め、12歳頃には既に物理学を学ぶようになり、大学は一度受験に失敗しますがスイスのチューリッヒ連邦工科大学に入学。
そこから本格的に物理学を学び始めます。

卒業後は物理学の研究者になるか?・・・ではなく特許庁に就職。
仕事の傍らで研究に没頭し、わずか26歳の時の1905年に「特殊相対性理論」を発表。
この論文発表を機に特許庁を辞め、プラハ大学の教授になり本格的な研究者の道を歩み始めます。

そして1916年に発表されたのが「一般相対性理論」。
他の論文も含むこれらの功績が認められ、1921年にノーベル物理学賞を受賞します。
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アインシュタインのノーベル物理学賞後の人生

アインシュタイン博士がノーベル賞を受賞した後、故郷のドイツではヒットラー率いるナチス党が政権を握り始め、この頃からナチスドイツはユダヤ人の迫害を始め出し、ユダヤ人であるアインシュタイン博士も迫害を逃れアメリカに亡命します。

亡命しアメリカ国籍を取得した彼はアメリカの軍事開発に協力し、特殊相対性理論の一部(E=MC2)が原子爆弾の開発にも利用され、戦後、原爆開発の元凶としてアインシュタイン博士を非難する声が挙がりましたが、実際のところ彼は直接原爆開発にチカラを貸したワケではありませんでした。

ところで、アインシュタイン博士を語る上で一枚の有名な写真があります。
その写真については著作権の問題もありそうなのでイラストでお見せしますが、こんなアインシュタイン博士のお茶目な表情を見た事があるかと思います。

「Image Credit:いらすとや」
実際の写真を見てみると、とても茶目っ気がありサービス精神旺盛な方のように見えますが、実際のアインシュタイン博士は無口であまり笑わない真面目な人だったそうです。

そんな彼が何故このような写真を写したのか?についてですが、写真が撮影されたのは1951年3月14日。アインシュタイン博士72歳の誕生日でした。
その日開かれた彼の誕生パーティに多くのマスコミも殺到。
アインシュタイン博士は、自分の誕生パーティだったのにも関わらず不愛想な表情で機嫌が悪かったそうです。
それもそのハズで、彼は大のマスコミ嫌いでも知られ、折角の誕生パーティをマスコミに台無しにされたとでも思ったのでしょうか?
パーティの帰り際クルマに乗り込もうとしたアインシュタイン博士に記者が、「笑って下さい。」と声を掛けたところ、舌を出す仕草~いわゆるアッカンベーをした瞬間を写真に撮られてしまったワケです。

そんな不機嫌なアインシュタイン博士を示す証拠なのでしょうか?舌を出してふざけているように見えますが、目は一切笑っていませんでした。
そしてその後、直接の関わりはありませんが、戦争で核兵器が使用された事実にショックを受けたアインシュタイン博士は、1955年4月に哲学者バートランド・ラッセル氏と核兵器の廃絶と戦争根絶を世界各国に訴えるラッセル=アインシュタイン宣言に署名した直後に倒れ同月にその生涯を終えます。

アインシュタイン偉大なる功績~一般相対性理論は正しかった!

一般相対性理論が発表されてから100年以上が経過しています。
そのためアインシュタイン博士の理論は、かなり古いモノとなってしまった現在ですが、ここに来てその理論の正確性が証明される天文現象が発見され今また脚光を浴びています。

とその前に、一般相対性理論とは何なのでしょうか?これは非常に難しい理論なので簡単に説明することになりますが、
一般相対性理論は、重力と時空の関係を示す理論で、重力と時間の流れは相対的な関係性があり、恒星やブラックホール等、特に巨大な質量を持つ物質は時空を曲げる予測が出来るとする理論という事です。

現代の科学者の中には、古い一般相対性理論の正確性について疑問視する人もいる中、この理論を検証する世界初の実験が行われました。
その実験では、遠くにある2つの銀河をハッブル宇宙望遠鏡とチリのヨーロッパ南天天文台大型望遠鏡を使って、手前にある銀河と後方にある銀河それぞれの質量を計測しました。
計測は2つの銀河の重力レンズ効果を使った観測方法に、後方にある銀河内の星の動きを観測した誤差を求める方法を使ったところ、2つの銀河の重力に約9%の誤差が生じる事が判明しました。

「Image Credit:銀河の重力レンズ(ESA/Hubble&NASA)」
この実験により、銀河の持つ重力と2つの銀河間の時間の差のズレが、重力の差によって発生する時間の進み方が違うという、アインシュタイン博士の一般相対性理論が有効であるとの裏付けとして証明されたのです。

この話を耳にして、あまり良くわからないかも知れませんし、この理論が私たちの生活に何の役にたつの?と疑問に思ったかも知れません。
ですが、現代において一般相対性理論は私たちの生活に欠かせないモノとなっておりその代表的なモノがGPSです。

GPSは人工衛星からの位置情報を得ています。しかし、宇宙にある衛星と地上との距離関係で、微妙ではありますが時間の進み方に誤差が生じています。
この誤差を補正するために一般相対性理論が使われており、これにより私たちはカーナビやスマートフォンの地図アプリを便利に使えているワケです。

今回行われた銀河を使った実験。
研究者たちは、この実験結果が全てではなく他の方法も試して一般相対性理論の正しさを確かめるとしていますが、いずれにせよ、100年以上も前にこのような考えが導き出されていたワケで、アインシュタイン博士が如何に偉大な科学者であったか?改めて驚きを感じ得ません。
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