当サイトでも何度もお伝えしている超新星爆発の情報ですが、私たちの太陽系がある銀河系(天の川銀河)内で、近々超新星爆発を起こすのではないか?と考えられている天体がいくつか存在しています。
その中でも最も有名なのはオリオン座の1等星・ベテルギウスですが、他に爆発寸前と考えられているのが、りゅうこつ座のイータ星(イータ・カリーナ)という天体です。

このイータ・カリーナでは、超新星爆発の前兆が出ているのでは?という超高温度エネルギーが観測されていると推測されており、もしイータ・カリーナが超新星爆発を起こした場合、地球からどのように見えるのでしょうか?そして気になるのは、地球に超新星爆発の影響が及ぶことはないのかという心配です。

Sponsored Link

りゅうこつ座のイータ星(イータ・カリーナ)とは?

天の川銀河には2,000億個以上の恒星が存在していると考えられており、私たちの太陽はその中の1つに過ぎません。
無数とも言える恒星がある銀河では、星の誕生から終焉のサイクルまでが目まぐるしく行われており、星の終焉を意味する超新星爆発もあちこちで発生していると考えられています。
そんな中、今現在において人類が観測出来ている超新星爆発の前兆を持つ星の1つ、りゅうこつ座のイータ星(イータ・カリーナ)で不思議な現象が起きていると言います。

イータ・カリーナは、りゅうこつ座方向に地球から約7,500光年ほど離れた場所にある大質量を持つ恒星・青色超巨星です。

「Image Credit:Wikipedia」
この恒星は、連星を成しておりその質量は太陽の70倍と30倍もあると考えられています。

ちなみに上画像を見ておわかりかと思いますが、イータ・カリーナからは大量の物質が放出されており、その物質が成すガスがイータ・カリーナを覆い星雲が形成されています。

「Copyright ©:European Southern Observatory (ESO) All rights reserved.」
イータ・カリーナの表面温度は3万5,000度から4万度もあると考えられており、光度に至っては太陽の10万倍以上にもなるまさに超巨星です。

超新星爆発の前兆か?激しく吹き荒れる恒星風

イータ・カリーナからは、時速960万キロというとてつもなく激しい恒星風が吹き荒れており、さらに、この連星から放出される激しい恒星風同士が衝突する事で、天体間の温度が加熱され数百万度まで上昇していることも確認されています。
もし、この天体の近くに惑星などあったとすれば、ひとたまりなく消滅してしまうほど荒れ狂った環境になっているようです。
Sponsored Link

イータ・カリーナはこれからどうなるのか?

一般的に、恒星が太陽質量の8倍を超えると超新星爆発を起こすとされており、質量が30倍未満の恒星は爆発後に中性子星となり、さらに30倍を超えるとブラックホールに変貌すると考えられています。

「Image Credit:ブラックホールのイメージ図(Wikipediaより)」
この事から、質量が70倍と30倍を持つ連星イータ・カリーナはともに超新星爆発を起こすと考えられ、その後の末路はブラックホールになるという事が想定出来ますが、まもなく星としての終焉を迎えるであろうこの天体がどうなるのか?正直なところ予測がつかないのが現状のようです。

もし、近日中にイータ・カリーナが爆発したら?

恒星としての末期的状態にあると考えられているイータ・カリーナですが、もし、この天体が超新星爆発を起こしてしまったらどうなるのでしょうか?

イータ・カリーナは地球から7,500光年も離れていますが、それほど離れた場所であっても超新星爆発を起こすと日中でも肉眼で観測できるほど光り輝いて見えると考えられています。
しかし、イータ・カリーナのあるりゅうこつ座は南半球で観れる星座です。ということは、日本では残念ながら超新星爆発の様子を見ることは出来ません。

ちなみに過去の文献を参考にすると、かつて(西暦1054年)地球から7,000光年離れた宇宙空間で超新星爆発が起こり、金星くらいの明るさで輝き約2年間観測出来たと記されています。
それが、現在のカニ星雲で超新星爆発の残骸で星雲が形成されています。

「Image Credit:かに星雲(Wikipediaより)」
となると、イータ・カリーナが超新星爆発を起こした場合カニ星雲のかつての星のように見えるのでしょうか?
また、現在のカニ星雲の中心部はかにパルサーと呼ばれる中性子星になっています。つまりそれはブラックホールにはなり切れなかったという事で、かに星雲になる前の恒星はイータ・カリーナよりは質量の小さい恒星だったいうことが想像できます。
となれば、ブラックホールになる可能性の高いイータ・カリーナ。しかも連星となればその威力は桁外れなのかも知れません。

「Image Credit:地球から見た超新星爆発のイメージ(YouTUBEより)」

イータ・カリーナは既に超新星化してる?

恒星としての末期的状況が地球からの観測で確認出来ているイータ・カリーナは7,500年前の姿ということになります。
7,500年という時間の流れは、星の寿命からするとほんの一瞬に過ぎないとされており、現時点で観測できるイータ・カリーナの状態はかなり末期的な姿だと考えられていて、もしかしたら、この7,500年の間に既に超新星爆発を起こしてしまっているという可能性も捨てきれません。
仮に既にイータ・カリーナが超新星になっていたとした場合、地球で観測出来るのはいつになるのでしょうか?
それが数年前、もしくは数十年前に起こっていたとしたら、私たちは生きているうちに宇宙の大スペクタクルショーを見る事が出来るかも知れません。
Sponsored Link