NASA が2009年に打ち上げ、運用を続けて来た「ケプラー宇宙望遠鏡」(2018年運用終了)は大きな成果をあげています。
この宇宙望遠鏡は、これまで遠い太陽系外の恒星系に目を向けて来て、太陽系外惑星を多数発見し、その中には地球のように生命が生存可能と思える惑星も数多く含まれています。
太陽系外惑星発見というのは、これまでの人類にとって未知の世界で、もしかしたら今後、異星人との接触の手掛かりとなるかも知れない大きな挑戦です。
今回は、このケプラー宇宙望遠鏡の成果について少し調べてみました。

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ケプラー宇宙望遠鏡の太陽系外惑星の探し方

ケプラー宇宙望遠鏡は、NASAが太陽系外に地球に似た惑星を探すために打ち上げられた望遠鏡です。
このケプラー宇宙望遠鏡は、有名なハッブル宇宙望遠鏡とは違い地球低軌道上を周回する人工衛星ではなく、より鮮明な観測が出来る地球から約1億2000万キロも離れた場所で、地球の公転をトレースする軌道に設置されています。
ちなみに、ケプラー宇宙望遠鏡と地球との通信は電波の往復で13分もかかるとの事です。
ケプラー宇宙望遠鏡が太陽系外の惑星を探すと言っても、自ら光を放つ恒星とは違い、惑星は光を放たず太陽系の惑星のように太陽の光を反射したとしても、遥かに遠い地球までその反射光が届くことはありません。
そのため、惑星系を持つような恒星に焦点を当て、その恒星の前を横切る天体のスペクトル分析を行い、太陽系外の惑星を探し出すという方法をとっています。

「Copyright ©:George Ricker
このスペクトル分析により、太陽系外の惑星の軌道や大きさ形を判別。詳細の分析は出来ないまでも、おおまかな惑星の性質までわかるとの事です。

ケプラー宇宙望遠鏡が発見した太陽系外惑星の数

2009年から運用を続けてきたケプラー宇宙望遠鏡が、2018年10月末のまでの運用終了までに発見した太陽系外惑星の数は何と2,662個。数光年から数千光年に渡る広範囲で探し続けた結果がこの惑星数です。
そしてさらに、2,662個のうち約500個は、地球のような表面が岩石で覆われた地球型惑星であることも判明しています。
しかし、地球型惑星と言っても500個全てが地球のように大気や水が存在し、生命が生存可能な惑星というワケでなく、そのような惑星はさらに絞られる結果となっています。
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ケプラー宇宙望遠鏡が発見した生命が生存する下の星がある惑星数

ケプラー宇宙望遠鏡が発見した1,284個の惑星のうち、地球型の岩石惑星は550個。そして生命生存の可能性がある惑星は12個だといいます。
遠く離れた太陽系外惑星なのに、何故、生命生存の可能性があると言えるのか?
その理由は、その恒星系のハビタブルゾーンに地球型惑星が位置するからであり、ハビタブルゾーンは生命が生存し得る、恒星からの距離から丁度良い領域の事をいい、つまり、我々の太陽系でいうところの地球がある位置がハビタブルゾーンという事になります。

「Image Credit:NASA」
もし、このハビタブルゾーンにある地球型惑星に、大気や水が存在すれば、十分に生命が生息する可能性があると考えられています。

宇宙に生命生存可能な星は意外と多かった!?

ケプラー宇宙望遠鏡が探査の目を向けたのは数千光年先の宇宙までです。その範囲内で10個以上の”居住可能”な惑星が見つかったのは快挙。もちろん、その全てに生命が存在するとは限らないですが、可能性はかなり高いとの事。もしかしたら、この惑星の中に人類のような知的生命体も存在するかも知れません。
また、私たちの住む銀河系(天の川銀河)には2,000億個以上の恒星があることもわかっていて、その恒星以上に惑星は多いのでは?ということも推測され、さらに惑星が従える衛星にも生命生存の可能性があるため、
宇宙では意外と”我々の仲間”である地球外生命体は多いのかも知れません。

「Image Credit:Shutterstock」

今後さらに期待される地球外生命体探査

ケプラー宇宙望遠鏡は大きな成果をあげ、そのミッションを終えよう(終えた)としています。
そのため、ケプラー宇宙望遠鏡に代わる新しい太陽系外惑星探査望遠鏡(衛星)も2018年に打ち上げられ、さらに20万個以上の恒星を調査し、そこから地球型惑星を探す予定になっています。
また、同じく役目を終えたハッブル宇宙望遠鏡も、世代交代を迎え、新たに、超高性能なジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が投入されることになっています。(2021年12月に打ち上げ成功。2022年夏より本格運用開始)

「Image Credit:ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(Wikipediaより)」
今後、続々と投入される新技術を詰め込んだ観測衛星。
これにより、近い将来、SFの世界でしかあり得なかった地球外生命体を確認出来、地球外生命体との交信・接触もあるかも?
まだまだ夢物語でしかありませんが、最新の技術は、夢を現実に変えてくれる可能性を秘めているのではないでしょうか。
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