これまで数々の宇宙探査を行い多大なる成果を挙げて来た、最先端の技術を持つ宇宙探査のパイオニアと呼べるアメリカ航空宇宙局(NASA)。
そのNASAの良識ある研究者が驚くべき発言をしたのがコレ↓です。
「10年以内に(太陽系内に)地球外生命体を発見できそうだ。」
この発言の真意わかりませんが、地球以外に生命がいるって確信があるって事なのでしょうか?
NASAが地球外生命体発見を本気で言っているなら信憑性が高いのかも知れません。
果たして、NASAの言う生命の居る太陽系内の天体とはどこなのでしょうか?

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NASAが衝撃発言をした理由とは

「(近々)地球外生命体を発見できる。」と公言したのは、2015年11月に行われた世界的講演会「TED」に登壇したNASAの惑星科学ディレクター、ジェイムズ・グリーン氏です。


「Copyright ©:TED All rights reserved.」
何故、グリーン氏はこんな発言をしたのでしょうか?
それは、NASAは本気で地球外生命探査ミッションに取り組んでおり、近年においてこのミッションの成果が着実に実を結び、太陽系内には生命誕生に必要な3つの要素(液体の水・熱エネルギー・有機物)この要素を備えた天体がいくつか存在していることを発見した事で、この発見を基にさらに本腰を入れ、それらの天体に探査の目を向けていくという事だそうです。

この探査が成功すれば人類史上初めてのエイリアンと出会えるかも?と大きな期待を寄せていて、それが少しづつ確信に変わりつつあるとの事でこのような発言が飛び出したということのようです。
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生命誕生に必要な3つの要素を持つ天体とは?

NASAが、地球外生命探査ミッションで生命存在出来るかも知れない?!と候補に挙げた天体は4つ。
  • 火星(第4惑星)
  • エウロパ(木星の衛星)
  • エンケラドス(土星の衛星)
  • タイタン(土星の衛星)
以下、これらの天体がどんな星なのか?について簡単に解説します。

地球外生命体存在の可能性、第一候補「火星」

火星は、地球の公転軌道の外側を公転する太陽系4番目の惑星で赤く見える惑星としても有名です。

「Image Credit:Wikipedia」
火星の大きさは地球の約半分と惑星サイズは地球よりかなり小さいですが、太陽系の惑星の中で地球に最も近い環境を持っている惑星で、その最大の要素は大気ですが、それは非常に希薄で大気圧6~10HPaと地球の大気圧の100分の1にも満たない薄さです。
また大気成分は、二酸化炭素95%、窒素3%、アルゴン1.6%、他に微量の酸素等も含まれています。
このように、火星には微量ながら大気が存在することから、古くから生命が存在しているのでは?と期待が寄せられてきている天体ではあります。

なお、他にも地球と似ている点はいくつかあり、国立天文台が分かりやすい図解を公開していましたので参考にしていただければと思います。

「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」

地球外生命体存在の可能性、第二候補「エウロパ」

エウロパは、木星の衛星でガリレオ衛星第2衛星としても有名な天体です。

「Image Credit:Wikipedia」
この天体の特徴は、表面を厚い氷で覆われており(約3キロ以上?)そのため地表温度はマイナス200度にも達する超極寒の世界になっており、地表にはどこにも生命が存在出来る場所など無いように見えます。
しかし、その厚い氷の下には地熱で温められた液体の水(海)が存在すると考えられており、その海に生命が存在する可能性があると考えられています。

「Image Credit:AFP/NASA/JPL-Caltech」

地球外生命体存在の可能性、第三候補「エンケラドゥス」

エンケラドゥスは土星の衛星で、直径は約500キロほどの氷で覆われた小さな天体ですが、NASAの地球外生命探査で最も注目度が高いのがこのエンケラドゥスだと言われています。

「Image Credit:Wikipedia」
何故、小さな氷の天体に生命存在の可能性が高いのでしょうか?
その理由は、エンケラドゥスもまた厚い氷の下に液体の水が存在すると考えられており、その証拠に、エンケラドゥスの地表から間欠泉(氷成分)が噴出しているのが確認され、間欠泉を噴き出すには地下に熱源があるということを示唆しており、これにより液体の水が存在する可能性が非常に高いということが考えられています。

「Image Credit:間欠泉を噴き出すエンケラドゥス(Wikipediaより)」
今後エンケラドゥスに探査機を送り噴き出す間欠泉を採取して調べれば、直接氷の下を調査せずとも生命の痕跡が得られる可能性が高いと期待されています。

地球外生命体存在の可能性、第四候補「タイタン」

タイタンは土星の衛星で、地球以外の天体で厚い大気を持つことでも知られています。

「Image Credit:NASA」
タイタンに生命が存在する可能性があるとされる理由は、その厚い大気と天体の表面に安定的に液体が存在することにあります。
また大気成分の大半は地球と似た窒素で構成されていますが、残念ながら酸素はほとんど無く窒素以外はメタンや水素等で組成されています。

さらに驚くべきなのは、タイタンには地球以外で湖や川が流れていることも確認されています。
ただ、タイタンもまたマイナス200度近い超極寒世界ですので水は液体の状態を維持出来ず、湖や川の成分は、このような環境でも凍らないメタン等の炭化水素が主成分ではないか?と考えられています。

「Image Credit:タイタンの湖の想像図(NASA/JPL-Caltech)」
地球に住む私たちの常識では、そのような環境では生命の存在は無いものと考えられますが、地下には液体の水が存在する可能性もあり、そこに生命がいるかも知れないという考えもありますし、一部では地球の常識で生命が居ないと決めつけるのではなく、タイタンの環境でも適応できる生命も居ると考えるべきだ!という意見もあります。

地球外生命体が発見された場合はどんな生物?

NASAが「地球外生命体を発見出来るだろう。」と発言したように、今後、実際そのとおりとなり生命が発見された場合はいったいどんな生物なのでしょうか?
それは、私たち人類のような知的生命体で火星人?、木星人?それとも土星人なのでしょうか?

残念ながらそれはあり得ないでしょう。
太陽系内では知的生命体は人類だけだとNASAも考えていますし、ほとんどの科学者もそのように考えています。

ここでご紹介した生命体が存在する可能性がある天体は、生命誕生に必要な3つの要素を持つとは言っても、いずれも過酷な環境であることは間違いないでしょう。
そのため、もしそれらの天体に生命がいたとしても原始的生命体ではないか?と想定するのが正しい考え方だと言います。
それでも、地球以外に生命がいるということが証明できれば、地球だけが特別な存在ではないということになり、今後の生命探査により一層の期待が持てることになるのではないでしょうか。
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