太陽系外縁天体の1つである冥王星まで無人探査機が到達し、ついに太陽系の惑星全て(冥王星はかつて惑星だった)に人類が探査の手を伸ばしたということになります。
そして今後、大きな注目となり人類は新たな領域に探査の目を向けることになります。
それが、太陽系外縁天体群エッジワース・カイパーベルトです。
ここは、未だ見ぬ天体が多く眠っており人類の興味をかき立ててくれる領域でもあります。
果たして、エッジワース・カイパーベルトには何が存在するのでしょうか?

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エッジワース・カイパーベルトの基礎知識

エッジワース・カイパーベルトは、太陽系第9惑星・海王星の外側に広く分布する、小天体を中心とした太陽の周りに帯状に分布する天体の集まりを言います。
かつては惑星に分類されていた冥王星(現在は準惑星に分類)も、このエッジワース・カイパーベルトに属する天体だということが分っています。

「Image Credit:自然科学研究機構 国立天文台>」
そんなエッジワース・カイパーベルトには、大小様々な天体が存在していると考えられていますが、人類のエッジワース・カイパーベルトに対する認識は浅く、1980年代頃までは仮説の天体群として提唱されており、その存在が明確になってきたのは1990年代に入ってからで、現在ではエッジワース・カイパーベルト内に1,000個以上の天体が発見されています。

エッジワース・カイパーベルトの探査

2015年に人類は初めてエッジワース・カイパーベルトの領域に足を踏み入れました。
それが、冥王星まで到達したNASAの無人探査機・ニュー・ホライズンズです。
ニュー・ホライズンズは冥王星探査だけを目的としておらず、冥王星を含めたエッジワース・カイパーベルトの天体を順次単捜査しながら調査するために送り込まれています。

「Image Credit:ニュー・ホライズンズ(Wikipediaより)」
冥王星探査終了後のニュー・ホライズンズは、さらにエッジワース・カイパーベルトの中に突入し、地球から70億キロ以上離れた小天体2014 MU69など、複数の天体の探査を行う予定になっています。
このニュー・ホライズンズのミッションが成功すれば、エッジワース・カイパーベルトの正体がかなり鮮明になってくるものと思われます。
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エッジワース・カイパーベルトに存在する太陽系第9惑星

エッジワース・カイパーベルトは太陽系外縁部に大きく広がっており、その中は、非常に興味深く最近では小天体ではなく巨大な天体、つまり太陽系第9惑星の存在の可能性も高まっています。
この第9惑星は、ほぼ間違いなく存在していると考えられており、推定では地球の質量の10倍ほどのかなり巨大な天体で、発見されれば冥王星に代わる太陽系第9惑星になることは間違いないようです。

「Copyright ©:caltech All rights reserved.」
しかしながら、存在の証拠が見つかりながらも、未だ第9惑星の発見には至っていません。
その理由は、地球からの距離が180億キロ以上と遠く離れている事と、恒星とは違い自ら光を放たない惑星の見つけ出すのは困難なためのようです。
そのため、発見までかなりの時間を要すると言われていますが、天文学者たちは全力を挙げて、この未知の惑星の発見にチカラを注いでいますので、新・太陽系第9惑星の認定は時間の問題なのではないでしょうか?

エッジワース・カイパーベルトが太陽系の最外縁部なのか?

太陽系外縁部に広く分布するエッジワース・カイパーベルト。太陽から数百億キロと離れているため、ここが太陽系の外側か?と思われるかも知れませんが、そうではな、太陽の引力はかなりの宙域まで広がり、エッジワース・カイパーベルトのさらに外側には、太陽系を球状に取り巻く天体群。「オールトの雲」が存在するのでは?と考えられています。

「Image Credit:自然科学研究機構 国立天文台>」
このオールトの雲までが太陽系だと考えられており、太陽系全体は約1光年にも及ぶ大きさではないかとみられています。
とにかく、我々の人類の視点からすると途方も無く広い太陽系。
エッジワース・カイパーベルトの探査は、ほんの入り口にしか過ぎませんが、未知の天体が多く存在するであろうこの広い領域には、第9惑星だけではなく第10・第11惑星も存在するかも知れません。
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