私たちが日常的に目にする事が出来る巨大な恒星は太陽で、地球から見れば太陽はとてつもなく巨大な天体ではありますが、宇宙規模で見ると太陽は標準サイズ、むしろ小さいくらいだと言われています。
では、宇宙規模で巨大な天体とはどれくらいなのでしょうか?
現時点で発見されている、宇宙で最大の天体(恒星)と、逆に最小の恒星についても調べてみました。

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まずは宇宙で標準サイズの太陽の大きさを知ろう!

宇宙の天体の大きさを知る前に、まずは基準となる太陽について解説します。
太陽の直径は約140万キロで地球の約109倍の大きさがあります。

「Image Credit:Planet Compare
質量は地球の重さが5.972垓トン(参考:数の単位・・・億→兆→京→垓(がい))とすると、太陽の質量は地球の約33万倍もあり、この太陽の質量は地球や木星などの天体を含めた太陽系全体の99.86%を占めるほど巨大なモノです。
これほど巨大な天体「太陽」を持ってしても広大な宇宙ではそれほど大きなサイズではなく、むしろ小型といってもよいくらいのサイズなのです。

天体のサイズは大きさではなく質量

ネット検索で「宇宙最大の星」と入力すると巨大な星の情報が出て来ます。
しかし、そこに載っている天体の情報自体は間違いではないのですが、あくまでも現状の大きさについて記載しいているだけであり厳密に言うと間違った情報とも言えます。
何故なら、そこで記載されている天体は太陽と比べてどれくらい大きいのか?と言っているだけで、太陽とそれら大きな天体とは星の状態が全く異なっているからです。

例えば、「おおいぬ座VY星」は太陽の1,800倍から2,100倍もの直径があるとされる赤色超巨星ですが、大きさだけならこの恒星はとてつもない巨大なのですが、「おおいぬ座VY星」は恒星としては晩年を迎え活動期(主系列星)のサイズより遥かに膨張し巨大化しています。

「Image Credit:おおいぬ座VY星と太陽の比較図(Wikipediaより)」
つまり、現在活動期(主系列星)にある太陽と晩年を迎え膨張した「おおいぬ座VY星」と比べ事は、そもそもの比べる天体の性質自体が異なるワケであり、これには少し違和感を感じざるを得ずもし太陽と比べるのであるなら、数十億年後に晩年を迎え赤色巨星となった太陽とを比べるべきだと個人的には思います。
このように、天体のサイズを大きさだけで測ると天体の状態で大きな誤差が生じてしまい、その誤差を無くための測定方法で使われているのが、質量~すなわち天体の重さになるのです。

ちなみに、現状の大きさでは最大規模だとされる「おおいぬ座VY星」は太陽質量の30~40倍あり、宇宙にはこれを遥かに凌ぐ質量を持つ天体がいくつも発見されており、ここでは現在発見されている天体の中で最大の天体をご紹介します。
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現在発見されている最大の星「R136a1」

現在発見されている恒星の中で最も質量の大きい星は、地球からの距離約16万5,000光年の位置にある「タランチュラ星雲」に存在する星団の中にいくつか見つかっており、この星団には若く超高温で太陽質量の100倍以上の星たちが多数存在しているようです。
そんな星団の中で最大の恒星は、何と太陽質量の約265倍もある「R136a1」という恒星で観測史上最大質量の天体です。

この恒星はウォルフ・ライエ星と呼ばれるタイプの恒星で、あまりにも巨大な質量のため、中心部で起きている熱核融合反応が強力過ぎて恒星の外層が吹き飛ばされてしまい、高温になっている内部が露出して青色に輝いて見えることから青色巨星とも呼ばれています。
尚、外層が吹き飛ばされた「R136a1」の表面温度は5万度を超えており(参考:太陽の表面温度は約6,000度)、光度に至っては太陽の870万倍という明るさです。

ちなみに「R136a1」の直径は約49,000,000キロほどだと推測されています。

「Image Credit:YouTUBE」
これだけの巨大な質量を持つ恒星は、内部で起こっている代謝(熱核融合反応)も速いため、極めて寿命も短いとされており、「R136a1」の寿命は数百万年で尽きると予想されています。(参考:太陽の寿命予想 約100億年)

超巨大質量恒星が辿る運命とは?

太陽質量の約265倍もある青色巨星「R136a1」。数百万年で燃え尽きて寿命を終えると予想されていますが、寿命が尽きてしまった場合どうなるのでしょうか?

太陽質量の8倍以上の恒星が寿命を終えた場合、重力崩壊で大爆発を起こす超新星になると考えられており、30倍を超えると超新星爆発を起こした後ブラックホールが形成されるとされていますが、それ以上の質量を持つ「R136a1」は対不安定型超新星爆発という、通常の超新星爆発の10倍以上のエネルギーを放出する超新星になると考えられています。

「Image Credit:対不安定型超新星のプロセス図(Wikipediaより)」
この対不安定型超新星爆発はあまりにも大規模なため、ブラックホールの形成や星の残骸すら残さないほど跡形も無く吹き飛ぶとされています。

最も小さい恒星とは?

観測史上最大質量の恒星が太陽質量の265倍であるならば、逆に最も軽い質量の恒星はどのくらいなのでしょうか?
恒星となるために、内部で熱核融合が起こるために必要は質量は最低でも太陽の8%は無いといけないと考えられており、この条件をギリギリ満たす8.1%の天体が見つかっています。
その天体は、地球から「がか座」方向に約600光年の距離に位置する観測史上最低質量の恒星「EBLM J0555-57Ab」。
この小さな恒星の大きさは、ガス惑星サイズの大きさで、木星の約8割程度の赤色矮星です。

「Image Credit:University of Cambridge/Alexander von Boetticher et al.」
このような質量の小さい恒星は、逆に代謝も緩やかなため寿命も長いと考えられています。
巨大質量の「R136a1」の寿命は数百万年ならば、小さな赤色矮星の寿命は数百億年以上はあると考えられています。
つまり、宇宙が誕生してから約130億年経過していますが、未だ寿命を終えた赤色矮星は発見されていません。
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