地球型惑星」という名称を聞いた事はあるでしょうか?
地球型惑星とは、地球のような生命に溢れた惑星の事ではなく惑星表面を硬い岩石で覆われた惑星の事を指し、つまり、太陽系で地球型惑星に該当するのは地球以外に、生命がいない可能性が高い水星や金星、火星も含まれるワケです。

そんな地球型惑星ですが、近年太陽系外でも多く見つかっており、今後探査が本格的に行われようとしています。
その理由は、太陽系外の地球型惑星の中には、本当に地球のように生命が存在する惑星があるかも知れないという期待があるからです。
太陽系内の地球型惑星に生命がいる可能性が低いとなると、やはり太陽系外の天体に目が向くのは必然ではないでしょうか。
果たして人類初の地球外生命がいると確証を太陽系外地球型惑星で得られる事が来るのでしょうか?

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ケプラー宇宙望遠鏡の目的と成果

ケプラー宇宙望遠鏡は2018年まで運用されていた、地球サイズの太陽系外惑星を発見するためにNASAが開発した宇宙望遠鏡です。

「Image Credit:NASA」
ケプラー宇宙望遠鏡は、当初太陽に良く似た恒星系を探し、そこに地球に似た惑星が存在しないかを探すために運用されていました。
しかし、打ち上げから3年後の2012年。故障により姿勢制御出来なくなり、やむなく限られた狭い宙域で探査を行う事になりました。

「Image Credit:NASA」
これまでケプラー宇宙望遠鏡は太陽に似た恒星系の探査を中心に行っていましたが、故障による代替ミッションに変更。それは、故障しても探査可能な狭い範囲約3,000光年にある、小さくて暗い赤色矮星の惑星探査が主なミッションとなる事でした。
しかし、この故障によるミッション変更が大きな成果をもたらしてくれたのです。
探査ターゲットとなった赤色矮星は、天の川銀河の7割を占めていると考えられており、ケプラー宇宙望遠鏡が探査出来る狭い範囲内にもたくさんの赤色矮星が存在していました。
さらに赤色矮星は質量が小さいため、恒星と惑星の距離が近く、恒星の前を惑星が横切る時に起きる減光を観測する「トランジット法」には最適の恒星だった事が功を奏したのです。
◆ トランジット法の動画解説

「Copyright ©:ESA Science & Technology All rights reserved.」
この観測方法で、ケプラー宇宙望遠鏡が2018年の運用終了までに発見した太陽系外惑星の数は実に2,662個にも及び、そのうち地球に似た惑星は50個以上と、同時にかなりの確率で太陽系外には地球に似た惑星が存在することが明らかになったのでした。
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地球型惑星は意外と多く存在する

ケプラー宇宙望遠鏡は限られた範囲内で探査を行っていましたので、それでも50個以上の地球型惑星が見つかっており、これらの惑星にもし1つでも生命の存在が確認されたとしたら、それは大きな確率となり宇宙には地球外生命体が存在し得るという分析も出来るかも知れません。
そしてさらには、人類のような文明が発達した知的生命体(異星人)もいるのでは、との期待も出来るとの事にも繋がるかも知れません。
ちなみに、私たちの太陽系が所属する天の川銀河には2,300億個以上の恒星が存在すると考えられていますが、そのうちの約500億個は太陽に似た恒星であると考えられており、さらにその2割の恒星には地球型惑星を保有するのでは?とも推測されています。
その考えが正しいということになると、銀河にはかなりと多く生命が存在していることも考える事が出来るのかも知れません。

「Copyright ©:TED All rights reserved.」

NASAも手応えを確信する地球外生命体の発見

ケプラー宇宙望遠鏡の成果により、NASAも地球外生命体の発見に向け大きく前進しているようです。
事実、2015年に行われたNASAの討論会で「10年以内には地球外生命体の有力な兆候を掴める可能性が高い。」
さらには「20~30年以内には地球外生命体確実な証拠が得られる。」との自信ものぞかせています。
こうなると「地球外生命体確実な証拠」とは、異星人との接触か?とも思わせるのですが、そうではなく微生物などの原始的生命体の証拠が見つかるということであって、地球に良く似た惑星が存在しても、必ずしもそこが生命に満ち溢れた星では無い事を示唆しています。

文明を持つ惑星は存在するのか?

地球型惑星に生命が存在する可能性はありますが、そこに人類のような高度な文明を持つ異星人がいる可能性は低いと考えられています。
では、地球以外に文明を持つ生命は存在しないのか?その事を普通の見解で言えば、地球に人類という知的生命体が存在している以上、広い宇宙に他に知的生命体がいないとは考えにくいでしょう。

では、地球型惑星に文明を持つ惑星の条件とは何なのか?基本的な条件は、その星のある環境が穏やかである事であり、周りに生命生存に危険のある天体がないこと。例えば巨大な恒星が隣接していて超新星爆発を起こしたりしていない事が大きな要因となってきます。
このような環境があると、そこに生まれた生命は地球のように何十年も存続し進化も促進して行きます。
そしてさらに我々の太陽以上に寿命の長い恒星だと、うまく進化が進めば人類以上の科学文明を持つ異星人が居る可能性もあります。
となると、SF映画のような世界が現実になっている可能性もあるかもしれないという事。
しかし、実際、そのような進化した文明があったとしても我々人類はその存在を知ることも出来ないし、お互いの接触もありません。
本当に高度な文明があったとしても、お互いがコンタクトを取るには宇宙はあまりにも広過ぎます。
そのため私たち人類が出来ることは、遠い星々を望遠鏡で眺めてロマンを募らせることぐらいではないでしょうか。
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