2016年。国際宇宙ステーションに滞在した大西卓哉宇宙飛行士が話題になりましたが、2017年もまた日本人宇宙飛行士が宇宙に飛び立ちました。
その人は、金井宣茂(かないのりしげ)氏。
彼は2017年11月に宇宙に行き、大西宇宙飛行士と同じく国際宇宙ステーション(以降、ISS)に長期滞在しています。

今回は、そんな金井宇宙飛行士についていくつか調べ、さらに今後の日本人宇宙飛行士の採用状況はどうなるのか?などについても調べてみました。

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金井宇宙飛行士とは?

金井宇宙飛行士についてJAXAのホームページやWikipediaにも載っていることなので、ここでプロフィールをご紹介してもあまり意味ない事かも知れませんが、一応ご紹介しますと・・・

金井氏は1976年千葉県出身の45歳(2022年時点)。
元海上自衛官で医師免許を持っており、自衛官としては油井亀美也宇宙飛行士に続く2人目となります。

彼は2009年にJAXAの宇宙飛行士選抜試験に応募し、このとき選ばれた油井亀美也氏と大西卓哉氏と同期で、まだ宇宙に行っていない日本人宇宙飛行士です。
プロフィールについては、あまり詳細は発表されていませんので、不明な部分も多いですが、家族構成はご両親と妹さんが2人。それ以外の結婚等については情報が載っていませんでした。
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金井宇宙飛行士の任務とは?

日本人が宇宙飛行士に選ばれて宇宙に行く大きな理由として、ISSに設置されている日本の実験棟「きぼう」での勤務。

「Image Credit:宇宙航空研究開発機構(JAXA)より
金井宇宙飛行士は、2015年にISS第54次/第55次長期滞在クルーのフライトエンジニアに任命され、2017年のフライト約6カ月間のスケジュールで、「きぼう」を拠点にISSの保全や宇宙環境を利用した様々な科学・医学実験を行い、この「きぼう」に装備されているロボットアームのオペレーターも任務のひとつとなっているそうです。

ISSに日本の実験棟「きぼう」が設置されている以上、日本人の宇宙飛行士での運用が望ましいのですが、予算やスケジュール上、必ずしも日本人がISSに常駐するワケにもいかず、フライトエンジニアが交代で管理運用を担当。日本人がいなくとも「きぼう」が無人になることはないということのようです。

日本人最後の宇宙飛行士?今後の募集は厳しい?

2017年に宇宙に飛び立った金井宣茂宇宙飛行士ですが、現時点でJAXAが選抜してまだ宇宙に行っていない日本人宇宙飛行士は金井氏で最後です。
ということは、今後新たな宇宙飛行士をJAXAが募集するのか?
残念ながら現時点でそのような情報はなく、これは不定期採用となるようで、過去の採用状況を振り返ると、3~10年のサイクルで選抜試験が実施されています。

また、1回の募集での採用者はせいぜい2~3名。
募集が長期で間隔が空き、採用者が若干名となると日本人が宇宙飛行士になるのは、非常に狭き門ということになり、「宇宙飛行士になりたい!」と夢を持つ若者の希望が打ち砕かれる結果に成り兼ねません。

さらに、JAXAの予算も十分ではなく、年間にして約1,800億円。
これは、アメリカのNASAに比べると10分の1程度で、これも日本が宇宙飛行士を採用出来ない要因にもなっているかも知れません。

そしてさらに、現在運用中のISSは、2020年代中盤で運用終了となる予定で、ISS搭乗がメインとなる日本人にとって、その後新たな宇宙ステーションが建造されるのか?中止か?それ次第では、もっと宇宙飛行士になる夢が遠のく可能性も捨てきれません。

※ 追記:2021年。JAXAは13年ぶりに宇宙飛行士を募集し、応募条件が学歴不問と大幅に緩和され大きな話題となりました。

宇宙飛行士になる夢に希望はある!?

現在、最後の日本人宇宙飛行士(宇宙滞在未経験)となっている金井氏。彼を加え、現役の日本人宇宙飛行士は7名です。
つまり、日本人宇宙飛行士の数は、今後の宇宙開発の需要拡大予想から、見方を変えるとまだまだ人手不足とも考えることもできます。

確かにISSの運用は終了してしまうかも知れませんが、何もISSだけが宇宙に行く手段ではありません。
ISSでなくとも、今後は再び月面を目指し、月面基地建設を計画する人類。そして、2030年代には有人火星探査も計画されています。
このような宇宙開発に日本人が関わらないとは限りませんので、これらが進展すれば日本人宇宙飛行士も必要となって来るハズです。

「Image Credit:月面基地想像図 (Wikipediaより)」
今、JAXAが採用している現役の日本人宇宙飛行士は全員40歳以上。
年齢的にも、彼ら全員が月面基地建設、火星飛行に関わることは厳しいことも予想され、新たな人材も必要となること必須となって来ます。

ただ、地上の経済があまり良くない以上、莫大な費用がかかる宇宙開発に、世論がどれだけ理解してくれるか?そこは非常に心配なところで、今後どのようになるか?は未知数なのは正直なところです。
●参考サイト:【JAXA宇宙航空研究開発機構採用情報】
さらに、これからは宇宙飛行士になる手段として、NASAやJAXAだけではなく民間から宇宙行ける時代がやって来る期待もあり、もしかしたらそう遠くない未来に、普通に一般企業から宇宙飛行士募集がある時代が来るかも知れません。
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