現時点で太陽系には8つの惑星が存在します。
ですが、最近の観測によって太陽系の惑星は他にも存在すると提唱されています。
その惑星は、人類にとって未知の領域で謎の多い太陽系外縁部に存在するとされ、それが太陽系9番目の惑星(プラネットナイン)ではないか?と注目となり捜索が進行しているのですが、未だ発見には至っていません。
そんな見つからないプラネットナインに対しては様々な仮説が生まれ、そしてまた新たな仮説が議論の対象になっているようです。

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プラネットナインの存在に確信を持つ科学者たちの根拠

未だ発見されていない太陽系第9番惑星(プラネットナイン)。
そのため、提唱された当時から賛否両論を起こっていたのですが、それでも多くの天文学者たちはその存在に確信を持っています。
その理由は、太陽系外縁部のエッジワース・カイパーベルト天体の一部が描く軌道に奇妙な偏りが確認されたからです。

「Image Credit:Caltech/R。Hurt(IPAC)」
これらの天体たちが偏った軌道をとっている原因は、おそらく何等かの未知の天体による大きな重力の影響によると考えられ、それにより周辺にある小天体の軌道にゆがみ生じてしまっていると推測出来、それこそが太陽系第9惑星・プラネットナインの存在を意味しているという事のようです。

「Copyright ©:caltech All rights reserved.」
その推測によると、プラネットナインと思われる天体の質量は、地球の10倍前後にもなる可能性が高いとも考えられるそうです。
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巨大な天体なのに見つからない理由

プラネットナインは、巨大な天体だと予想されているのに何故見つからないのでしょうか。
それは、自ら光を放つ恒星と違い惑星のような天体は光を出さず、また地球から極端に離れているため太陽光もほとんど届かないため、言わば暗闇の中にある天体を探し出す事は至難の業だという事のようです。
なお、地球からプラネットナインまでの距離は、300億キロから1,800億キロも離れていると考えられています。
しかし、ゆがみ生じている小天体の軌道からプラネットナインのおおよその軌道は推測できるとのことで、その軌道を辿って行けば近い将来発見できる可能性は高く、発見は時間の問題ではないかと言われています。

新説~太陽系の第9惑星は他恒星系からやって来た「惑星X」だった?

発見されるのが待たれるプラネットナインを一部では、謎の天体を意味する「惑星X」と名付ける科学者たちもいるようで、彼らは一番乗りで「惑星X」を探し出すため、望遠鏡の照準をエッジワース・カイパーベルトに向けています。
そんな折、スウェーデンの天文チームから「惑星X」についての新説が発表されています。
それは、「惑星X」はもともとは他の恒星系に属していた惑星だったのでは?という考えで、その恒星系が太陽系の近くを通過したときに、太陽の強い重力に捕えられ惑星の一部が太陽系へ移動してしまったという説を唱えています。

「Copyright ©:Lund University All rights reserved.」
研究チームの発表によれば、惑星Xが太陽系に移動して来たのは、まだ、太陽系が生まれて間もない頃の約45億年前だとされていますが、それ以降も他の恒星系が太陽系に接近して来た説はいくつかあり、
以前、ご紹介したショルツ星もその1つです。

ショルツ星は、7万年前に太陽系に接近し地球に氷河期をもたらしたと言われています。
もちろん、その事に確証はありませんが、ショルツ星の接近と氷河期の時代が重なることから、その時にショルツ星の惑星が、より質量の大きい太陽系に捕獲されたという説も生まれていますし、もしかしたら惑星X~プラネットナインの起源はこのときにある可能性もゼロではなく、また他にも、太陽系外縁部には他恒星系からやって来た天体があるのかも知れません。
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