2016年。久々に肉眼で観測出来そうな彗星がやって来ます。その名は「カタリナ彗星」
期待のカタリナ彗星はいつ地球に最接近するのか?時期と見頃はどうなるのか?そしてどれくらいの確率で肉眼で観測出来きて、彗星の長い尾(ほうき星)を見ることが出来るのか?などについて詳しく調べてみました。
ちなみに、カタリナ彗星はもうすぐやって来ますので、興味ある方は観測の準備を!
カタリナ彗星とはどんな彗星なのか?
彗星は太陽から離れているときは非常に暗く、そして小さな天体です。そのため発見されるのも遅く、カタリナ彗星も2013年10月、つい最近発見されたばかりです。
この彗星は、アメリカ・アリゾナ大学の月惑星研究チーム「カタリナ・スカイサーベイ」の地球近傍天体 (NEO) の捜索の際に発見されたモノで、この研究チームの名前から「カタリナ彗星」と名付けられました。
ちなみに、カタリナ・スカイサーベイが発見した彗星は1個だけではなく、カタリナ彗星と名付けられた彗星は20個以上にも及びます。
なお、カタリナ彗星と名前が付けられた彗星は周期彗星を表し、今回発見されたカタリナ彗星 (C/2013 B2)もまた遠い外惑星系からやって来た彗星のため、今回の観測を逃すともう2度とこの彗星を見ることは出来ません。
カタリナ彗星の太陽周回軌道。地球に最も接近するのは?
カタリナ彗星は大きな楕円軌道を描いて太陽に接近し、そして離れて行きます。しかし、2013年に訪れたアイソン彗星のように、太陽に異常に接近し巨大彗星と成り得るサングレーザーのような彗星ではなく、太陽に最も接近する近日点が金星の内側の軌道で、2015年11月15日に既に通過しています。
そして気になる地球に最接近する距離ですが、近地点日が2016年1月17日となっていて、その距離は約0.72AU。
なお、AUとは天文単位のことで1AUは太陽と地球との平均距離を表し、太陽と地球との平均距離は約1億50,000キロですので、カタリナ彗星の近地点距離0.72AUは概ね1億キロというところでしょうか?!
カタリナ彗星の見頃は?
カタリナ彗星は既に近日点を過ぎてりおり、またあまり太陽に接近しなかったため、彗星の象徴の長い尾はそれほど確認出来ません。「2015年12月1日に撮影されたカタリナ彗星」
「Image Credit:Wikipedia」
この彗星の見頃は近地点前後の2016年1月中旬頃から、4等級~6等級の明るさで2月上旬頃まで見ることが出来ると言います。
カタリナ彗星の探し方・観測方法
カタリナ彗星を探す方角は、明け方近くの東~東南東の空を見ると良いでしょう。●参考星図:【Astro Arts】
目印はおとめ座とうしかい座の間を日にちが経つにつれ北の方角に移動し、高度も少しずつ上がってきます。
それでも、かなり地平線に近い位置に見えますので、開けた場所や高台から観測すると良いでしょう。
気になる観測方法についてですが、4等級前後の明るさなら肉眼でも確認は出来ますが、彗星かどうかを確認するのは難しく、他の星と同様に見えるでしょう。
そのためカタリナ彗星の観測グッズとして双眼鏡を用いてみると、うっすらとではありますが彗星の特徴である尾を確認出来ると思います。