天の川銀河中心にある超大質量ブラックホールはどんな天体?
我々の銀河(天の川銀河)の中心には何があるのか?
そんな事を考えた人はいるのではないでしょうか?!
銀河の中心にあるもの。
そこには、想像を絶するほど超巨大な質量を持つブラックホールがある事がわかっています。
でも、超大質量ブラックホールってどんな天体なのか?
何故、そんな巨大なブラックホールが銀河の中心にあるのか?
これまで謎に包まれて来ましたが、最新の研究で少しずつその正体が判明しつつあるようです。
目次
銀河の中心にあるブラックホール「いて座A*」
我々の銀河(天の川銀河)は2,000億個以上の星が集まって出来ています。その星々を束ねている中心にあるのが、
「いて座A*」(いてざえーすたー)と呼ばれる超大質量ブラックホールです。
方角は夏の星座で有名なさそり座といて座の間付近。
この方向に銀河の中心があり、
そこに超大質量ブラックホール「いて座A*」があるとされています。

「画像参照:銀河の中心方向と「いて座A*」(NASA/UMASS/D.WANG ET AL., STSCI)」
この「いて座A*」は、太陽から地球までの距離(約1億5,000万キロ)ほどの空間の中に、太陽が300~400万個以上ギッシリ詰め込まれたほどの巨大質量を持つ天体だと考えられています。
超巨大質量ブラックホールはどうやって誕生したのか?
ブラックホール。直訳すると”黒い穴”ですが、実際は”穴”ではなく、太陽の30倍以上の質量を持つ恒星が寿命を終え、重力崩壊を起こした末に誕生した、非常に小さく極めて高密度で強重力の天体です。

「画像参照:ブラックホールの想像図(Wikipediaより)」
これまでブラックホールは、太陽質量の10数倍程度で誕生し、
言わば、恒星質量のブラックホールしか理論上存在しないと考えられて来ました。
しかし、天の川銀河の中心や他の銀河などには、そんな理論では説明できないような超巨大質量のブラックホールが存在しています。
これらの超巨大質量ブラックホールはどうやって誕生したのか?
謎に包まれたままでしたが、最新の研究でその謎が少しずつ解明されて来ています。
超巨大質量のブラックホールが存在する理由。
それは、ブラックホール同士が合体・融合することによって少しずつ成長し巨大化していくことにありました。
何度も合体を繰り返す事で、銀河の中心にあるような超巨大ブラックホールに成長して行く。
我々の銀河の中心にあるブラックホールもそうやって誕生し、今も成長を続けているとの事です。
銀河の中心にはブラックホールが集まっている!?
合体融合を繰り返し成長を続けている銀河中心の超巨大質量のブラックホール。このことにより研究者たちは、銀河中心付近にはブラックホールを成長させるための材料が集まっている可能性と考えて来ました。
つまり材料とは、恒星質量レベルの小型ブラックホールの事で、これらが超巨大ブラックホール「いて座A*」の周りを周回しており、「いて座A*」に落下(吸収)されているのでは?という見方が出て来ています。
銀河全体に多く分布するブラックホール
銀河内は、常に星の誕生と終焉が繰り返されている空間で、そのサイクルの中でブラックホールも多く誕生していると考えられています。実際、銀河内にどれくらいの数のブラックホールが存在するか定かではありませんが、
研究者によっては数万個、さらには1億個以上銀河内に分布していると考えは様々。
少なくともこれまで人類は約60個ほどのブラックホール(候補)を銀河内に発見していて、それらは全て連星ブラックホールです。
光さえも吸い込むブラックホールですので、実際は目に見えないワケで発見は非常に困難。
しかし、ブラックホールと他の恒星から成る連星であれば、恒星からのガスを巻き込むブラックホールは強い電波を放出するため、発見することは可能になります。

「画像参照:連星から成るブラックホールの想像図。(Wikipediaより)」
ただ、このような連星を形成するブラックホールはほんの一部にしか過ぎず、
ほとんどのブラックホールが単体で存在し、見つけることは難しいとされています。
このような事から、銀河内に分布するブラックホールの数は未だ不明で、もしかしたら数億個は存在する可能性もあるとしています。
他の銀河中心にも巨大ブラックホールがある!?
我々の銀河の中心にある超大質量ブラックホールは、他の銀河にも多く存在しています。例えば、有名なアンドロメダ銀河もそのひとつで天の川銀河よりも巨大な銀河で、約5,000億個以上の星で形成されていると考えられています。

「画像参照:天の川銀河より巨大なアンドロメダ銀河(Wikipediaより)」
そんな巨大銀河・アンドロメダ銀河中心には、我々の銀河より遥かに巨大なブラックホールがあり、太陽質量の1憶倍以上とも推定されています。
また、太陽系から約3億800万光年の距離にある楕円銀河「NGC4889」の中心にあるブラックホールは、太陽質量の約210億倍もあると言います。
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タグ:巨大ブラックホール, 超大質量ブラックホール, 銀河の中心
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