2009年にアメリカ航空宇宙局(NASA)が打ち上げた太陽系外の惑星を探すため探査機「ケプラー宇宙望遠鏡」により、これまで多くの地球に似た星・地球型惑星が発見されています。
(※ ケプラー宇宙望遠鏡は、2018年末に燃料切れのために運用を終了しています。)
その中でも、地球外生命体の存在の可能性も捨て切れない惑星も見つかっており、また、そのような星には我々人類のような知的生命体・宇宙人もいるのでは?などといった夢や期待も少なからず湧いてきています。
はたして、ケプラー宇宙望遠鏡が発見した地球型惑星の中に生命体、宇宙人がいる可能性はあるのでしょうか?
※ 2015年末時点の情報を基に記事を作成していますので、情報的には少し古い事をご了承ください。
ハビタブルゾーンに見つかった地球型惑星
ハビタブルゾーンとは、主星(太陽)から程良い距離を保ち、大気や温暖な気候、液体の水が存在する可能性がある、生命居住可能領域の公転範囲のことを言います。「Image Credit:eis.jpl.nasa.gov/」
単に惑星表面を岩石で構成された地球型惑星なら金星や火星もそうなのですが、これらの惑星はいづれもハビタブルゾーンの外にあるため、生命が存在出来る可能性は著しく低くなります。
つまり、太陽系の惑星の中でハビタブルゾーンに位置する星は地球だけなのです。
しかし、ケプラー宇宙望遠鏡によって太陽系外に目を向けると、ハビタブルゾーンに位置する地球型惑星はいくつも見つかっています。
そんなハビタブルゾーンの地球型惑星で、地球に良く似た惑星なら当然ながら生命が存在する可能性も期待出来るワケです。
最初に期待された地球型惑星「グリーゼ581d」
ケプラー宇宙望遠鏡の観測初期に見つかった地球型惑星が存在するグリーゼ581星系。この星系は、太陽系から約20光年離れた比較的近いところに存在する、太陽よりも質量が小さく温度も低いM3V型に属する赤色矮星です。
ここでは3つのハビタブルゾーンに位置する惑星が発見されており、その中でも第4惑星の「グリーゼ581d」は地球の約7倍の質量を持つスーパーアース呼ばれる部類に入り、大気が存在しているのではないか?と期待されて来ましたが、現在ではその存在そのものが疑問視されている星になっています。
◆参考動画:【Earthlike Planet, Gliese 581】
太陽系から最も近い地球型惑星「ウルフ1061c」
こちらはケプラー宇宙望遠鏡ではなく、地上からの観測(南米チリにある欧州南天天文台)で発見された地球型惑星で、これまで発見された地球型惑星の中でも最も太陽系に近い距離(約14光年)にあります。その地球型惑星は「ウルフ1061c」と呼ばれており、これもまた赤色矮星に属する3番目の惑星。
質量は地球の4倍ほどの大きさがあり、予想される地上の重力は地球の約2倍。
これもスーパーアースと呼ばれる惑星だという事です。
参考動画:【UNSW discovery of closest potentially habitable planet – Wolf 1061c】
最も地球に似ている地球型惑星「ケプラー452b」
これまでの太陽系外惑星探査の中で、最も地球に似ていると推測されている地球型惑星が「ケプラー186f」。もちろんハビタブルゾーンに位置する惑星であり、大きさは地球の1.6倍で、太陽よりも温度の低い赤色矮星「ケプラー452」の2番目の惑星として、太陽の周りを約385日で公転している非常に地球と酷似した惑星です。
ここまで地球に似ていることで、NASAの科学者もこの星は「地球のいとこ」や「地球2.0」とも呼んでいて、もしかしたら人類のような知的生命体の存在の可能性もあるのでは?とも夢のある話も出て来ているようです。
しかし、残念なことに「ケプラー186f」は太陽系からかなり遠い位置にあり、その距離約1,400光年。
この距離だと惑星の詳細な分析をするのは困難で、現段階ではこの星にいるかも知れない地球外生命体の想像をするしかなさそうです。
そもそも宇宙人はいるのか?
地球に酷似した惑星の発見で、俄然期待が高まる地球外生命体の存在。そうなると、我々人類の他にも文明を持つような知的生命体・宇宙人への夢も高まるワケですが、そもそも現実的に考えて宇宙人はいるのでしょうか?
ここからは私の個人的見解になるのですが、とてつもない宇宙の広さを考えたら、人類以外で知的生命体がいないと完全否定は出来ないでしょう。
例えば、我々の居る天の川銀河は2,000億個以上の星(恒星)の集合体ですし、お隣りのアンドロメダ銀河においては5,000億個以上星があります。そんな銀河も宇宙には何十億個と存在します。
つまり我々の太陽系は、そんな数えきれない恒星系の中の1つに過ぎないのです。
「Image Credit:ESOJosé Francisco Salgado」
それでも「人類以外に宇宙人なんて居ない」という考え方はあまりにも閉鎖的で寂しくないでしょうか?
ただ現実的に考えて、もし宇宙人が居たとしても、広い宇宙の中で人類と他の知的生命体が同じ時間軸の中で出会うことはほぼ不可能ではないかと思われます。
理由は両者の距離があまりにも離れていること。
今回見つかった地球型惑星に文明を持つ知的生命体がいたとしても、そこまで行くのに光の速さでも14年~1,400年かかり、天文的レベルで近距離の14光年でさえ、現在人類が持つ最高速の宇宙船でもたどり着くまで20万年以上の時間を要するため、現在の常識で考えるととても無理な話です。
しかし、我々人類の常識で考えて無理でも、相手(宇宙人)が常識からかけ離れた文明を持っていたとしたら話は別ですし、もしそうであれば相手の方から地球に訪れてくれる可能性だってあるでしょう。
まぁ、これはSF映画の観過ぎだと言われればそれまでしょうが、ただNASAをはじめ、多くの科学者は「宇宙人は我々人類だけではない!」と考えているのは事実です。