2022年11月。ついに地球の人口は80億人を突破した事が大きな話題になった事を覚えているでしょうか?
1970年代の世界人口は40億人だったのに、わずか50年足らずで倍の80億人まで達してしまい、このまま増加を続けると、あと30年足らずで100億人を突破すると言われています。

こうなると心配になって来るのが、このままだと地球が増え続ける人口を支えられなくなって来るのでは?と考えてしまいます。
もし、そんな危機が訪れる事がわかった場合、人類は意図的に人口を減らす対策を取るか?地球から出て行くか?の選択に迫られるかも知れません。

ここでは「(人類が)地球から出て行く」選択をとった場合、どのようにするのか?について可能性について調べてみたいと思います。

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20世紀から一気に増加に転じた世界人口

現在(2022年)、私たちが住む日本の人口は1億2,500万人ですが、毎年、島根県の人口に相当する約60万人が減少していると言われ、今後の日本に経済的な打撃が出る可能性があるとして危惧されていますが、その一方で世界人口はアフリカや東南アジア地域を中心に人口が増え続け、今や80億人を突破する状況になっていますが、これは喜ばしい事では全くなく、このまま増え続けると人類の存続どころか?地球の存続も危ぶまれる事態になる可能性があると言われています。

「Image Credit:iStock」
それは当然ながら、人口が増えるとそれに比例し消費も増え、地球の資源を人類が食い尽くす可能性もあり、それに伴い温暖化も進み、場合によっては人間同士の争いも増え、戦争や公害で地球自体が激しく汚染されてしまうかも知れないのです。

ちなみに、人類誕生から2050年までの世界人口の推移をご覧いただければわかるか?と思いますが、世界の人口は20世紀後半から爆発的に増加しています。

「Image Credit:国連経済社会局人口部」
人口数を国毎に見て行くと、中国やインドが約30億人の人口を占めていますが、今、爆発的に人口が増え続けているのがアフリカ大陸で、人口が100億人に達すると見られている2050年頃にはアフリカの総人口が世界人口の4割を占めると予測されています。

この20世紀後半以降の爆発的な人口増加の原因は、産業革命によって経済が発展し、また医学の向上で人の寿命も延びた事による事が大きいとされていますが、これまで貧困に喘いで来たアフリカ諸国も、今後経済が発展して来れば更なる人口増加は避けられないモノとされています。

人口増加が引き起こす大きな問題点

地球上の人類の増加で一番先に懸念されるのが「環境破壊」及び「地球温暖化」の加速ではないでしょうか?!
増え続ける人々の生活の場を広げるために自然が破壊され、それに伴いCO2も増加して環境が破壊されて行く状況は、素人視点でも容易に想像できる事です。

「Image Credit:WIRED.jp」
人口増加によって起きる事は他にも、人間よって食い尽くされた「地球資源の枯渇」、そして「食糧不足」問題でしょうし、それを巡って争いが起きる事も大きな懸念となるでしょう。

このような問題が起きる可能性が示唆されているにも関わらず、人類は経済発展を優先し、事実上この人口増加を受け入れ具体的な対策を取ろうとしていない事を残念に感じるのは私だけでしょうか?
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人口が増え続けるなら宇宙に生活の場を移す計画

さて、ここからが当サイトでの本題になって来ます。
このサイトでは「宇宙」の話題を中心にお届けしていますので、迫り来る人口増加の危機を解決するのは、やはり広い宇宙に目を向けるべきという声も多数あります。

そこで、考えられているのが多くの人類が移住出来る場所を探して行くというモノなのですが、それを月や他の惑星に求めて行く事は大きな困難が待っているという現実があり、それは人が恒久的に生きて行くうえで絶対に必要な地球と同じ重力(1G)であったり、宇宙での有害な放射線を避けられる環境だったり、何より多くの人口を宇宙に移すにはなるべく地球に近い場所を探すしかありません。

そんな問題点を解決する方法として、ここではスペースコロニー構想を取り上げて来ました。

「Image Credit:Wikipedia」
スペースコロニー構想では、地球の衛星軌道上に巨大な円筒形の施設を造り、その円筒構造物を回転させる事で内壁に生じる遠心力を人工重力に転換し、そこに街をつくり人が生活するというモノです。

また、同じような考え方で月や火星にも遠心力で重力を発生させる施設を造るという発想や、火星と木星の間にある小惑星帯の準惑星ケレスにスペースコロニーを建造するという構想等、様々なスペースコロニー計画をご紹介して来ました。

宇宙に生活の場を移す計画の新アイデア

これまでいくつかご紹介して来たスペースコロニー構想に新しいアイデアが考え出され論文として発表されています。

それがアメリカ・ロンチェスター大学機械工学科の研究チームが考えた小惑星をくり抜き、人工的に回転させた内壁部で人類を住まわせるというかなり奇抜な構想です。

「Image Credit:Michael Osadciw」
宇宙空間にスペースコロニーのような巨大な建造物を建設するとなった場合、それは大規模なモノとなり建築資材をどのようにして確保するかが大きな課題になります。
そこでこの研究チームは直接、小惑星を利用する構想を打ち出しました。

スペースコロニーとして利用する小惑星は、比較的地球に近い軌道を周回する「地球近傍小惑星」の中で硬い岩石質の直径300メートル程の天体を選び、これをスペースコロニーに改造するのだそうです。

研究チームの構想では、くり抜いた小惑星を超軽量・高強度カーボンナノファイバーのメッシュで覆い強度を確保。そのメッシュで覆われた小惑星の表面にソーラーパネルを設置し、人々の生活に欠かせない電力を供給するというモノです。

「Image Credit:Michael Osadciw」
この方法もかなり特殊ですが、一からスペースコロニーを建造するよりは簡単でコストも削減できる方法で、何より物理的な法則の範囲内であり理論上は建造が可能であると主張しています。
ただ、この技術を確立するには今の人類にはまだ無理である事は間違いなく、実現するにはだいぶ先の話になるそうです。

いずれにせよ今後、地球の人口増加問題は深刻さを増して来る事は確実で、このような構想が挙がっている事自体素晴らしい事だと思いますし、出来れば世界人口が100億人に到達するまでには、少しでも人々が宇宙で暮らせる時代がやって来る事を期待出来ればと思います。
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