最近また天文系のネット情報がザワついて来ています。
その原因は、生命存在の可能性がある太陽系外惑星が地球の近くに見つかったと言う事。

まぁ、地球の近くとは言っても、今の人類の科学力ではとても行ける場所ではありませんが、それでも今回見つかった系外惑星は、将来もしかしたらこの惑星に住む生物とコンタクトを取れるようになるか?人類が移住できる可能性も十分あり得るというのです。

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地球からわずか12光年先に見つかった2つの地球型惑星

2003年。地球から約12.5光年先に「ティーガーデン星」という赤色矮星が発見されました。

”ティーガーデン”という天体の名前の由来は発見者にちなんで付けられたという事ですが、この天体は太陽質量のわずか9%ほどしかない小さな恒星で、表面温度も摂氏2,700℃ほどの超低温M型矮星と呼ばれる、いわゆる赤色矮星に分類される恒星です。

「Image Credit:赤色矮星のイメージ図(NASA/Goddardより)」
そして、このティーガーデン星を周回する軌道上に、液体の水が存在する可能性がある地球サイズの岩石惑星が2つも見つかったらしいのです。

発見された2つの地球型惑星とはどんな星?

太陽系でいうところの太陽に該当するのが赤色矮星・ティーガーデン星なのですが、この太陽を公転する惑星はいくつかあると推定されており、
そのうちの2つ(PLANET_B、PLANET_C)が、惑星の表面に液体の水が存在しうる環境のハビタブルゾーンに位置する地球に似た岩石惑星である事が判明したのです。

「Copyright ©:Universität Göttingen All rights reserved.」
この2つの惑星のうちPLANET_Bがより地球に近い環境を備えていると考えられ、質量は地球の約1.1倍で公転周期は4.9地球日と、もしこの惑星に地球に似た大気が存在すれば、気温は極めて温暖で0~50℃の範囲にあるのではないか?と推定されています。
一方のPLANET_Cの場合は、少し太陽から離れているため気温はマイナス50度前後ではないか?と考えられています。

ちなみに、この2つの惑星を「地球類似性指標(ESI)」で表すと、地球が1.00の指標であればPLANET_Bは0.95.でPLANET_Cは0.68だそうです。
つまり、PLANET_Bがより地球に近い環境を備えている可能性があり、PLANET_Cは火星のような環境になっているかも知れないとの事のようです。
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ティーガーデン星の惑星は最も地球外生命体の観測に適している?!

ここ最近、赤色矮星において地球に似ていると思われる岩石惑星が次々と発見され話題になっています。
例えば、太陽系に最も近い約4.2光年の距離に見つかった赤色矮星プロキシマ・ケンタウリの惑星プロキシマb。
この惑星は、地球から近いのですが軌道傾斜角度からして直接観測する事が難しく、また”太陽”であるプロキシマ・ケンタウリが活発に活動している変光星である事から、この惑星は生命生存に適していないのでは?との憶測もあります。

さらに、太陽系から約40光年の距離に見つかった赤色矮星トラピスト1。
この恒星系には7つもの地球型岩石惑星が見つかり、軌道傾斜角度も判明しており観測もしやすいため生命探査の大きな期待になっています。

「Image Credit:NASA
しかし、トラピスト1と同じ観測条件を持っているティーガーデン星は、距離的にトラピスト1の3分の1しかないため近い分より観測しやすいと言えます。

ティーガーデン星の惑星は地球に似ているが地球ではない?

惑星にとって太陽であるティーガーデン星は、表面温度が3,000℃にも見たない赤色矮星です。
一方、水も豊富で生命であふれている惑星・地球を従えている太陽は、表面温度が約6,000℃の黄色矮星と呼ばれる恒星です。
また、大きさ・質量に関しては太陽の9%ほどで、私たちの太陽に比べたらかなり小さいと言えます。

「Image Credit:Wikipedia」
この小さく暗い太陽を公転する2つの惑星うち、より太陽に近い距離で公転しているPLANET_B。
こちらの惑星の方が、生命が存在している可能性が高いとの事のようですが、わずか4.9地球日で軌道を1周しています。

そして、この事は何を意味するか?
それは、惑星が主星に近い事による重力の影響で自転と公転の同期(潮汐ロック)が起きている可能性が高い事を示しており、つまり、この状態をわかりやすく説明すると地球と月の関係にあたると言い、月が常に同じ面を地球に向けているように、PLANET_Bもまた太陽に同じ面を向けている可能性が高いのです。
このような状態だと、太陽に当たる面は永久に昼で”灼熱の昼間”で、当たらない面は永久に夜で”極寒の夜”になってしまう事になります。
という事は、いくらPLANET_Bがハビタブルゾーンにあったとしても、とても生命が存在できる環境ではない?!とも考えられますが最近の研究ではそうでもなさそうなのです。
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ティーガーデン星の惑星に生命が居る可能性は?

太陽との距離が近い事で潮汐ロックがかかっている可能性があるティーガーデン星の惑星。
しかし、このような環境でも灼熱の昼と極寒の夜の境目であり、いわゆる常に夕方になっている領域(トワイライト・ゾーン)は、生命が十分生きていられる温暖な環境になっている可能性があるというのです。

「Image Credit:Wikipedia」
この領域は、太陽が動かず常に地平線・水平線近くにあり、また、光は赤色矮星の特徴である赤外線が多く含まれているため赤く、まさに赤く染められたような薄暗い環境になっていると予測されており、この場所には環境に適し進化した生命が多く生息しているかも知れません。

ティーガーデン星の惑星に知的生命が居る可能性?

ティーガーデン星系がさらに興味深いのは、誕生してから80億年ほど経過したかなり古い星系である事です。
赤色矮星が若ければ活動も活発で、生命に悪影響を与えてしまう大規模な太陽フレアも発生しやすいのですが、ティーガーデン星は古いためか?非常に静かで安定した活動をしているという観測データが出ているのです。
さらに、年齢も地球の2倍近いため、生命が進化するのに十分過ぎるほどの時間があった事もあり、知的生命も誕生している可能性もあり、もしかしたら地球文明より遥かに発達した文明もあるかも知れません。

もし、発達した文明を持っている「ティーガーデン星人」がいたとしたら、既にこの星の住人がUFOに乗って地球に来ているかも知れません。

「Image Credit:iStock」
ですが、おそらくは彼らには地球侵略の野望はないのではないでしょうか?
だって、ティーガーデン星の惑星と地球とではあまりにも環境が違い過ぎていて、遠い将来、私たち人類がティーガーデン星の惑星に移住しようとしても環境の違いに馴染めないでしょう。
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