秋の天体ショーの見どころの一つは「オリオン座流星群」の出現ではないでしょうか?
「オリオン座流星群」は、流星の落下速度が「しし座流星群」に次いで速いため、火球のような明るい流星も出現することもあり見応えのある流星群の1つと言えます。
ここでは、秋の夜空を彩ってくれるオリオン座流星群の出現長期予想と、見える方角はピーク時間帯等の観測方法について解説します。
10月に出現するオリオン座流星群ですが、ここ数年はその出現率が減って今一つダイナミックさに欠けると言われていますが、それでも年間を通して出現率の多い流星群ですので、見落としてしまうのはとても惜しい天体ショーだと思います。
オリオン座流星群の見え方
ここ数年で極大期に多くの流星を見せてくれたオリオン座流星群は2006年から2010年だったようで、その期間は1分間で4~5個の流星を見せてくれていたそうです。しかし、その後は出現率も減り、1分で1~2個程度に減少。それでも落下速度が速いため、1つ1つの流星に迫力があり明るく有痕率も高い事が特徴で、もし見つけることが出来れば、願い事もお願いしやすいかも知れません。
ただ残念なのは、出現率がピークだった2007年頃の状況は、今後約70年間は見られないとのことです。
オリオン座流星群の母体やメカニズム
流星群の正体は、主に彗星の通った後に残る塵が地球に降り注ぐ現象で、流星本体の大きさは数ミリから数センチ程度の塵が主体です。なお、オリオン座流星群の場合の母体となる彗星は有名なハレー彗星だと言われています。
ハレー彗星は短周期彗星で約76年で太陽を周回していますので、前回地球に最接近したのは1986年。次回訪れるのは2061年です。
「Image Credit:1986年に出現したハレー彗星(Wikipediaより)」
彗星にしては比較的短期で回帰するハレー彗星ですが、回帰回数が短いからといって流星群の出現率が多くなるとは限りません。
流星群が多く流れるためには、彗星が残した塵の跡(ダスト・トレイル)の中を地球が通らないと行けませんので、オリオン座流星群はしばらくの間はダスト・トレイルからは少し外れた軌道を通るものと思われます。
オリオン座流星群の観測方法
オリオン座流星群の見える方角は、有名なオリオン座を見つけることが出来れば簡単です。「Image Credit:tenki.jp」
基本的に流星群は、その方角を起点(放射点)に放射状に流れてきますので、オリオン座の起点を意識しておけば全天を通して流星が流れて来ます。
そのため、夜空が見渡せるなるべく視界が開けた場所、そして街明かりなど人工の光に邪魔されにくい場所に行って、座って観測するか出来れば寝そべって観測すると流星をより見つけやすいかと思います。
オリオン座流星群の今後の観測予想
2010年以降、年々出現率の減っているオリオン座流星群ですが、今後は注目度も下がるかも知れません。それでもほぼ確実に出現するであろうオリオン座流星群。なので、今後の流星群の観測条件はしっかりと抑えておきましょう。
もしかしたら、人間が考えるような予想を上回る結果を出してくれるかも知れませんので要チェックです。
そこで、予想を裏切る良い天体ショーを魅せてくれることを期待して、今後2022~2030年までのピーク、そして観測条件を調べてみました。
- 2022年:ピーク日時(10月22日03時)朝方に時間帯ですが、月明かりもなく好条件で観測できるでしょう。
- 2023年:ピーク日時(10月22日09時)ピークは夜が明けた9時ですが、22日の夜明けの観測がチャンスです。
- 2024年:ピーク日時(10月21日15時)ピーク完全なる日中。しかも放射点は地平線の下で観測条件は残念。
- 2025年:ピーク日時(10月21日21時)ピーク時間はベスト。月明かりもなく好条件。後は天気だけです。
- 2026年:ピーク日時(10月22日03時)ピーク時間も問題なし。月も沈んだ後ですので好条件で観測出来そう。
- 2027年:ピーク日時(10月22日10時)ピークは日中。放射点も低く月も出そうです。
- 2028年:ピーク日時(10月21日16時)ピークは夕方です。それ以降の夜半には月も沈みますので、ややチャンスありかも。
- 2029年:ピーク日時(10月21日22時)ピークはベストの時間帯ですが、この日は満月との事。でも月が雲に隠れればチャンスかも。
- 2030年:ピーク日時(10月22日04時)ピークは明け方。月明かりもなく条件は良さそう。
この予想を見る限りでは、結構条件に恵まれそうな年も多そうですので、流れる数は少なくても流星観察に出かけるのも良いでしょう。
また、オリオン座流星群の出現期間は10月初旬から11月初旬の1カ月間もありますので、その間条件の良い日に夜空を眺めてみるのも良いかも知れません。