時は遡りますが、2013年は太陽にとって約11年に一度の活動期になる年と言われていました。
しかし、活動ピークになっても活発な太陽活動の証拠である黒点の数が減少してしまい、これは太陽活動に異変が起こっているのではないかと懸念されていましたが、果たして真相はどうだったのか?今回はこの事について調べてみました。
2013年に見られた太陽活動異常の兆候
太陽は約11年周期で活動が活発となるピークが訪れますが、そんな11年周期に当たるのが2013年でした。しかし、活発なハズなのに、それほど大きな兆候は見られませんでした。
ちなみに、下の画像は2013年10月25日にNASAの太陽観測衛星「ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー」が撮影した太陽表面です。
「Image Credit:Wikipedia」
この画像を見ても、素人目にはこれが太陽にどんな異変が発生しているのか?はわかりませんが、太陽も活動リズムがあり、そのリズムの息吹として活動が変動が起こっています。
活動ピークとなる2013年以降、本来なら太陽の北極と南極の磁場が逆転する「極域磁場転換」が起きているハズで、しかし、この時点においてそれが起こっておらず、さらには、太陽活動のバロメーターである”黒点”の数が異常に少ないといいます。
「Image Credit:Wikipedia」
太陽黒点とはどんなものなのか?
太陽黒点とは、太陽の活動期に発生する”磁場の穴”の事で、活発になった太陽の内部から磁場が飛び出したのがこの黒い部分で、周りと比べ少し温度が低いことから黒く見えています。温度が低いといっても4,000度ほどあり、とてつもない高温なのは変わりはないのですが、周りの温度が6,000度ですので、約2,000度の温度差で黒く見えているワケです。
ちなみに、黒点部分は小さく見えますが、実際は地球がまるごと何個も入るほど巨大なもので、太陽のシミ程度しか見えないということは、太陽がいかに巨大なのかを物語っています。
なお、活動期においての黒点の数は、常時150~200個が観測されているのに対し、活動期であるハズの2013年は50~100個くらいにとどまっていると言います。
太陽の活動期が11年毎というメカニズムは不明ですが、これまでその周期で訪れていただけに専門家の間では異常ではないかと捉えているようです。
太陽が異常と捉えられた極域磁場転換
さらに異常だとされたのは、太陽の北極はN極になっているのに対し南極もN極になっていたとい事。常識で考えるとN極の対極にあるのがS極なワケで。
そんな、S極はどこにいったか?というと、赤道付近にS極が現れ、観測史上例がない状態に太陽はあるらしいのです。
では、この異常現象は何を意味しているのか?
実はこの現象は17世紀にも発生が確認されており、このときも黒点が異常に現象。
約70年間黒点の発生がほとんど観測されなかったそうです。
それに影響され、この間の地球規模で寒冷化が発生し農作物などにもかなりの損害が出たとか。
他、当時の記録によると、凍らないハズのイギリス・ロンドンのテムズ川で冬にスケートが出来たり、
日本でも桜の開花が極端に遅れたという文献が残っています。
ただ、2013年から数年経過した現在。17世紀のような異常現象は特に発生していませんので、
今のところ心配はなさそうですが、やはり太陽あってこその地球環境です。
環境破壊による地球温暖化も深刻ですが、太陽の活動に少しでも異変が起こると地球はモロに影響を受けてしまうことも忘れてはならないでしょう。