南米チリ標高5,000メートルのアタカマ砂漠にある「アルマ望遠鏡」。
ここで働く研究チームが展開する「アルマ望遠鏡プロジェクト」の一環で、子供向けウェブサイト「ALMA Kids(アルマキッズ)」が運営されており人気となっています。
このサイトは、子供向けというだけあって難しい専門的な言葉はほとんど使用しておらず、とてもわかりやすいと評判で、何より子供だけでなく大人でも楽しめ、宇宙について学ぶのに非常にためになるコンテンツ満載です。
大人にもおすすめな子供向け宇宙学習サイト「アルマキッズ」
まずは、今回ご紹介する子供向けウェブサイト「(アルマキッズ)」の日本語版をご覧ください。◆ 参考サイト:【ALMA Kids日本語版】
このサイトは基本的に、世界の子供たちがアルマ望遠鏡の研究成果について学ぶモノとして運営されており、そのためアルマ望遠鏡が観測ターゲットとしている深宇宙の情報が多く、月や火星などといった比較的地球に近い天体について学ぶ情報はなく、あくまでもアルマ望遠鏡を中心とした情報が掲載されており、天文情報以外でもアルマ望遠鏡施設の紹介や施設周辺の観光ガイドもあったりします。
「Image Credit:ALMA Kids(アルマキッズ)日本語版より)」
このサイトで主に学べる項目は以下の2つになります。
アルマ望遠鏡プレスリリース「アルマの新発見」
1つ目が「アルマの新発見」。ここは、アルマ望遠鏡の観測成果を最新情報として、わかりやすい表現でプレスリリースしています。
例えば、銀河や恒星系の形成の様子や、ブラックホールの謎に迫る新発見等。アルマ望遠鏡が覗いている地球から遥か遠い天体の情報が記載されています。
「Image Credit:アルマ望遠鏡が観測した132億光年先の銀河(ALMA Kids(アルマキッズ)日本語版より)」
アルマ望遠鏡が次に解明に挑む宇宙の謎。これが最新情報として公開されているのは、宇宙に興味のある子供たちならずとも天文ファンにとっても非常に嬉しい限りです。
アルマ望遠鏡公式キャラクター・タルマと学ぶ「タルマと学ぼう」
2つ目は、おそらく公式キャラクターだと思いますが、「タルマ」という女の子のキャラクターが教えてくれる様々な情報「タルマと学ぼう」です。「Image Credit:アルマ望遠鏡キャラクター「タルマ」(ALMA Kids(アルマキッズ)日本語版より)」
それは宇宙の謎についてであったり、アルマ望遠鏡がある場所や周辺の自然環境の紹介であったりと様々。
他、標高5,000メートルという高地で働く研究者たちはどんな生活をしているのか?等、ちょっと変わったコンテンツがあるのも魅力の一つか?と思います。
といった具合に、これを学べばアルマ望遠鏡についていろいろ知る事が出来るようです。
アルマ望遠鏡とは?
アルマ望遠鏡は、日本や北米、欧州等21の各諸国が協力して宇宙の科学観測を行っている巨大な施設です。望遠鏡施設と言えば、巨大な望遠鏡が内臓された巨大なドーム型施設を思い浮かべたりしますが、アルマ望遠鏡はそのような施設ではなく、口径7メートルのパラボラアンテナ12機と、口径12メートルのパラボラアンテナ54機。計66機を並べて連動させる「干渉計」と呼ばれる仕組みで1つの巨大な電波望遠鏡を造り出しています。
「Image Credit:アルマ望遠鏡(国立天文台より)」
アルマ望遠鏡は前述したように各国の協力で実現した国際プロジェクトであり、このプロジェクトが発足した理由は宇宙の根本的な謎に迫る事で、アルマ望遠鏡は人間の視力でいうところの6,000倍の視力を持つ性能があるとの事で、この圧倒的な性能を使って遥か彼方の深宇宙に目を向けて謎を解明する目標を持って運営されています。
その謎解明の要素は様々で
- 宇宙誕生から138億年の謎を解き明かす。
- 宇宙の構造はどうなっているのか。
- 太陽系誕生の謎。
- 生命を育む材料はどのようにして生まれたのか。
◆ 参考サイト:【アルマ望遠鏡公式サイト】
子供向けコンテンツも充実
アルマキッズのサイトでは「アルマの新発見」と「タルマと学ぼう」のコンテンツがメインになりますが、他にもアルマ望遠鏡周辺の自然環境の紹介や、世界中の子供たちから送られて来たアルマ望遠鏡や宇宙の絵の紹介。他、無料のゲームアプリもダウンロードする事が出来ます。「Image Credit:ALMA Kids(アルマキッズ)日本語版より)」
いろんなコンテンツがあると紹介されている「ALMA Kids(アルマキッズ)」。
現時点(2019年1月)では、それほど多い情報は公開されていませんが、アルマ望遠鏡によってこれからもたらされる新しい観測結果を基に、このサイトもコンテンツが充実していくモノと思われますので、新しい宇宙の情報収集や学習のためにも定期的に利用してみるのも面白いのではないでしょうか。