以前から話題になっていたあの映画がついに公開になったようです。
”あの映画”とは？現在（2023年）社会情勢が緊迫している中で、その渦中にいるあのロシアが制作した映画の事で、それは本物の国際宇宙ステーションをセットにした史上初の宇宙で撮影された映画です。
時期が時期だけに、この映画については詳細な情報はありませんが、わかる範囲内で映画情報をお伝えしてみます。
ついに宇宙映画もSFじゃないリアル映画になったロシア発！宇宙撮影映画公開
2023年4月20日。以前から話題を振り撒いていたあの映画が完成し公開される事になりました。その映画とは、俳優と撮影スタッフが国際宇宙ステーションに行って撮影した史上初の宇宙で撮影された映画「挑戦（英題：The Challenge）」。
この映画は2021年に撮影されたロシア映画で、2人の映画撮影スタッフ（監督と主演女優）がソユーズロケットで国際宇宙ステーションまで行き、約2週間の滞在期間で撮影を敢行し地球に戻って来ました。
ちなみに、2人しか宇宙に行けなかった映画撮影スタッフは、プロデューサー兼監督（クリム・シペンコさん）が撮影と証明を担当し、主演女優（ユリヤ・ペレシルドさん）が演技とメイクを担当しました。
「Image Credit:Shutterstock」
上写真↑↑が、実際に国際宇宙ステーション（ISS）に行ったロシアのスタッフで、左側が主演女優のユリア・ペレシルドさんで、右側がロデューサー兼監督クリム・シペンコさん。
中央に座っているのが撮影の引率？実際のロシア宇宙飛行士アントン・シュカプレロフさんで、彼はISSでの長期滞在期間経験のあるベテラン宇宙飛行士だそうです。
そんな彼らが撮影を行った映画「挑戦（The Challenge）」のあらすじは、宇宙で事故に遭い負傷してしまった宇宙飛行士を救うため、ユリア・ペレシルドさん演じる外科医ゼーニャが、特別な訓練も受けずに実際にISSまで行き、負傷した宇宙飛行士の手術を行うというストーリーで、負傷した患者役には、このとき既にISSに滞在中だった本物の宇宙飛行士オレグ・ノビツキーさんが演じたと言います。
本物の宇宙だからこそ出来る違和感のない自然な撮影
ストーリー的には、わざわざ宇宙まで行かなくても今の撮影技術で十分、臨場感のある映画がつくれたという事もあり、一部では本当に宇宙まで行く必要があったのか？と批判にも近い疑問が挙がってはいますが、やはりそこは「実際に宇宙で撮影した」という実績と話題づくりが大きな意味を持っているモノと思われます。ただ、実際の宇宙に行く事で地上では再現が難しい撮影もCG無しでリアル感バッチリで撮る事が出来ます。それは無重力空間でなびく女性の長い髪。
「Image Credit:Klim Shipenko/Roscosmos,Channel One,2023」
このシーンについては、実際の映画を観ればわかるらしいのですが、主演のユリア・ペレシルドさんの美しく長い髪が、無重力空間で違和感なく生き生きとなびいているそうです。
宇宙での映画撮影には成功したけれど・・・
ロシアは「ロスコスモス」という国営の宇宙局を持っており、そのため、ロケットの打ち上げからISSの滞在まで自前で行う事が出来る事もあってか、映画撮影にかかった費用は10億ルーブル（日本円で約16億円）だったそうです。この金額が安いか？高いか？については良くはわかりませんが、大作映画には数十億円という費用が普通に使われる事を考え、さらには映画上映時間の約半分がこのISSでの撮影が使われている事を考えれば安い？って言えるのかも知れません。また、少し残念だったのは、撮影は全てISSの中でけで行われており船外活動シーンはCGだったとの事。
とは言え、史上初の宇宙撮影映画という事もあり、本国ロシアでは大ヒット間違いなしと言われていますが、現在の社会情勢を考えればロシア映画が海外で上映される事は難しく、日本での公開も現時点では未定との事です。
アメリカも宇宙での映画撮影に追随
大作映画と言えば、アメリカのハリウッド映画を思い浮かべる人が多いかと思いますが、ロシアに先を越されはしましたがアメリカも宇宙での映画撮影を計画し進行中だと言います。それはハリウッドの大スター、トム・クルーズ氏主演のアクション映画で、情報によるとロシア映画では実現しなかった宇宙での撮影に船外活動シーンも盛り込まれる予定らしく、しかも宇宙服を着て宇宙遊泳をするのはトム・クルーズ氏自身だとの事です。
「Image Credit:iStock」
現時点では、映画のタイトルや撮影時期等は未公開ですが、映画の大部分は地上で撮影され、クライマックスの部分だけが宇宙撮影になるそうです。
また、60代になったトム・クルーズ氏ですので、アクションシーンの撮影には限界がある事が予想されていますので、おそらくですが映画の撮影時期は数年以内になると思われます。
