あるネットの書き込みにこんなことが書いていました。
「オリオン座の1等星・ベテルギウスが、もうまもなく超新星爆発すると言われていますが、実際、いつ爆発するのでしょうか?そしてその爆発の衝撃波によって地球への影響はないのでしょうか?」
星が爆発というのは、チョット穏やかではない話です。
しかもベテルギウスという星は、冬の星座の代表格であるオリオン座の象徴のような星です。
つまり、本当にこの星が爆発してしまうとオリオン座自体が存在しなくなるワケで、これってどういうことなのでしょうか?
星が爆発するということはどういうことなのか?
太陽のような自ら光輝く星は恒星と呼ばれ、その星が持つ巨大な重力によって熱核融合反応が起き光と熱が発生し輝いています。厳密に言うと、恒星が光輝くのは、核融合反応によって常に爆発(膨張)を起こしている状態になっているからです。
そんな膨張を抑えているのが、恒星自体が持つ収縮しようとする強大な重力で、膨張と収縮ノエネルギーが絶妙なバランスを保つ事で星(恒星)としての形状を保っているワケです。
参考記事:【太陽活動の謎】
ただ核融合にも燃料が必要で、その燃料もいづれ尽きてしまいます。
では、燃料が尽きてしまったらどうなるのか?
核融合によって外に広がる重力と星自体が持つ内側に落ち込む重力とのバランスが取れていますので、燃料が尽き外に広がる力(膨張)が無くなり、一気に収縮が始まり重力で内側に落ち込みます。
この重力バランスが崩れることを重力崩壊といい、内側に落ち込んだ反動で衝撃波が発生します。
これにより、凄まじいエネルギーを放出し周りの星々まで巻き込んでしまうと言います。
つまり星の爆発は、その星の寿命が尽きたことを示しこれを超新星爆発と言います。
「Image Credit:iStock」
太陽も超新星になるのか?
実は、超新星爆発は全ての恒星が起こすワケではなく、我々の太陽の寿命が尽きても超新星爆発は起こさないと考えられています。この超新星爆発を起こす恒星は、太陽よりも質量が大きい巨大な恒星がなるとされ、具体的には太陽の8倍以上の質量を持つ恒星が超新星になると言われています。
それでは、太陽の寿命が尽きたらどうなるのか。
現在太陽の中心で核融合反応を起こしているのは、最も軽い元素である水素です。
やがてその水素が尽きたら、今度は次に重いヘリウムが核融合反応を起こします。
そしてその次はさらに重い元素と移っていき、核融合反応が加速して行きます。
それにより太陽そのものが膨張して行き、ついには地球をも飲み込むほどの巨星へと成長して行きます。
星が膨張すると、当然ながらその密度も低くなり温度も低下するため、外見上は比較的温度の低い色赤色に見えることから赤色巨星と呼ばれ、最期は核融合反応も止まり、太陽を構成していたガスも放出され後に残るのは核融合の”燃えカス”で、それが白色矮星という天体です。
ちなみに、白色矮星の大きさは地球ほどの大きさと想定され、太陽もいづれは地球ほどの大きさの燃えカスになってしまうということになります。
ベテルギウスはいつ爆発するのか
さて本題に戻りますが、ベテルギウスは太陽の20倍もの質量を持つ巨星だと考えられています。ということは、ベテルギウスは十分に超新星爆発を起こすエネルギーは持っていることになります。
そんな巨大なベテルギウスはどこにあるのか?というと、天文に詳しくない人でも知っているであろう超有名で、冬の星座の代表格であるオリオン座の”左肩”に位置します。
「Image Credit:Yahoo!きっず図鑑」
このベテルギウスですが、既に重力崩壊が始まっており、ここ40数年で3倍以上の大きさまで膨張しているといいます。
つまり、これはもういつ爆発してもおかしくない状態で、もう間もなく超新星爆発を起こすのでは?と言われており、一部では数カ月以内に爆発するのでは?と見解を示している科学者もいるほどです。
しかし、”間もなく”というのは天文学的な時間の考えで、その天文的観点からいうと数千年先も”間もなく”ということになってしまいますので、いわば爆発は明日かも知れないし、数千年から数万年先かも知れません。
また、ベテルギウスは地球から約530光年離れた場所に存在し、我々が現在見ているベテルギウスの姿は530年前のもの。
もしかしたら、既にこの星は超新星になっていて、その爆発の光が地球に届くのは数百年後かも知れません。
ベテルギウスが爆発で心配される地球への影響
もし、今ベテルギウスが爆発したらどうなるのか?あるシュミレーション映像がありましたので参考までに。
このシュミレーション映像のようにベテルギウスの超新星爆発は、地球では素晴らしい天体ショーを数カ月の間鑑賞する事が出来るかも知れません。
では、この超新星爆発によって起きる地球や太陽系への影響はどうなのか?
超新星で発生する爆発エネルギーの衝撃波は凄さまじく、太陽が一生をかけて放出するエネルギーの5倍ものエネルギーを放つと言われています。
これだけのエネルギーを一気に放出する超新星爆発ですが、専門家の話によるとその影響が及ぶのは半径50光年にとされています。
なお、地球とベテルギウスとの距離は640光年ですので、普通に考えるとこれだけ離れた宇宙の彼方にある星の影響が受けないものと思われます。
また、ネットなどの情報によるとベテルギウスが超新星爆発を起こすと、太陽が2つ出現すると言われていますが、これはちょっと言い過ぎで誇張したものではないかと。
でも、その明るさはかなりのもので、満月ほどの明るさまでにはなるのでは?と思われます。
もしかしたら、本当に数カ月~数年以内で爆発するかも知れないベテルギウス。
時間があったら夜空を見上げてオリオン座の一角に位置するベテルギウスを眺めてみて下さい。
ひと際明るいこの星が、満月並みに明るく輝くと思ったらワクワクしませんか?
ただ、この天文ショーの後にはオリオン座も消滅してしまうという結末が待っています。
自分が、生きている間に、ベテルギウスの超新星爆発が観察できたらいいなあ。皆既月食や、日食などは、見たことがあるけれど、超新星爆発という、それも数ヶ月に渡る、ドラマが見られるなら、見ごたえがありますね。それも全世界の全て人々と同時に!オバマ大統領やボルト選手やドイツのメルケル首相、北朝鮮の独裁者ともどのテロリストとも、、、愛する人々はじめ知り合いの全ての人々と一緒に。 ベテルギウスを失った、オリオン座がどんな姿になるのかにも興味があります。昔から見てきた、オリオン座がベテルギウスを失うなんて・・・自分の生涯のうちでも、大きなイヴェントのひとつになること間違いなしですね。それが、今、起きるか、数千年後なのか、数万年後かもちょっとわからないんですね。生きてる間に起きて欲しいと切に願います。見られなきゃ、死んでも死に切れない、という、もどかしさが、残ってしまいます。明日にでも、起きて欲しいです、朝の夜明け前には、オリオンの勇姿は、今、見られますから。
ベテルギウスの超新星爆発、私も生きているうちに起きてほしいと思っていますが、おきないでしょう。
ドイツの天文学者の学説だと、ベテルギウスは、ヘリウムの核融合の段階に最近入ったばかりで、鉄の光分解、重力崩壊までは時間があるようです。
それから気になるのですが、英語情報ではアンタレスの超新星もまもなくで、ベテルギウスより早いかもしれないという説もあるのですが、日本ではなぜベテルギウスのことだけ騒ぐのですか。