現在の地球上における生命は多種に渡り大きく繁栄していますが、今の繁栄の歴史はそれほど長くなく、地球の歴史の中ではほんの最近の事である事がわかっています。
つまり、これまでの生命に溢れた地球では幾度となく繁栄と絶滅を繰り返しており、当然、人類の繁栄も例外ではなく地球史の中ではほんの一瞬の出来事に過ぎず、いずれは今の繁栄に終止符が打たれる日がやって来るかも知れません。
地球生命の歴史は大量絶滅が繰り返されている
地球が誕生したのはおよそ46億年前と考えられており、生命が誕生し陸上で暮らすようになるのはそれから遥か後の数億年前からとされ、この頃からは海、陸上問わず生命が溢れて来るのですが、それらが現代までに全て生き残っているワケではなく、99%以上は絶滅し新しい種に入れ替わるという生命のサイクルを繰り返しています。そんな絶滅の多くは環境の変化や進化における適応というモノもありますが、生命は常に入れ替わり新しい地球を創っていき、現在の人類の繁栄もその地球生命が入れ替わる中での、ほんの一瞬の出来事に過ぎないのかも知れません。
ちなみに、過去5億年の地球の歴史において、生命の大きな入れ替わりのきっかけになった大量絶滅は少なくとも11回は起こっているとされており、そのうちの5回は生命の75~90%が地球上から姿を消してしまうという甚大と言える大量絶滅が発生しています。
では、それほどまでの大量絶滅を引き起こす原因(天変地異)とは何なのでしょうか?
大量絶滅の最大の原因は地球環境の変動
”大量絶滅”と聞いて有名なのが、約6,600万年前の白亜紀末期に起こったとされる「恐竜絶滅」で、約10キロにも及ぶ巨大な小惑星(彗星?)が隕石となり現在の中米・ユカタン半島付近に落下したとされています。Image Credit:iStock」
この時の落下による衝撃は推定でTNT火薬100兆トン分を超えるとされ、衝突で直径約200キロ、深さ数キロの巨大クレーターを造り、巻き上げられた膨大な砂塵や水蒸気が地球全体を覆い尽くし大災害を発生させ、恐竜だけではなく地球上の生命の約80%が死滅してしまったと考えられています。
しかし、恐竜を絶滅させたとされる巨大隕石落下は、これまで起こった地球規模の大量絶滅では少ないケースであり、最大の原因だと考えられているのはむしろ地球内部からの要因だと考えられ、激しい地殻変動や地球の自転軸が逆転するポールシフト等による地球の大気循環の急激な変動によるモノだとされています。
地球史で最初と最大の絶滅も地球環境の激変だった
現在判明している地球史上最初の大量絶滅とされているのが、約4億4,400万年前のオルドビス紀末期に起こったシルル紀絶滅と呼ばれる出来事で、この時の大量絶滅の原因となったのが、大規模な地殻変動による地球規模の火山活動だと考えられており、地球各地で起こった火山噴火で噴煙が上空高く上がり大量のSO2ガスが充満。これが硫酸となり地球を覆い尽くし、太陽光を反射することで地球規模の寒冷化を招いてしまい、結果、生物が大量に絶滅してしまったと考えられています。また、地球の歴史で最大規模の大量絶滅も地殻変動の激変によるモノではないか?と考えられており、それが約2億5,200万年前のペルム紀末に起こった「大絶滅」で、この時の絶滅では生物の約90%が絶滅する程であったと推測されています。
Image Credit:iStock」
最も新しい大量絶滅は隕石衝突か?
過去3億年間で起こった11回の大量絶滅の中で、隕石落下が原因になったのは3~4回だと考えられ、そんな中で最も時期が新しい大量絶滅は約1,160万年前で、この時はおそらく巨大隕石が落下している可能性が高いと指摘されています。この時落下した隕石は直径3~7キロほどで、場所は日本の近海(小笠原諸島・南鳥島沖)だとされ、この時約15%程の生物が死滅したとされ、この時代に生息していたとされる人類の先祖でもある類人猿は、遠く離れたアフリカで生息していたため難を逃れたのかも知れません。
次の大量絶滅の原因をつくるのは人類?!
一部の専門家たちによれば、地球上で起こる12回目の大量絶滅はもう始まっていると警鐘を鳴らしています。その大量絶滅の原因は火山活動や隕石落下等ではなく人類のエゴによる環境破壊。現在地球上を支配しているのは紛れもなく私たち人類です。
人類は現時点で70億人を超え、数十年後には100億人に達するとされ同時に環境破壊も加速しています。
これまでの大量絶滅は自然災害によるモノでしたが、今、進行している絶滅の要因は明らかに人為的なモノで、このまま地球環境の破壊が進むと、人間のせいで生物の4分の3が絶滅していまう危険があると言います。
人口の増加とともに増えるのがエネルギー、資源の消費。
これから増え過ぎた人口が抱える問題はさらに大きくなるでしょう。
普通に考えれば、この状態が続くと地球の生物と共存は困難であり、もちろん、資源も人間だけのモノではありません。
そして、地球上の生物たちが減れば人類存亡にも危険信号が灯る事は確実。
ただ、こんな人類を創り出したのも地球です。
となると、環境破壊を行っている人類の行動も地球に起こった天変地異とも呼べるのかも知れません。