今からおよそ6,600万年前、人類が誕生する遥か昔、数億年に及ぶ繁栄を誇った恐竜の時代を突然終わらせたとされる原因のひとつに、巨大隕石が地球に衝突したことで環境が激変し、恐竜をはじめ多くの生物が絶滅したという有力説があります。
これはあくまでも仮説であって確実な証拠ではなかったのですが、科学者たちの長年に渡る調査・研究により、その仮説を裏付ける証拠が発表されています。
果たしてその証拠とはどんなモノなのでしょうか?

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恐竜が絶滅した有力仮説とは?

今から6,700万年~6,600万年もの遥か昔。永きに渡る恐竜の時代を終わらせたとされる当時の地球に起こった大異変。それは、宇宙から飛来した大きさ10キロほどの小惑星が、巨大隕石となり地球に落下したとされています。

「Image Credit:iStock」
このとき起こった大爆発と衝撃波とで地上を火の海に変え、さらには巨大な津波を引き起こし周辺地域は地獄と化したとされており、そしてその後、隕石の破片や巻き上げられた粉じん、水蒸気によって太陽光が遮断され、地球は巨大隕石衝突による極端な冬の時代が訪れてしまい、恐竜を含む地球上の全生物の75%が死滅してしまったと考えられています。

「Image Credit:iStock」

仮説を裏付けた研究発表

この時代に巨大隕石が落下したという証拠となったのは、メキシコのユカタン半島先端部にある直径約160キロに及ぶチクシュルーブ・クレーターが隕石衝突跡で、そこには地磁気異常、重力異常などの分布が確認され、また当時の地層には隕石の粉じんも混ざっていることも発見されたことにより、巨大隕石が地球に落下したことは間違いないと判断されています。

「Image Credit:チクシュルーブ・クレーター(google earthより)」
さらに研究発表によると、隕石が落下した後に地球にどんな異変が起こったかも報告されており、成層圏まで巻き上がった粉じんなどによって太陽光が遮断され、地球上のほとんどの場所が氷点下まで気温が下がり、海水温度も摂氏7度以下まで低下。これにより植物は光合成が出来なくなり枯れ、植物を食べる草食動物が激減、さらにそれを食べる肉食動物も減るという食物連鎖そのものが出来なくなり、地球上の生物は壊滅状態に陥ったとされています。
また地殻変動にも異変が起こり、あちこちで地震や火山噴火が多発し、気象も荒れ狂い、巨大なハリケーンもいくつも発生していたと考えられています。
この地球規模の異変は100年以上も続いたとされ、結果、長い冬の時代で全ての恐竜は絶滅したと発表されています。
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何故、我々の祖先は生き残ることが出来たのか?

巨大隕石の衝突で地球全体が壊滅するほどの被害を被ったのに、何故また地球の生命で溢れる世界に復活したのでしょうか?
その理由として挙げられるのは、恐竜のような大きな生物たちは、巨大隕石衝突の影響をまともに受けてしまい生き残ることが出来なかったのに対し、私たちの祖先である初期の霊長類は小型生物だったこともあり、氷河期による寒さをしのげる場所を見つけそこで生きながらえ、小型だったため食糧も少なくて済んだことで過酷な環境を生き残ることが出来たと推測されています。

「Image Credit:恐竜絶滅後の初期の霊長類想像図(ILLUSTRATION BY ANDREY ATUCHINより)」
なお、巨大隕石衝突から数万年後の地層に恐竜の化石が見つかっていることから、少なくとも絶滅を免れた恐竜がいたのでは?!とも考えられています。

今後、巨大隕石が衝突する可能性はあるのか?

恐竜を絶滅させたような10キロ級の巨大隕石衝突は、この時以降は記録がありません。
しかし、永い地球の歴史の中で、このような巨大インパクトと言える隕石の衝突はいく度も起こっていますので、今後そのような事態に陥らないとは限りません。

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現在でも毎年のように、いつ衝突するとも限らない小惑星が地球に接近しています。
観測技術が進歩した人類は、それらの小惑星を常に監視してはいるのですが、もし見つけた小惑星が地球への衝突コースへ入ったとしても、現在の科学力では衝突を防ぐ術が無いのが現実なのです。
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