良く「満天の星空」と言いますが、夜空に輝く無数の星々は、まさに眩いばかりに輝いて美しい。そんな美しい星のほとんどは地球から遥か遠くにあり、太陽のように自ら輝いている恒星たちです。
しかし、そんな恒星たちの中に紛れて、惑星の木星や土星なども輝いていますが、どの星が惑星なのかを見分けるのは素人には難しいのではないでしょうか?
ここではそんな惑星と恒星の見分け方について、そしてより惑星の魅力を観測する方法について解説してみたいと思います。
惑星と恒星を見分ける方法
夜空を見上げると、無数の星たち(恒星)の中に私たち太陽系の仲間である惑星が紛れて輝いており、しかも、紛れている惑星の中で肉眼で確認できるのは水星・金星・火星・木星・土星のたったの5つだけです。「Image Credit:Wikipedia」
普通に考えれば、夜空に輝く無数の星(恒星)の中から、肉眼で見えるたった5つの惑星を見つけるなんて至難の業!?何て思われるかも知れません。ですが、恒星と惑星の見分け方は意外と簡単。と言うより、おそらく小学校の理科の時間に習ったと思いますので、説明は不要かも知れませんが、一応説明をしますと、見分ける一番簡単な方法は、星が瞬きをしているか?いないか?です。
つまり、瞬いている星は恒星で、瞬いていない星は惑星という見分け方をします。
でも何故、こんな見分け方になるのでしょうか?
その理由は、その星と地球との距離が関係してきます。
恒星は地球から非常に遠くにあるため、地球に届く光が細くて弱い事によって、地球の大気の影響を受けやすく、大気の揺らぎで瞬いているように見えているのです。
一方、惑星は恒星に比べれると圧倒的に地球に近いため、届く光も太くなり大気の揺らぎの影響も受けにくく、瞬かずに見えるようになります。
しかし、この見分け方はあくまでも一般的な見分け方であり、必ずしもこの方法で見分けられるワケではありません。
見分け方の方法には条件がある
瞬いて見えるのが恒星で、瞬かないのが惑星。基本的には、この見分け方で間違いではないのですが、必ずしもこれが100%というわけではなくその見分け方には条件があります。まず、恒星の中には瞬たいているかどうか分かりにくい星もあります。
例えば、おおいぬ座のシリウスなどは全天で一番明るく輝く恒星で、視等級は約1.5等あります。
さらにシリウスは地球に近く(約8.6光年)、質量も大きく温度も高いため非常に明るく見えており、そのためシリウスの瞬き度は低く惑星と間違えてしまう場合もあります。
なお、シリウスの見つけ方も非常に簡単で、冬の星座の代表格であるオリオン座の左下に、ひと際大きく輝く星を探せばそれがシリウスです。
「Image Credit:Yaho!きっず」
そして惑星についてはさらに見分けるための条件があり、瞬いて見るのにはその惑星の公転軌道が地球に近づいた時に限っており、地球から遠ざかると瞬いて見えにくくなります。
また、夜空を眺め肉眼で見える惑星も水星、金星、火星、木星、土星に限定され、他の星は地球から遠過ぎるため肉眼で確認するには非常に難しくなります。
一般人が太陽系の惑星の観測する方法
現在、太陽系には8つの惑星があることがわかっていますが、それらの惑星を天文知識のない一般の人が観測するには、どのようにすれば良いのでしょうか?そこで8つの惑星の観測方法を、1つずつ解説してみたいと思います。
水星の見つけ方
水星は肉眼で観測出来る惑星の1つですが、一般の人が観測するにはかなり難易度が高くなります。原因は、水星は太陽に最も近い内惑星のため、そのため太陽光に邪魔をされ観測が困難です。
さらに大きさも地球の3分の1ほどしかなく、肉眼で観測するにはギリギリの光度しかありません。
それでも、絶対に見ることが出来ないというワケではなく、条件さえ整えば観測することは可能です。
そんな水星は、明け方の東の低空か、夕方の西の低空で見えるチャンスがあります。
ただ低空はかなり低く10度程度しかありませんので、なるべく高い山や建物が無い場所で観測する事をおすすめします。
「Image Credit:YouTube(AstroArts Inc.)」
金星の見つけ方
金星は全惑星の中で最も明るく輝くため、かなり見つけやすい惑星だと言えます。昔から金星の事を「明けの明星」「宵の明星」等と呼称しているのがその証拠であり、地球から最も近い惑星のため非常に明るく見え、それに加え太陽にも近いということで、夕方(宵の明星)や明け方(明けの明星)にひと際大きく輝いて見える星がほぼ間違いなく金星です。
ですが、それ以外の時間帯に金星を見ることは出来ません。
「Image Credit:県立ぐんま天文台」
火星の見つけ方
地球のすぐ外側を周る惑星が火星です。もちろん肉眼でも明るく見えるのですが、火星そのものが地球の半分ほどの大きさのため、地球に接近しないと良くは見えません。
火星が地球に接近するのは約2年2カ月毎。
そのときの地球と火星の位置関係にもよりますが、最接近したときでマイナス3等級ほどの明るさで赤く輝いて見え、この最接近のサイクルは約15年毎です。
ですが、地球から離れていても1等級ほどの明るさで見ることは出来ます。
「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」
また、国立天文台などの天文情報が公開されるサイトを閲覧すると詳細がわかるでしょう。
木星の見つけ方
木星は地球から6億キロ以上も離れた遠い惑星なのですが、地球の11倍もある巨大な惑星のため金星、火星の次に明るく見えます。明るさはマイナス3等級ほどですので、春から夏にかけて南東方向の夜空を見上げ、一番明るく輝いて見える星が木星ですので見つけやすいかと思います。
「Image Credit:stella navigator」
※ 上画像は、木星観測の一例ですので、ご参考資料としてご覧ください。
土星の見つけ方
天文初心者など一般の人が一番見てみたいと思うのは、見事な環を持つ土星ではないでしょうか。地球から約12億キロ離れた土星ですが、この惑星も非常に大きな星ですので比較的明るい0等級ほどで見えます。
しかし、お目当ての環を肉眼で見ることは出来ませんが、土星の環を見るなら、倍率の高い双眼鏡でも大気の状態が良ければ、何とか見える場合もあります。
「Image Credit:stella navigator」
※ 上画像は、土星観測の一例ですので、ご参考資料としてご覧ください。
天王星や海王星の見つけ方
天王星や海王星は非常に遠い惑星のため、肉眼でも見えにくく、天王星は6等級ほど、海王星は8等級と非常に暗い星です。そのため、初心者などがこれらの星の観測に挑戦することは難しく、天体望遠鏡を用いても観測はなかなか困難だと思います。
惑星の探し方のポイント
惑星は恒星と違い季節毎に同じ場所に現れるワケではなく、金星や木星など目立つ惑星はともかく、それ以外は初心者が簡単に探せる星ではありません。そのような惑星を探す場合は、専門機関の情報を参考にすると良いでしょう。
●参考サイト:【ほしぞら情報「国立天文台」】
こういったサイトで情報を得ると、より簡単に目的の惑星を探せるようになると思います。