人類が今、もっとも興味を示している天体といっても過言ではない火星。この惑星には、世界各国が多くの無人探査機を送っており様々なミッションが行われています。
その中でも代表的な探査機が、火星に着陸し火星表面を移動しながら調査をしている探査機ローバー・キュリオシティ。
このキュリオシティは、火星で多くの発見をし鮮明な火星表面の画像撮影をして地球に送ってくれています。

そんなキュリオシティが撮影した360度画像動画が公開され今話題になっています。
これを観れば、火星の表面がどうなっているのかよく分かる動画です。

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火星ってどんな星?

地球から火星まで平均の最短距離で約7,800万キロで大きさは地球の約半分ほど、火星には大気はありますが、地球に比べたら極端に希薄で日平均気圧約6~8hPaで地球の1%にも満たない気圧です。
また重力は地球の3分の1程度で、地表の平均気温はマイナス40度以下。この火星環境の基本データを見る限り、常識的に考えれば、おそらくは生物が生息出来る環境ではないと思われます。

「Image Credit:キュリオシティが撮影した火星の画像(Wikipediaより)」

キュリオシティが撮影した鮮明な火星地表画像

キュリオシティは、NASAが2011年に打ち上げた火星探査ミッションマーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)で使用されている無人探査ローバーで、火星に軟着陸した2012年8月から長期に渡り、火星表面を移動しながら探査を続けています。

「Image Credit:キュリオシティ(Wikipediaより)」
そんなキュリオシティから送られて来た火星の360度パノラマ鮮明画像は実に圧巻で、それはまるで地球のどこかの砂漠地帯のような光景にも見え、どこかに生物がいるのでは?と思えるような非常に馴染み深い光景にも感じる事が出来ます。


「Copyright ©:NASA Jet Propulsion Laboratory All rights reserved.」
なお、映像は複数に渡って撮影した画像を繋ぎ合わせたモノで、キュリオシティの周りをグルリと360度取り囲んで見ることが出来ます。
ちなみにキュリオシティが軟着陸し映像に映っている場所は、火星の赤道付近にあるゲール・クレーターと呼ばれる低地で、約35億年ほど前に形成された場所だと考えられています。

◆参考動画:Mars Science Laboratory Mission Animation


「Copyright ©:Boing Boing Video All rights reserved.」
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キュリオシティの成果

火星探査ミッションを行っているキュリオシティは、膨大な量の探査データを地球に送ってきています。
その膨大なデータにより、様々な火星の謎が解明されていて、最大の成果と言えるのが、赤茶けている不毛の大地の火星に水が存在したという痕跡。
かつての火星(30~40億年前)は、地球に良く似た環境で水も豊富に存在し、生命が生きて行ける環境がそこにはあったと考えられています。
そんなキュリオシティが撮影した数々の画像はNASAの専用サイトで閲覧することが出来ます。
●参考サイト:【NASAキュリオシティ・ギャラリー】

今後の有人火星探査でキュリオシティの成果は活かされる?

2020年代から30年代にかけて、火星は一気に注目を集める星となる事は間違いないでしょう。
その理由は、これまでの無人探査から有人探査に移行。本格的に人類は火星の地に足を踏み入れようと計画しています。
キュリオシティのミッションは、少なからず有人火星計画に活かされていて、火星の地表の様子や気象状況もキュリオシティにより明らかになって来ています。
しかし、キュリオシティが調査したのは火星のほんの一部に過ぎず、これから人類が足を踏み入れようとしている地としては、あまりにもデータ不足。
今後はもっと詳細なデータを収集する必要があるでしょうし、危険も多いでしょう。そのため、実際に有人火星飛行に至るまでは、問題が山積みでかなりの時間が必要となるでしょう。
果たして人類は、2030年代までに直接火星に足を踏み入れることが出来るのでしょうか?
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