普段から満ち欠けの見れる月ですが、そもそもそれと月食とはどう違うのか?疑問に思う人もいるかも知れません。
月の満ち欠けとは違い、月食は地球の影の中に月が入ったときに見られる天文現象であり、月食が起こる仕組みは、月が満月のとき、月と地球、そして太陽が一直線に並んだ特殊な条件の時に発生します。
今回はそんな月食について仕組みを少し詳しく、また皆既月食や半影月食、部分月食との違いについて調べてみました。
月食が起こる要因とその種類
月食が起こる要因を簡単に言うと、太陽と月の間に地球が入ってしまった場合に地球の影が月面に重なったことで起こります。「Image Credit:中日新聞」
ちなみに、俗に言う皆既月食の場合、地球本体の影を”本影”といい、この本影が月にかかると太陽光がほぼ完全に遮られてしまい、満月から一気に新月のような状態になることを皆既月食と言います。
また、本影の周りには太陽の光がほんの少し入ってくる部分があります。
これを”半影”といい、この部分に月が入ると、上の画像のようにぼんやりと美しい赤銅色に輝く月が現れます。
「Image Credit:国立天文台」
このように、完全に月が隠れる月食には2つの種類があるワケです。
- 地球の影に完全に隠れてしまう「皆既月食」
- 皆既月食に入る前に起こる赤銅色になる「半影月食」
月食と月の満ち欠けの違い
良く皆既月食を観察するときは、完全に月が隠れてしまう皆既月食の方が、天体ショーとしても見応えがあり話題になりがちですが、実は、皆既月食の前後に発生する半影月食の方が発生回数が少なく希少性も高い。そしてビジュアル的にはキレイだったりします。何故”半影”の部分が発生するのか?というと、太陽光が地球の大気で屈折して本影の周りを囲むからです。
また、月が欠けるという現象は常に起こっているワケで同じ月が欠ける月食とはどう違うのか?という疑問もあったりしますが、通常の月の満ち欠けは、月が地球の周りを回るときに太陽との位置関係で起こるもので、地球の影が映り込む月食とはまったくその性質は異なるものです。
参考動画:2011年12月に全国で観測された皆既月食の模様
今後観測が期待される月食カレンダー
では、今後日本で見られる皆既月食っていつ起きるのでしょうか?現時点で判明している約10年先の月食の”カレンダー”を調べてみました。
- 2018年1月31日 皆既月食:日本全国で観測が可能。
- 2018年7月28日 皆既月食:北海道を除く国内で観測が可能(但し、皆既を迎える直前に月が沈みます)
- 2019年7月17日 部分月食:最大60%まで月が欠ける現象が西日本を中心に観測可能
- 2021年5月26日 皆既月食:東日本を中心に観測が期待
- 2021年11月19日 部分月食:ほぼ皆既月食に近い98%が欠ける部分月食
- 2022年11月8日 皆既月食
- 2025年3月14日 部分月食
- 2025年9月8日 皆既月食:1時間以上の長時間で観測が期待出来るとの事