最新の研究結果により、宇宙には数多くのブラックホール(候補)が存在する事が確認されていますが、その中には銀河を形成するような巨大ブラックホールも少なくないとの事です。
そして最近発見された巨大ブラックホールが、至近距離で2つ存在していて互いに引かれ合い、近いうちに衝突を引き起こすのでは?と考えられています。

ブラックホールが衝突?それも巨大なブラックホールがともなれば、いったいどういう事態が起こるのでしょうか?

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衝突する巨大ブラックホールの位置

衝突の危険性があるとされるのは、太陽系から約35億光年離れた場所に位置する「PG 1302-102」というクエーサーと呼ばれる天体です。
クエーサーとは、宇宙創世紀の初期に形成された天体と考えられおり、地球から数億光年以上と遠く離れているのが特徴。
クエーサーは非常にコンパクトな天体にも関わらず巨大なエネルギーを持ち、それは銀河の形成時の初期段階の天体だと考えられ、中心部には大質量のブラックホールが存在するとされています。

「Image Credit:NASA/JPL-CALTECH/GSFC」

巨大ブラックホールとはどれくらい巨大なのか?

この2つの巨大ブラックホールは、2つ合わせて太陽の100億個分も質量を持っていて想像を絶するほど巨大です。
ちなみに太陽の質量は地球の質量の約33万倍で考えると、巨大ブラックホールがその100億倍になりますので、まさに想像も出来ないほどの巨大質量です。
そんな巨大なブラックホールが、35億光年先で0.2光年という至近距離で周回しており、あと20年くらいで衝突する恐れがあるということです。
なお、補足ですが、今観測出来ているこのブラックホールは35億年前の光景ですので、20年後というのは、あくまでも人間のモノ差しで測った時間のことです。
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巨大ブラックホールが衝突したらどうなる?

今回発見された衝突するかもしれない2つのブラックホールは、人類がまだ見たことのない現象。
つまり、衝突してみないとどうなるかわからないということなのですが、しかし理論的にはそうなるのか予想はされています。
その理論とは、かの有名なアルベルト・アインシュタイン博士が発表した一般相対性理論で、この理論によるとブラックホール同士が衝突すると時空を揺るがす重力波が発生し、ブラックホールが融合するとの事。
もし、アインシュタイン博士の理論が正しければ彼の名声は一層高まりますが、正しくなければ現在の宇宙理論は根本的に覆る可能性もあります。
とにかく20年後どうなるのか?科学者たちが心待ちにしているのが2つのブラックホールの存在です。

我々の銀河も衝突する!?

このブラックホールの衝突現象は、35億光年離れた遠い世界だけで起こる事ではないようです。
実は我々の太陽系が属する天の川銀河も、お隣りの銀河・アンドロメダ銀河と衝突・融合するとの事。
現在、天の川銀河とアンドロメダ銀河は、時速40万2千キロという猛スピードで接近中で危険?~なら地球の運命はどうなる?
しかしご安心下さい。お隣りと言っても我々の銀河とアンドロメダ銀河の距離は200万光年以上離れています。
そのためいくら猛スピードといっても、この距離を縮めお互いが衝突するまでまだ40億年もかかります。
そして衝突してから融合するまで、さらに20億年ほどかかるとのことですので、その頃は太陽の寿命も尽き太陽系自体が消滅しているかも知れません。
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