秋は星空を眺めるのには一番良い季節かも知れません。
秋の夜長、少し肌寒いですがある程度の防寒対策をすれば、蚊などの虫刺されに悩まされる事も少なく、逆に心地よい秋虫の音色をBGMに癒されながら美しい星空を楽しむことが出来るでしょう。
そんな秋の星空を楽しむイベントで代表的なのが、満月(中秋の名月等)と流星群ではないでしょうか?
ここでは、秋の肉眼で観測出来る星空イベント(満月、流星群)について簡単にご案内したいと思います。
秋のはじまりは中秋の名月でお月見!
人々が一年を通して最も月を眺める機会があるのが、満月を見出る「中秋の名月」ではないでしょうか?!「Image Credit:iStock」
中秋の名月を辞書で調べると旧暦の8月15日に見る月の事で、必ずしも中秋の名月が満月とい事ではないようです。
つまり、月が地球を1周する公転周期は29.5日であり、この周期(月齢)がピッタリ旧暦の8月15日になるのが本当の中秋の名月だと言う事のようです。
しかし、少し月齢からズレが生じても中秋の名月はほぼ満月の状態で見ることが出来ます。
ちなみに、この記事を書いている2018年10月以降の中秋の名月はいつになるのか?2030年まで調べてみました。
中秋の名月 | 満 月 |
---|---|
2019年9月13日 | 2019年9月14日 |
2020年10月1日 | 2020年10月2日 |
2021年9月21日 | 2021年9月21日 |
2022年9月10日 | 2022年9月10日 |
2023年9月29日 | 2023年9月29日 |
2024年9月17日 | 2024年9月18日 |
2025年10月6日 | 2025年10月7日 |
2026年9月25日 | 2026年9月27日 |
2027年9月15日 | 2027年9月16日 |
2028年10月3日 | 2028年10月4日 |
2029年9月22日 | 2029年9月23日 |
2030年9月12日 | 2030年9月13日 |
知っておこう!~満月がウサギの餅つき模様に見える理由
満月の模様を日本では古くから「ウサギが餅をついている姿」として見られています。「Image Credit:ウェザーニュース」
つまりそれは、月がいつも同じ面を地球に向けているという事であり、でも疑問に思うのが、月も地球と同じように自転をしているハズ!?なのに何故いつも同じ面を地球に向けているのか?
と、満月の模様を見ながらこんな事を考えた事はないでしょうか?
その理由は、地球と月が互いの重力に引かれて自転と公転の同期現象(潮汐ロック)が起きているからです。
●参考記事:【潮汐ロックとは?】
これは地球と月に限らず、太陽系の惑星と衛星のほとんどに同期現象が起こっています。
秋の流星群その壱~10月りゅう座流星群
ここからは流星群の情報をお伝えします。流星群を観測する場合は、月明かりに邪魔をされないことが重要になって来ます。
よって、流星群を観測する前に月齢をしっかりとおさえておく事をオススメします。
ではまず、秋の流星群ではあまり耳なじみのない「10月りゅう座流星群」について。
「りゅう座流星群」は、別名・ジャコビニ流星群とも呼ばれており10月上旬頃に出現する流星群なのですが、この流星群があまり有名ではない理由は活動が低調な事で、それほど流星の数は多くなく1時間に数個ほど出現すれば良い方だとされています。
そんな「りゅう座流星群」が出現するのは10月6日~10日頃で、最も多く流星が出現するピークは8日~9日頃とされています。
ちなみに、りゅう座流星群の母天体となるのは、6年半の周期で太陽を公転しているジャコビニ・ジンナー彗星だと考えられています。
「Image Credit:ジャコビニ・ジンナー彗星(Wikipediaより)」
この彗星が撒き散らした塵が流星となって地球に降り注いで来る事で「りゅう座流星群」になるワケです。
なお、「りゅう座流星群」を観測する場合は、この時期に「りゅう座」が見える北西方向に目を向けると良いでしょう。
「Image Credit:りゅう座の方角(星座図鑑より)」
秋の流星群その弐~おうし座流星群
「おうし座流星群」は9月中旬~11月末まで長期に渡り観測出来る流星群です。この流星群は長期間見れることもあり、ピーク期は2回(南群・北群)あります。
10月9日~11日頃(南群)と11月11日~13日頃(北群)。
おうし座流星群もそれほど多く流星は流れませんが(1時間に数個程度)、時折、火球が出現しやすいという事でも知られており、運が良ければひと際明るく輝く流星(火球)を見ることが出来るかも知れません。
なお、この流星群の母天体は約3.3年周期で公転しているエンケ彗星と言われています。
秋の流星群その参~オリオン座流星群
オリオン座流星群は、とても観測しやすい流星群で、観測しやすい理由は、秋から春先にかけて見る事が出来る超有名なオリオン座方向から流星が流れて来るからです。このオリオン座流星群の出現時期は、10月中旬~下旬にかけてで、ピーク期は20日~22日頃になり、流星の放射点になるのは東方向~つまりオリオン座が見える方角です。
「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」
なお、オリオン座流星群の母天体は超有名なハレー彗星だと言われています。
秋の流星群その四~しし座流星群
秋の夜長を彩る最後の流星群は「しし座流星群」。この流星群が出現するのは11月上旬~11月下旬にかけてで、ピーク期は11月17日~19日頃です。この流星群の特徴は、何と言っても出現率が高い事で知られ、過去には2001年に観測された1時間に1000個以上という流星の数が出現し、このときは、流星群というより”流星雨”に近い状態だったと記録されており、また火球も多く見られたとの事でした。
ただ、これ以降は流星の数が減少傾向にあり、現在では10分間に1個か2個程度が限界のようです。
それでも秋に見られる流星群の中では最大規模の天体ショーです。
「Image Credit:Astro Arts」
ちなみに、「しし座流星群」の母天体はテンペル・タットル彗星だと言われています。