冬が寒いのは当たり前!でもこの季節は、空気が澄んで晴れた日が多く満天の星空を観測する絶好チャンスでもあります。
そんな寒い冬ですが、綺麗な星を眺めるために少し我慢して外に出てみる事をオススメします。
冬の星空観賞は寒さと闘う忍耐力が必要かも知れませんが、それでも美しい星空を眺める事が出来れば多少の寒さなど気にならないかも知れませんし、何より天体望遠鏡なんかを使わなくても天体観測が楽しめるのが冬の星空の魅力のひとつでもあります。
冬の星空観測は見どころがいっぱい!
冒頭でも言いましたが、冬の空は空気が澄んで晴れた日も多く満天の星空観測には絶好の季節です。そんな冬の星空は、見応えがある天体も多く様々な星たちが顔を覗かせてくれています。
例えば、星座であれば北極星を両脇から囲む北斗七星とカシオペア座。
「Image Credit:astroarts.co.jp」
この星座はほぼ一年を通して見る事は出来ますが、やはり澄んだ冬の空にはこの星座たちの姿が映えてよりダイナミックな姿を現してくれます。
そして冬の星座を代表するのがオリオン座。星座の名前とカタチをほとんど知らない人でも「オリオン座だけは知っている」という人も多いのではないでしょうか?!
さらに、オリオン座から派生する3つの一等星を繋いだ「冬の大三角」。もうこれを覚えておけば、かなり冬の星空を堪能出来て楽しめると思います。
「Image Credit:Yahoo!きっず図鑑」
また、冬を中心に秋から春先にかけて観測出来る「プレアデス星団(和名:昴)」の観測もオススメです。
「Image Credit:Wikipedia」
プレアデス星団の見える場所は、オリオン座の中心にある並んだ三ツ星を右延長線上に伸ばして行くと比較的簡単に見つける事が出来ます。
「Image Credit:Wikipedia」
プレアデス星団は地球から約440光年程離れた場所にある明るく輝く若い星が集まった散開星団で、肉眼でも良く見え視力の良い人だと5~7個は見える事から、昔からこの星団の星が何個見えるか?で視力を試す楽しみ方もあったようです。
冬の夜空は流星も良く見える!?
流星群は季節を問わず、ほぼ毎月のように見る事が出来ますが、やはり空気の澄んだ冬場は特に良く見えると聞き、秋~春先に出現される流星群は「オリオン座流星群」「しし座流星群」「ふたご座流星群」「しぶんぎ座流星群」等が有名で、特に「ふたご座流星群」と「しぶんぎ座流星群」は三大流星群にも数えられ、毎年ほぼ安定して多くの流星が流れる事でも知られています。
冬の星空で星が良く見るのは何故?
冬の夜空は澄んでいて星が良く見えるとお話しましたが、そもそも何故冬は星が良く見えるのでしょうか?その理由は大きく分けて4つあり、これらの要素が加わる事で冬が星空観賞に最も適していると言えるのかも知れません。
冬に星が良く見える理由1:「空気が乾いている」
気温が上がる春から秋にかけては大気中に水蒸気が多く発生し湿度が高くなり、湿度が高いと大気が霞がちになり大気の透明度も下がってしまいます。反対に気温の低下で水蒸気が多く発生しない冬場は、空気が乾き大気の透明度も上がり星が見えやすくなります。冬に星が良く見える理由2:「夜が長い」
北半球の冬は、地球の地軸の傾きの影響から日照時間が短くなってしまいます。つまり日没が早く日の出も遅くなるため星を眺められる時間が長くなるというワケです。冬に星が良く見える理由3:「一等星の数が多い」
金星や火星、木星等の太陽系天体を除く特に明るく輝く一等星は全天で21個あり、北半球の日本においては21個のうち実に15個もの一等星を見る事が出来、冬は特に一等星が多く見られ15個の内約半数の7個が見られ、しかもその7個の一等星はオリオン座周辺に集中しており、オリオン座のベテルギウスとリゲル。おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン。そして、西日本より以南で見えるりゅうこつ座のカノープスがあります。冬に星が良く見える理由4:「星が良く瞬く」
これも冬の気温と湿度の関係で起こる現象のひとつで、星の光が地球の大気層を通過する際、気温と湿度が低い程、空気の密度の違いが起きやすく大気の揺らぎも大きくなる事から、星が一層瞬きやすくなると言います。初心者は天体望遠鏡を買わなくても十分星空観測を楽しめる!
天体観測と聞いて、多くの人は天体望遠鏡は必需品と考えているかも知れません。確かに天体望遠鏡があれば、月のクレーターや木星や土星等の天体の姿をリアルタイムで観測出来るでしょうが、天体望遠鏡で見る星空は非常に視野が狭くなり、レンズ越しに覗いた天体は地球の大気の影響でボヤけて揺らいで見えてしまい、ネットや図鑑等で見る天体とはだいぶ違って見えてしまいます。
「Image Credit:Wikipedia」
上画像↑↑のように、天体望遠鏡で見た土星の映像は不鮮明でぼやけてみえるのがほとんどで、低価格の天体望遠鏡なら尚の事、天体を鮮明に観測する事は出来ません。
一方で、肉眼で見る星空観測は天体自体を大きく見る事は出来ませんが、その分視野を大きく広げられ星空全体をくまなく観測する事が出来ます。
そしてその広い視野の中で、お目当ての天体があれば双眼鏡やスマホの拡大機能、またはスマホ装着できる望遠レンズ等を使えば、星と星の間を飛び移りながらいくつも天体鑑賞が出来るメリットもあります。
「Image Credit:スマートフォン用望遠レンズ(価格.comより)」
また、冬の夜空なら多少の光害でも比較的多くの天体観測が可能な状況が生まれやすくなり、大気の状態によっては光害の大きい都市部でも土星やプレアデス星団等の天体も肉眼で見る事が可能になり、わざわざ遠い郊外に行かなくても十分楽しむ事が出来るでしょう。