宇宙で生命の宿る星は地球だけなのでしょうか?
残念ながら今のところ、いくら宇宙を観測し探査機を飛ばしてもその痕跡すら掴めていませんので、「地球以外に生命はいない」と思っている人は多いかも知れませんが、同時に希望を持って「宇宙のどこかにきっと生命、もしくは宇宙人がいる!」と思っている人も少なくはないでしょう!?
そんな両論がある中で、これまでの観測や探査で「もしかしたら生命がいるかも?」と期待できるような天体はいくつか見つかっています。
そこで今回は、太陽系の中で地球以外に生命存在が期待できる天体を5つほど挙げてみて、何故そこに生命がいる可能性があるのか?
その条件についても調べてみました。
生命が生存出来る星の環境とは?
星に生命が宿り進化して行くには特別な環境が必要だと考えられ、それは地球のように水が液体で存在出来る温暖な環境であり、豊富な大気に包まれている事が絶対的に必要な条件だとされています。「Image Credit:Wikipedia」
しかしながら現時点で、このような環境を持つ星は地球以外に発見されていませんが、最近の観測・探査で地球ほど恵まれた環境だとは言えなくとも、太陽系内に生命生存の可能性のある環境を持っている星がいくつか見つかっています。
さらに、常識とはかけ離れて、おおよそ生命生存不可能と思われる地球とは全く異なる環境下でも、もしかしたらその環境に適応した生物がいるかも知れないという星にも注目が集まっています。
それが、これからご紹介する5つの天体で可能性が高い順に解説してみたいと思います。
土星の衛星「エンケラドゥス」
生命生存に必要な光と熱の恵みを与えてくれる太陽から約14億キロも離れている土星。土星が太陽からかなり離れている事もあり、直径500キロほどの小さな衛星であるエンケラドゥスの環境は、超極寒のマイナス200度以下で表面は厚い氷で覆われています。
そのため、これまでエンケラドゥスはそれほど注目されて来なかった天体でした。
「Image Credit:白い土星の衛星・エンケラドゥス(Wikipediaより)」
しかし、土星探査機カッシーニの調査によってその注目度が一変。
カッシーニがエンケラドゥスに接近した際に、地表から放出されるプルーム(水柱)が確認されたのでした。
「Image Credit:カッシーニが撮影したエンケラドゥスから噴き出す間欠泉(Wikipediaより)」
このプルームはエンケラドゥスの厚い氷の下から噴き出しており、その氷の下には熱源があり、氷が溶かされ液体の水(海)があることを意味していると推測されるそうです。
さらにカッシーニは噴き出すプルームに突入しサンプルを採取する事に成功。そのサンプルを分析したところ、塩類や有機分子、アンモニアなど、生命の主要な構成要素、さらには原始的な生命のエネルギー源(餌)となる水素分子も確認出来、このことにより、エンケラドゥスの地下には生命が生息できる条件が揃っていることが判明し、今後の詳しい探査に期待がかかり大きな注目の的になっています。
木星の衛星「エウロパ」
木星のガリレオ衛星のひとつとして知られるエウロパは、以前から生命存在が期待される天体でした。「Image Credit:木星の衛星・エウロパ(Wikipediaより)」
エウロパの表面もエンケラドゥスと同様に厚い氷に覆われており、木星の巨大な潮汐力で内部が熱せられ、地下には熱で溶け液体となった海が存在するのでは?と考えられて来ました。
そんな推測が確信に変わったのがハッブル宇宙望遠鏡が捉えた観測画像で、そこにはエウロパの地下から噴き出す間欠泉(水蒸気)らしき現象が写っていたのでした。
「Image Credit:NASA/ESA/W. Sparks (STScI)/USGS Astrogeology Science Center」
これにより、エウロパもまたエンケラドゥス同様に厚い氷の下には熱源があり、生命が生息できる環境が整った海が広がっているのでは?と大きな期待感が出てきています。
太陽系第4惑星「火星」
太陽系の惑星で地球以外に唯一生命の存在が期待される・火星。火星は生命に満ち溢れる地球の隣りを公転する惑星で、希薄ではありますが大気も存在します。
「Image Credit:Wikipedia」
そんな火星には1970年代から軌道上や地表に探査機が投下され、詳しい調査が行われて来ました。
しかし、現在のところ火星に生命の痕跡は見つかっていません。
となると、やはり火星には生命はいないのか?と期待も薄れがちですが、詳しい調査の結果、太古の時代には豊富な水で溢れ海や川などが存在していたという痕跡が確認されています。
「Image Credit:数十億年前の火星想像図(Wikiwandより)」
このような火星の過去があったとしたなら、今後の調査で何らかの生物の痕跡があってもおかしくはないと考えられ、また、まだ調査の行き届いていない場所に生命がいる可能性も捨て切れません。
ただ、現在の火星の環境はあまりにも過酷。大気は薄く、気温も低く、磁場が無い。といった地球環境で生命生存に必要な常識で考えれば、火星環境は絶望的?とも言えるかも知れません。
土星の衛星「タイタン」
土星の第6衛星・タイタン。この天体には地球に似た厚い大気が存在します。そのため、太陽から遠く離れた極寒の環境にはありますが、大気があるため生命存在の期待が寄せられて来ました。
「Image Credit:Wikipedia」
そんなタイタンを詳しく調査したのが土星探査機カッシーニ。
カッシーニは衛星・タイタンの軌道上からだけでなく、小型探査機ホイヘンス・プローブをタイタンの地表に投下し着地に成功しています。
「Image Credit:タイタン地表に着地したホイヘンス・プローブの想像図(左)と同探査機が撮影した実際のタイタンの地表写真(右)(Wikipediaより)」
さらにカッシーニの探査で分かったことは、タイタンにはマイナス180度以下でも凍らないメタンの雨や川・湖が存在した事でした。
そこには地球の自然環境と似たような光景が広がっていた事が判明し、これは歴史的な大発見となっています。
しかし、いくらタイタンに地球と似た環境があったとしても、そこはマイナス180度以下の超極寒地帯で、川や湖を創り出している液体も水ではなくメタン等の炭化水素である事が判明しており、そこは地球で生息できる生物の環境とは全く異なる事を意味しています。
となると、やはりタイタンに生物はいないのか?とも考えられますが、一部の専門家たちは「地球に住む生物が水を命の源としているのであれば、タイタンではメタンで生きる生物がいる可能性だってある。」と主張しており、もしその主張が正しければ更なる今後の探査が楽しみなところであります。
木星の衛星「ガニメデ」
ガニメデもまた木星のガリレオ衛星のひとつで、エウロパの外側を周っている太陽系最大の衛星でもあります。「Image Credit:Wikipedia」
実は、今後ガニメデには探査の目が向けられており、2022年頃ロシアと欧州宇宙機関(ESA)合同の探査機が打ち上げられる予定になっています。
ガニメデもまたエウロパやエンケラドゥスと同じように、厚い氷の下に木星の潮汐力で温められた液体(塩水)の海が広がっていると考えられており、生命がいるかも知れないという期待が持たれています。
ただ、現時点ではエウロパよりも生命存在の確率は低いと予測されていますが、それでも可能性はゼロではなく、何よりこれまであまり詳しい探査が行われて来ていないため、ガニメデの謎を解明するためにも探査の必要があると考えられています。
地球以外の星に生命がいるとしたらどんな生物なのか?
エンケラドゥスやエウロパで発見された間欠泉によって、地球外生命体の存在は可能性や期待から確信に変わりつつあります。では、もしこれらの星に生物がいたとしたらどんな生命体なのでしょうか?
現時点で科学者たちが想定しているのは、地球上の深海や極寒地帯等の過酷な環境に生息している原始的生命体ではないか?と考えており、それはSFやオカルトに登場する火星人などの知的生命体ではなく、微生物や単細胞生物、もしくは深海魚に近い生物ではないか?という事のようです。
「Image Credit:海底の熱水源周辺に生息するチューブワーム(Wikipediaより)」
ただ今後、エンカエラドスやエウロパなどに探査機を送ったとしても生物存在を確認する事は非常に困難を極める事が予想されます。
もし、これらの天体に生命がいたとしても、生息する場所は1000メートル以上の厚い氷の下という事になり、そこまで探査機を到達させるとなると厚い氷を掘削する必要があり、残念ながら現在の技術では掘削する手段がありません。
しかし、間欠泉が噴き出す周辺の地表などを調べれば、生物の死骸などの痕跡が見つかるかも知れません。
今後、どのような地球外生物探査が行われるか?は詳しく公表されていませんが、それでもそう遠くない将来、私たちは生命がいるのは地球だけではなかった!?という事実を知ることになるかも知れません。
ハビタブルゾーンって、何か地球生物なら、生存可能と言ってる気がします。
例えばSFですが、地球を炭素生物の惑星と言えるかと思います。
では、炭素では無くて、シリコンで同じ物を作れば、指摘温度も、循環液も違う、似ている物を想像できますよね。
これが無いと言い切れるでしょうか?。
私はただの素人ですが。