近年の天体観測技術の進歩により、私たち人類は太陽系外の天体を詳しく観測出来るようになりました。
そんな中、太陽外に地球に良く似た惑星を探すプロジェクトも行われており、これまでに相当数のハビタブル惑星(地球に似た惑星)が発見されています。
では、そのような惑星に将来人類が移住出来るような星はあるのでしょうか?
また、地球に似た惑星は人類が行けるような近距離に存在するのでしょうか?
ハビタブル惑星の定義とは?
ハビタブル惑星。それは、生命が生存するための絶対条件である水が液体の状態で存在出来る、主星(太陽)から受ける熱エネルギーが適度な温度を保てる可能性のある惑星の事をそう呼びますが、必ずしも生命が存在する天体というワケではなく、生命生存に必要な条件が整っていれば地球のような環境を持つ可能性があるという事になります。「Image Credit:NASA AMES/JPL-CALTECH/T. PYLE」
もちろん、私たちの地球も太陽系のハビタブルゾーンにあって、地球は程良い厚さの大気を持ち暑過ぎず寒過ぎない温度が維持出来、そして何より大量の水(海)を保有する奇跡的な環境を持つ惑星です。
「Image Credit:Wikipedia」
しかし、残念ながら太陽系では地球以外にハビタブルゾーンに位置する天体はなく、お隣りの惑星(金星・火星)もハビタブルゾーンから外れた位置に存在しています。
太陽系近傍に存在するハビタブル惑星を持つ恒星系
人類はこれまでに、太陽系外でのハビタブル惑星を多数発見しており、その中でも遠い将来になるかも知れませんが、もしかしたら人類が建造した宇宙船で行けるかもしれない数十光年以内の近距離にもいくつかのハビタブル惑星が発見されています。例えば、太陽系からわずか14光年という距離に発見された「ウルフ1061c」という惑星。
「Image Credit:ウォルフ1061星系のイメージ図(Wikipediaより)」
さらに40光年先になりますが、1つの恒星系(TRAPPIST-1)に3つものハビタブル惑星が発見されています。
「Image Credit:TRAPPIST-1星系のイメージ図(Wikipediaより)」
これら太陽系近傍のハビタブル惑星は、まだ詳しい調査は行われていませんが、太陽系から近いため大気成分や地表の気温、水の有無なども今後の詳しい調査が出来るといいます。
もし、これらの惑星が地球と似たような環境ならば、今後人類が移住出来る可能性だって少なからずあるワケです。
人類が他の惑星に移住することは出来るのか?
これまでの観測で発見された太陽系近傍に存在するハビタブル惑星。そこは近傍といっても光の速さで何年もかかる場所にあり、現在、人類が建造した最速の宇宙船(無人探査機)でさえ、最も近いハビタブル惑星まで最低でも数万年以上かかります。そのため、もし人類が今後これらの惑星へ探査や移住を行うとしても、そこまで移動できる科学力を有するまで相当な年数が必要となるでしょう。
また、移住となると多くの人類をその星まで送り届けなくてはなりませんし、かなり大規模な移住計画となるのでは?と考えられます。
「Image Credit:Twitter」
しかし、人類が移住可能なハビタブル惑星だったとしても、実際に移住するには、数々の問題点を解決しないと行けないということも考えられます。
例えば・・・
- 人類生存可能な星であれば先住民がいるかも知れない。
- 大気成分が地球に似ていたとしても、必ずしも人類が呼吸出来る空気とは限らない。
- 人類が対抗出来ない、未知のウィルスや病原菌、生物がいることが想像出来る。
- 地球とは異なる重力環境である可能性が高い。
とにかく、ハビタブル惑星のような他の星に移住するかどうかは別として、現時点でも、人類の人口増加で地球は飽和状態になりつつあります。
そのような現状がある以上、増えすぎた人口をどう解決するのか?今の段階では、他の星に移住するということは夢のまた夢。人口増加問題。これからの人類の大きな課題ではないでしょうか?