木星は太陽系で最も巨大な惑星で、その大きさは地球と比べる約11倍にもなります。
また巨大さ故に重力も強大で、木星の重力の影響力は遠く離れた地球へも及ぶとされています。
そんな木星は人類の惑星探査計画の中でも、最も注目されている重要な惑星のひとつでもあり木星を周るガリレオ衛星もまた有名で、そのため過去に何度も探査機が送られ、今現在も探査が継続して行われており少しずつ木星の謎が解明されていますが、やはり地球から遠く離れた惑星ですので、探査をしていると言ってもまだまだ謎の多い星ではあります。
今回は、そんな木星の解明された謎の部分にせまり、いったいどんな星で木星が地球に与える影響とは何か?について調べてみました。

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木星の基礎データ(地球との比較)

冒頭でも触れましたが、木星は8つある太陽系の惑星の中で最も大きな惑星です。
ただ木星は、地球のように表面が岩石で出来ている岩石惑星ではなく、惑星全体を水素やヘリウムなどガスで覆われているガス惑星です。

「Image Credit:Wikipedia」
また、↓下の画像を参照すれば、木星の大きさを地球と比較すると、いかに木星が巨大であるかも良くわかります。

「Image Credit:Wikipedia」
そんな木星の巨大差をわかっていただくためにも、基本データを地球と比較してみました。
  • 「直径」地球の約11倍
    木星:142,984キロ
    地球:12,742キロ
  • 「質量」地球の約320倍
  • 「距離」
    太陽⇒木星:778,500,000キロ
    地球⇒木星:630,000,000キロ
  • 「公転周期」
    木星:約12年
    地球:365日
  • 「自転周期」
    木星:約10時間
    地球:24時間
  • 「衛星数」
    木星:80個(2022年時点)
    地球:1個
このように木星は大きさも巨大ですが重力も強大な惑星であり、木星そのもの大きさに加え、その巨大な星がわずか約10時間で自転していることにも重力が巨大であるという要因に繋がります。

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木星の探し方のポイント

木星は地球から遥か遠くにある星ですが、その巨大さ故、意外に大きく見え見つけやすい星でもあり、年間を通した場合夏場の6月~8月にかけてが見つけやすく、日没後の南西の方角を見上げると良く見えます。
しかし木星は他の星と違い太陽系の中の惑星ですので、動きに変動があり観察時期によっても見え方が違います。
木星の見つけ方のポイントとしては、夜空(全天)で一番明るい星が月。
二番目に明るい星が金星でマイナス4等星くらい。
そして三番目に明るい星が木星(マイナス3等星)となりますので、この順番で夜空を探すと見つけやすいと思います。
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巨星・木星が地球に与える影響

地球と木星は6億キロ以上離れていますが、木星が地球に与えている影響は大きく、ある意味地球に満ち溢れた生命の恵みを与えてくれているのが、少なからず木星の存在にもあります
例えば、地球の公転軌道も木星が影響を与えていて、地球が太陽の周りをほぼ円形軌道で周ることで毎年同じように夏と冬が訪れ、四季の気候の変化からあるのも木星との関係が影響しています。
木星をはじめとした引力の大きい惑星が地球の外側を公転することで、その引力で相互が引き合い、結果バランスの取れた軌道が実現していると推測されます。
また木星の巨大な重力は、太陽に向かってやって来る彗星や小惑星も引きつけ掃除機の役割をして、それらの小天体が地球に衝突する危険性も大きく木星が和らげてくれています。
つまり、このような木星が起こす影響は、いわば地球を守っていてくれていることになるのです。

木星にも存在する環とは?

太陽系の惑星には、惑星の周りを取り囲む”環”を持った惑星が4つ存在します。
そんな環を持つ惑星で最も有名なのが土星ですが、他に天王星と海王星、そして木星もまた環を持つ惑星として、1979年に打ち上げられたボイジャー1号により発見されています。
残念ながら木星の環は非常に希薄なため、地上の望遠鏡で観測するのは困難です。
ボイジャー1号の発見以降、環に注目は集まり、その後の探査で環の謎が少しずつ解明されていき、起源は、木星の強大な潮汐力により破壊された衛星の残骸が”環”となり木星を取り囲んでいるものと考えられています。

木星より有名な?4大衛星の存在

現在木星には80個の衛星が発見されており、そのほとんどは観測技術が発達した近年になってから発見されています。
しかし、15世紀の中世に既に4個の衛星が発見されていて、発見者はかの有名なガリレオ・ガリレイ。
彼はこの時代に手作りで天体望遠鏡を製作し、木星の衛星を4つも発見しています。

「Image Credit:ガリレオ・ガリレイの肖像画(左)とガリレオが初めて木星の衛星を見つけたときのメモ(右)(Wikipediaより)」
ガリレオが発見した4大衛星を、別名「ガリレオ衛星」と呼ぶのは有名な話だと思います。

「Image Credit:NASA/JPL/DLR」

ガリレオ衛星・第1衛星「イオ」

ガリレオ衛星の中で一番木星に近い軌道を公転しているのが衛星「イオ」です。
この星の最大の特徴は、太陽系に属する星の中で地球以外にはじめて活火山活動が確認され、今も活動が活発に行われている事です。
何故、イオで火山活動が活発なのでしょうか?
その原因となっているのが木星の巨大な潮汐力によるもののようです。
イオは木星から約40万キロという近距離に位置しており、木星を楕円軌道で公転しているため、イオの内部が木星の潮汐力で熱せられ火山活動が起こっていると考えられています。

ガリレオ衛星・第2衛星「エウロパ」

エウロパはガリレオ衛星の中で最も注目の的となっている衛星です。
理由は、厚い氷で覆われたエウロパの内部にあり、そこには木星の潮汐力で溶けた氷が液体の海となって存在すると考えられており、もしかしたらその海の中に生命が存在するのではないか?と期待を寄せられています。

ガリレオ衛星・第3衛星「ガニメデ」

ガニメデは太陽系の衛星の中でも最も大きい衛星として知られ、惑星である水星よりも大きな星です。
またその大きさ故に磁場があることも確認されており、今後の探査にも注目が集まっています。

ガリレオ衛星・第4衛星「カリスト」

カリストも大きな衛星で、ガニメデ・タイタン(土星)に次いで3番目に大きい衛星です。
この星も表面は厚い氷の層に覆われており、その下には液体の海が広がっていると考えられています。
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