数年前から巨大な満月「スーパームーン」が話題になっています。
数ある天体ショーの中でも、スーパームーンは最も見応えがあって観測しやすいという事もあり、最近の天文ブームの影響を受け注目度が上がって来ているようです。
誰でも見れるスーパームーンですが、滅多にお目にかかる現象ではありません。そんなスーパームーンですが次回、日本ではいつ見られるのでしょうか?

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そもそもスーパームーンって何なの?

スーパームーンを簡単かつ雑に説明すると「見慣れたハズの満月。でも何故か?いつもより大きく見える!」。それがスーパームーンです。

「Image Credit:iStock」
ただ、普段より大きく見える満月は大きく分けて2通りあります。
一つは日の入り直後、大気がまだ暖まった状態のとき大気の揺らぎで満月が大きく見える現象。
これもなかなかレアな満月なのですが、それよりももっとレアなのが月が地球に最も接近したときと満月が重なる現象。これが本物のスーパームーンです。
ちなみに、月は地球の周りを公転する衛星ですが、その公転軌道は真円ではなく楕円軌道で周っており、最も地球から離れた地点の距離(遠地点)が405,495キロで、最も地球に接近した距離(近地点)が356,652キロと、その差は約5万キロにも及びます。

「Image Credit:Canon Global」
つまり、近地点付近で満月になったときがスーパームーンと呼ばれることになるワケです。
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スーパームーンの注目度が上がるきっかけになった2015年に起こった特別な満月

確か、日本でスーパームーンという言葉が広まったのは2015年頃のことのような気がします。
それは、この年に見られたスーパームーンが中秋の名月と重なった事(2015年のスーパームーンは9月28日)で話題になりましたが、実際の中秋の名月は前日の27日だったのですが、それでも大きなお月見チャンスとしてメディアでも大きく取り上げらた事を覚えています。

「Copyright ©:Dale Calder All rights reserved.」

本当にスゴかったのは2016年のスーパームーン

2015年のスーパームーンも話題になりましたが、よりスゴかったのが2016年11月14日のスーパームーンでした。
この時のスーパームーンは、1948年1月26日以来、70年ぶりとなる超レアな巨大満月と話題になり、その明るさはミニマムムーン(月が地球から最も離れたときの満月)の30%増で、大きさはそれより14%にもなりました。

「Image Credit:国立天文台 天文情報センター」

次のスーパームーンはいつ?

2015年、2016年は2年連続でスーパームーンを見ることは出来ました。という事はスーパームーンは毎年見られるという事なのでしょうか?
スーパームーンはレアな現象と前記しましたが、実は毎年のようにこの現象は見る事が出来るのです。
そこで押さえておきたいのが、次回以降のスーパームーンはいつ見られるのか?ですが、現時点で調べられたのが、2022年~2025年の今後4年分です。

「今後4年間でスーパームーンが見られる予想」
  • 2022年7月14日
  • 2023年8月31日
  • 2024年10月17日
  • 2025年12月5日

「Copyright ©:ScienceAtNASA All rights reserved.」

スーパームーンが地球に地震を引き起こすって本当?

月は、地球の海に巨大な潮汐力をもたらし潮の満ち引きを引き起こすことは有名です。
しかし、この潮汐力は月が地球に接近することでより一層巨大になり、地球に何らかの悪影響を起こすのでは?と不安視する声もあります。
特に、このような滅多にないスーパームーンのときなど、大地震が起きるのでは?というウワサも流れたりしますが正直これには何の根拠もなく、月の公転周期は27日である事を考えればすぐにわかる事です。
つまり、スーパームーンが地球に悪影響を起こすというのであれば、月の公転周期の中で27日に1回はそれが起こるという事になってしまいますが、実際は何も起こっていませんので、スーパームーンと地球の地震を結び付けるのは無理があるのではないでしょうか?!

「Image Credit:いらすとや」
ただ、最近の研究によると、潮汐力の大きい高潮時に地震が起きると巨大地震に発展するケースもあると言います。
とにかく、スーパームーンと巨大地震などの天変地異に直結する考えはなさそうですので、単純にダイナミックで美しい月を愛でる穏やかな心を持った方が楽しいのではないでしょうか。
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