木星のガリレオ衛星・第一衛星「イオ」この星は非常に特殊な星です。
特殊な星とは、地球以外で活火山活動が確認された最初の星で、発見された当時は「大発見!」的な大きな話題になりました。
ここでは衛星「イオ」の基本情報と、イオが何故活発な火山活動が続いているのか?その謎について少し調べてみたいと思います。

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衛星「イオ」の基本情報

木星の衛星「イオ」は、ガリレオ衛星としては木星に最も近い軌道を周る衛星ですが、これまで木星で発見された80個の衛星の中では、5番目に近い軌道を公転している衛星です。
ちなみにガリレオ衛星とは、15世紀に有名イタリアの物理学者「ガリレオ・ガリレイ」が発見したことからこの名前が付けられることになりました。

「Image Credit:ガリレオ・ガリレイの肖像画(左)とガリレオが初めて木星の衛星を見つけたときのメモ(右)(Wikipediaより)」
そんなガリレオ衛星・イオの特徴は、何といってもこの星の最大の特徴を星全体で激しい火山活動をしているという事ではないでしょうか。
イオの火山活動の規模は、地球とは比べ物にならないくらいの巨大なモノで、噴煙を300キロ上空まで吹き上げるほどです。
なお「イオ」の基本データはこちらで、比較対象天体として月と比べてみました。
  • 「直径」
    イオ:3,643.2キロ
    月:3,474.3キロ
  • 「平均公転半径(惑星との距離)」
    イオ:約42万キロ
    月:約37万キロ
  • 「公転周期」
    イオ:約42時間
    月:約28日
  • 「地表重力」
    イオ:地球の6分の1程度
    月:地球の6分の1程度

「Image Credit:Wikipedia」
このように、イオは月よりひと回り大きな天体です。

衛星「イオ」の火山活動の理由

イオの活発な火山活動は、1979年に打ち上げられたボイジャー1号がイオに最接近した時に確認されました。
その後、木星軌道に送られた探査機の調査で、イオ表面で活発な火山活動をしている火山が150個以上確認され、実際にはその数倍は活火山があるものと推定されるとの事です。
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では何故イオがこれほど活発な火山活動を続けているかについてですが、それは主星である木星の巨大な潮汐力が影響しています。
イオは木星の衛星軌道をほぼ円に近い軌道で公転していますが、それでも木星に一番近い時と遠い時の差が約3,000キロほどあります。
この差があれば、地球の約300倍ある木星の質量では巨大な潮汐力がイオに発生し、また他の衛星との軌道共鳴も重なりイオ内部で潮汐熱が発生し、その熱エネルギーが火山活動を活発化させていると考えられています。
とにかく、イオの火山活動によるエネルギーは巨大で、凄まじい勢いでガスを吹き上げ数百キロ上空まで達していることも確認されています。

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「イオ」以外で火山活動をしている星とは

地球以外で火山活動をしている天体として最初に確認されたのがイオですが、その後はいくつか見つかっており、土星の衛星タイタン、海王星の衛星トリトンや金星でも活火山があるのではと推測されているそうです。
また最近では土星の衛星「エンケラドゥス」で厚い氷の下から熱水が噴き出していることも確認され、

「Image Credit:Wikipedia」
その氷の下で火山活動があるのではと推測され、火山熱で溶けた氷が海となり、そこに生命が存在しているのではと期待が高まっています。
イオは火山活動はしていますが、残念ながら生命が生存出来る環境ではないため、こちらの期待はなさそうです。
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