太陽系で最も巨大な惑星と言えば木星ですが、その大きさは地球とは比較にならないほどで、さらに衛星の数も大きさも桁違いです。
そんな木星を具体的に地球と比べた場合どんな感じになるのか?という動画が制作され、観れば観る程、木星がどれだけ巨大なのか?って思い知らされます。
とにかく、今回はこの動画を中心に木星の大きさ、そしてその衛星群について解説してみたいと思います。
80個も見つかっている木星の衛星
誰もが知っていると思いますが地球の衛星は月のみ、つまり1個です。しかし、木星は現在(2022年)確認されているだけでも80個あることが判っています。
最も有名な4つの巨大衛星「ガリレオ衛星」
80個もある木星の衛星で最も有名なのが、かの有名なイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが15世紀に自作の天体望遠鏡で発見したと言われる4つの衛星「イオ」、「エウロパ」、「ガニメデ」、「カリスト」です。「Image Credit:Wikipedia」
このガリレオ衛星はエウロパ以外は月より大きな天体なのですが、それでも主星である木星は圧倒的で、ガリレオ衛星ですら木星の前では豆粒に見えるほど巨大な存在です
「Image Credit:NASA-JPL/Kevin M.Gill」
様々な特性を持つ木星の衛星群
木星の衛星たちは大きく分けて7つの衛星群に分類されています。【7つの木星衛星グループ】
- 「ガリレオ群」:木星の衛星の中でも群を抜いて大きい4つの衛星(ガリレオ衛星)
- 「アマルテア群」:木星に最も近い軌道を公転する衛星グループ
- 「ヒマリア群」:軌道長半径が1,100万~1,200万キロ、軌道傾斜角が27°~30°という狭い範囲に密集している衛星グループ
- 「カルポ群」:軌道長半径が1,700万キロ前後、軌道傾斜角が50°強の衛星グループ
- 「アナンケ群」:軌道長半径が1,930万~2,270万キロ、軌道傾斜角は145.7°~154.8°の範囲に集まる衛星グループ
- 「カルメ群」:軌道長半径が平均で2,340万4000キロ、軌道傾斜角が165°前後に集ま衛星グループ。グループ名の由来の衛星・カルメが全体の質量のほとんどを占めている。
- 「パシファエ群」:軌道長半径が2,300万~2,400万キロ、軌道傾斜角が 145°~158°程度の範囲に集まる衛星グループ
逆行する天体も多数みつかっている木星の衛星
通常衛星は、惑星の自転方向と同じ公転軌道(順行)を持っているのですが、「アナンケ群」「カルメ群」「パシファエ群」のいくつかの衛星は惑星の自転方向とは逆の公転軌道(逆行)を持つ天体も見つかっており、それら全ては衛星としては非常に小さい微小天体なのですが、現時点は何故”逆行”しているのかは明らかになっていないようです。「Image Credit:赤いラインが逆行衛星の公転軌道(Roberto Molar-Candanosa / Carnegie Institution for Science)」
桁違いな木星の衛星群を地球と比較した動画
何度も言いますが木星には総数80個もの衛星が存在し、それは微小天体からガリレオ衛星のような巨大な天体まで様々なのですが、冒頭でもお話しましたがこれらを地球のスケールに当てはめてみたCG動画があります。この動画で最初に登場する地球の街並みはニューヨークで、この地点から微小天体である衛星たちが街を埋め尽くし行き、その規模はドンドン拡大し木星では豆粒ほどしかなかったガリレオ衛星さえも、地球から見ると巨大な天体である事が良くわかります。
と同時に、仮にこれらの衛星のどれか一つでも地球に落ちて来たら、大惨事どこれでは済まないという恐ろしさも理解できる動画になっているのではないでしょうか。