日本人の海外旅行先の定番と言えば、真っ先に思い付くのが常夏の島・ハワイかも知れません。
ハワイと言えば、青く美しい海をイメージしがちですが、意外なハワイ旅行のおすすめスポットとしては「山」も捨てがたく、この天文系のサイトで是非ご紹介したい「山」観光のプランに、絶景の星空を観測できる場所をおすすめします。
これからハワイに旅行に行かれた際は、海やショッピングだけの観光だけではなく、最高の星空を眺めに「山」に出掛けてみるのはいかがでしょうか?
ハワイは星空観賞スポットに最適な場所
日本から飛行機で約6時間。北太平洋の真ん中にあるハワイ諸島は気候は年間を通して温暖で、アメリカ合衆国の州ひとつの南国の楽園としても知られ、日本はもとより世界中で大人気の観光地です。「Image Credit:近畿日本ツーリスト」
まぁ、そんなことは日本人なら誰でも知っている事ですが、ハワイと言えばやはり海がメインの観光になるのですが、しかし、ハワイは山の観光もおすすめなんです。
ハワイ諸島は太平洋の広い海に囲まれている事もあるためか空気が澄み星空が綺麗に見えることでも有名で、その中でもハワイ島にある標高の高い山「マウナ・ケア山」から見る星空は、この世のモノとは思えないくらい美しく絶景の星空が楽しめると聞きます。
しかも、マウナ・ケアには観光ツアーもしっかりと組まれており、観光客が気軽に訪れることが出来る場所でもあります。
富士山より高いのにクルマで登れるマウナ・ケア山
ハワイ島にある「マウナ・ケア山」は標高約4,200メートルもあり、富士山の標高を超える高地ですが、ここは観光スポットとしても有名で山頂までクルマで登ることが出来る世界でも数少ない場所です。「Image Credit:travel/jp」
マウナ・ケア山は標高が高いということもあり、空気が薄く気候が安定しているため観光が出来る世界でも数少ないプロ級の天体観測に適した場所だとも言われており、マウナ・ケア山頂にはアメリカをはじめ、日本やイギリスなど世界各国が天文観測ため集まり大型望遠鏡施設を建設しています。
なお、日本では国立天文台がマウナ・ケア山頂に「すばる望遠鏡」を設置しており、ここにも多くの観光客が訪れています。
「Image Credit:国立天文台」
クルマで4,000メートル以上の山に登れ一般人も行けるという、このような天体観測環境は稀で、マウナ・ケア山頂は「地球上で最も宇宙に近い場所」だとも呼ばれています。
ただ、観光客が行けるマウナ・ケアへは誰でも気軽にクルマで行けるというワケではなく、環境を守るという意味で、しっかりとしたツアーが組まれていないと行けませんので注意が必要です。
●参考サイト:【ハワイ島現地オプショナルツアー】
マウナ・ケアから見るあまりにも美しい星空
高い旅費をかけて楽しみにして来た海外旅行なのに、天気に恵まれず、せっかくの観光も台無しになってしまうという経験をした人も少なくないかと思います。しかし、マウナ・ケアの星空観光は、ほぼハズレなしで楽しめます。
その理由は、標高4,000メートル以上と雲の上の世界のため、年間を通して300日も晴れた日があるそうで、よっぽど運が悪くない限り絶景の星空を眺めることが出来ます。
その絶景は、流石は地球上で最も宇宙に近い場所と言われるだけあって、宇宙がすぐそこにあるような錯覚を起こしてしまうほど、全身を包まれるような満点の星空を肉眼で楽しめます。
「Image Credit:iStock」
最新技術を駆使した高性能望遠鏡が集まるマウナ・エア
前記もしましたが、マウナ・ケアには世界各国が宇宙の観測を行うために高性能の望遠鏡を設置した大きな施設が立ち並んでいます。何故ここに、世界中から巨額を投じ宇宙を観測するために集まるのか?それは、マウナ・ケアには天体を観測するには様々な好条件が揃っているからに他ならないからです。
まず、高地なのにクルマで行けるほどアクセスが良い事。
次に、平地では気温の高い南国の楽園・ハワイである事、それに加えハワイが最新技術を揃えやすいアメリカ合衆国の一部である事が好条件になっていると言い、さらには、マウナ・ケアには一年を通して安定した北東の風が吹いているという事も世界各国から天体観測施設が集まる理由にもなっているそうです。
ちなみに、マウナ・ケアに一年を通して安定した北東の風が吹いている理由は、北太平洋に浮かぶハワイ島では海から安定した温度の風が吹き、この風が海からの湿気や地上からの塵を防いでくれ、ハイテク技術を満載した望遠鏡にはとても良い環境で観測が出来るとの事です。
そして、マウナ・ケアが宇宙を観測するのに最も適していると言われる理由として、この場所が赤道に近いという事にあります。
ハワイ島は北半球にあるのですが、北半球の天球全体を観測出来ることに加え南半球の天球のほとんどを観測する事が可能で、まさに、宇宙観測にとってマウナ・ケアは理想的な場所と言えるのです。
「Image Credit:マウナ・ケアから観測出来る天球の範囲(YouTUBEより)」
また、マウナ・ケア山頂付近は南北に渡り周囲700メートルと広く、多くの観測施設を建設するのにも向いており、1960年代から観測施設の建設が始まり、現在(2017年)では、世界11カ国、合計12箇所に観測施設が建てられています。
星空観測に最適な場所。しかし人間にとっては過酷!?
常夏の島ハワイで満点の星空を眺められるなんて最高!~と思えるかも知れませんが、マウナ・ケアがある場所は南国ハワイとは言え標高4,000メートル以上の高地です。そのため、そこは必ずしも常夏の楽園というワケではなく山頂付近の気温は0度以下にもなり、とてもハワイの平地で過ごす恰好のアロハシャツと短パンというワケには行きません。
マウナ・ケア観光に行かれる際は、防寒具を持って万全な対策を取るようにして下さい。
そして、最も重要なのが高山病対策。
マウナ・ケア山頂付近の酸素量は平地の6割ほど。そのため、高山病にかかりやすく、安易に行くと頭痛や吐き気に襲われるといいます。
ツアーに参加すると、高地に馴染むためのトレーニングも、スケジュールに組まれていると言いますので安心とは思いますが、体調に自身の無い方は、マウナ・ケア観光はあまりおすすめしません。
何より、ここに滞在できるのはは8時間までと聞いていますので、かなり過酷な場所であることは間違いないでしょう。