今や当たり前となっているGoogleマップ。パソコンやスマートフォンから地球上のどの場所でも自由に閲覧できる地図検索サービスです。
実際にその場所に行けなくてもGoogleマップを使って検索すれば、遠く離れた地をバーチャル感覚で散策する事が可能になる便利なサービスなんですが、このGoogleマップの宇宙版と呼べそうな3Dマップがまもなく完成するそうなんです。

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最新の宇宙望遠鏡の活躍で可能になった史上最大宇宙地図

Googleマップは世界中の様々な場所を閲覧する事が出来、実際にその場所に行く旅も出来ます。しかし、宇宙はそうはいかず、今はまだ宇宙旅行なんて夢のまた夢で、言わば”近場”である月ですら満足に行く事など出来ません。
しかし、実際には行けなくてもGoogleマップで使える機能のように、情報さえあればバーチャルの世界なら宇宙旅行も可能かも知れません。
その情報を提供してくれたのが、欧州宇宙機関(ESA)が主導して開発し、2023年7月に打ち上げられた「ユークリッド宇宙望遠鏡」です。

「Copyright ©:European Space Agency, ESA All rights reserved.」
ユークリッド宇宙望遠鏡は、暗黒エネルギー(ダークエネルギー)や暗黒物質(ダークマター)の謎に迫り解明する事を主な任務として開発された宇宙望遠鏡ですが、他にも最新の観測機器を駆使して正確な宇宙の3Dマップを作成する事もミッションの1つとなっています。
そして今、その3Dマップを作製中であり、ESAはこのほど作製中の宇宙3Dマップの一部を公開してくれました。
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1400万光年の宇宙まで見通せる史上最大宇宙地図

このほどESAが公開したのは、ユークリッド宇宙望遠鏡により撮影し送られて来たデータのほんの一部。それでもそのデータ量は208ギガピクセルもあり、そこには南天の空の満月の500倍のエリアをカバーした、1400万光年範囲の宇宙が含まれていると言います。その全体像がコレ↓↓

「Image Credit:ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay」
全体像と言っても、今回ESAが公開したのは上画像↑↑にある赤丸部分のみ。現時点(2024年10月)ではまだ作製中のため、公開出来たのはユーグリッドが調査した宇宙領域のわずか1%に過ぎないそうです。

1400万光年先の宇宙空間をバーチャルで見てみたらスゴイらしい


では、実際に”Googleマップの宇宙版”(※Googleが提供しているワケではありません。)とも言える3D宇宙マップを使ってみたらどんな感じなのでしょうか?


「Copyright ©:European Space Agency, ESA All rights reserved.」
上動画↑↑を観ると、だいたいどんな感じで拡大出来るのか?がわかるか?と思いますが、実際、1400万光年範囲の宇宙を拡大したらどこまで見えるのかを少しわかりやすく解説します。
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  • まず、上画像↑↑の赤丸箇所を拡大した画像がこちら↓↓

    「Image Credit:ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay」
    この画像の赤丸部分を徐々に拡大して行きます。
  • 赤丸部分をズームしたら、右側に銀河団Abell3381が見えて来ます。

    「Image Credit:ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay」
  • Abell3381の左側の銀河団をズームすると、銀河がより鮮明に見えて来ます。

    「Image Credit:ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay」
    なお、画像中心部に見える銀河は、地球から約420万光年離れた場所にあるそうです。
  • そして最大600倍までズームすると、渦巻銀河のスパイラルアームまで鮮明に見えるようなります。

    「Image Credit:ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay」
何度も解説しますが、今回公開されたのは今後調査し公開する予定の1%で、今もユーグリッドからは日々、100ギガバイトものデータが地球に送られて来ており、そのデータをもとにさらに地図を拡大作製しており、現時点では地図作成のためのユークリッド調査は12%が終了しているそうです。
なお、この公開地図はESAの公式サイトから閲覧できるとの事。1400万光年範囲で見れる史上最大宇宙地図の完成が待ち遠しいですね。
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