毎日、必ず昇り地上を明るく照らし、そして沈んで行く「太陽」。
地球に住む私たちにとって太陽が昇り沈んで行く事は、当たり前の事でありおそらくはほとんど気にする人もいないでしょう。
しかし、気にしないが故に、そのほとんどは太陽がどんな天体ななのか知らないと思いますが、それでも太陽が私たちにとってかけがえのない存在である事は誰もが理解している事ではないでしょうか?
ここでは、大切な存在だという事はわかってはいても良くは知らないという「太陽」について、ウンチク的な話にもなりますが解説して行きたいと思います。
太陽は燃えているワケではない!
まずは、そもそも的な解説にはなりますが、頭上に輝く太陽を見て「燦々と燃える太陽!」と表現する事があるかと思います。「Image Credit:日立キッズ」
上↑↑画像を見ても、確かに太陽は光輝きそして燃えているようにしか見えません。がしかし太陽は燃えているワケではないのです。
だとしたら、あの燃えているように見え、私たちが太陽から受け取る光や熱の正体は何なのでしょうか?
太陽は巨大なガスの塊で形成されており、その集まったガスの密度は凄まじく、とてつもない圧力で強大な重力が発生しています。
その超密度と圧力で、太陽の中心部では物質(水素元素)による激しい衝突が起き、それが融合するという「核融合反応」が発生し、より重い物質(ヘリウム元素)が形成される事で巨大なエネルギーが生み出され、その一部が光や熱となって放出される事で太陽は燃えているように見えているのです。
「Image Credit:核融合のイメージ図(Wikipediaより)」
太陽から放出される光や熱は遥か昔につくられたエネルギー
太陽と地球の距離は約1億5,000万キロ(1AU)あり、太陽から放たれた光が地球に届くまでは約8分の時間を要します。つまり、私たちが今見ている太陽は8分前の姿という事になるのですが、実は太陽でつくられたエネルギーが地球に届くにはもっともっと遥かに永い時間を要しているのです。
その永い時間とはズバリ約17万年です。
「Image Credit:TEd-Ed」
太陽中心部での核融合でつくられたエネルギーが17万年もかかってしまう原因は、太陽内部の凄まじい高密度によるもので電離した水素(陽子)と衝突してエネルギーの進行方向が妨げられる事にあります。
この詳細については、詳しく解説した動画がありますのでコチラ↓↓を参照していただければと思います。
太陽系はほぼ太陽で出来ている!
太陽系は太陽を中心に地球を含む8つの惑星と、惑星が従える衛星、さらには準惑星や小惑星、彗星その他無数の小天体等で形成されており、言わば太陽系は数多くの天体でつくられた集団と言っても過言ではないでしょう。しかし、それだけ多くの天体が集まった太陽系も全質量の99.86%を太陽が占めており、太陽質量の約75%が水素、約25%がヘリウムが占めており他の物質は0.1%ほどと、太陽系はほぼ太陽で形成されている事になるのです。
「Image Credit:iStock」
なお、太陽が太陽系全質量の99.86%を占めているのであれば残りは0.14%しかない事になるのですが、その残りの99%を木星、土星、天王星、海王星の4つの巨大惑星が占めており、地球や火星等の天体全てを合わせても全体質量の0.002%にも満たないのです。
【太陽系全質量0.14%を100%にした場合における惑星が占める割合】
「Image Credit:Wikipedia」
太陽系の中心は太陽じゃなかった!
前述で「太陽系は太陽を中心」と解説しましたが、実はそれも正確ではなく太陽は太陽系の中心ではないのです。おそらく、ほとんどの人は太陽は太陽系の中心にあり、その周りを地球や木星等の惑星やその他の天体が公転していると考えていると思います。
ですが、中心にあるハズの太陽もまた太陽系のある一点を中心にして公転している事がわかっています。
では、巨大な存在である太陽でさえも公転させているモノは何なのでしょうか?
実は、太陽系の中心には重力が固定されている「質量重心(共通重心)」が存在しており、この重心がある事で物体(天体)が完全にバランスを取れ、その物体の質量がすべての方向に均等に分布出来る中心点の事を指し、太陽もこの質量重心を中心に公転しているのです。
動画でも解説がありますが、この質量重心をつくり出しているモノは太陽に比べるとその質量差こそ大きいですが、木星や土星といった巨大ガス惑星の重力的な影響だと考えられています。
以上が、今回の太陽のウンチク解説でしたが、太陽についてあまり知られていない事は他にもたくさんあります。
ですが、これ以上の解説になるとかなり長くなってしまいますので、この4つを押さえておけば今後においても役に立つ材料になるのではないでしょうか?