ハワイ島にある、日本が誇る国立天文台観測所の大型光学赤外線望遠鏡「すばる望遠鏡」
世界的にも有名なこの望遠鏡は、これまで様々な宇宙観測、そして数々の発見がなされて来ました。

また「すばる望遠鏡」があるのは常夏のハワイ。ご承知のとおり、ハワイは日本人の海外旅行の定番ですので、ここもまた旅行の観光スポットとして見学ツアーに行けるとのことです。
ここでは見学出来る「すばる望遠鏡」がどんな望遠鏡なのか?また、見学に行くにはどうすれば良いのか?などについて調べてみました。

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すばる望遠鏡とは?

日本が天文学を研究する研究所・大学共同利用機関施設として建造した「国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡」。
すばる望遠鏡は、ハワイ島にある標高4,205メートルのマウナ・ケア山山頂付近に設置されており、総工費は約400億円。1999年から観測運用が始まった比較的新しい観測施設です。

「Image Credit:すばる望遠鏡
ですが何故、国立天文台は国内でなくアメリカのハワイ島に、しかも標高4,000メートル以上の高地に「すばる望遠鏡」施設を建設したのでしょうか?

すばる望遠鏡がハワイに造られた理由

マウナ・ケア山の山頂は、天体観測に邪魔な街明かり等の人工光も届きません。

「Image Credit:iStock」
また、年間を通して80%以上の確率で晴天に恵まれるという好条件。

「Image Credit:iStock」
さらには、ハワイが低緯度にあるため、北半球と南半球の両方の星空を観測出来るという3つ利点から、この場所が、地球上で最も天体観測に適した場所だと言われており、日本だけではなくアメリカをはじめ、世界11ヶ国の国立研究機関が合計13基の天文台を設置しています。

「Image Credit:Google Map」

すばる望遠鏡の性能

すばる望遠鏡の主鏡は直径8.2メートルで、建設当時、反射望遠鏡としては世界最大でしたが、その後アメリカ・グラハム山国際天文台の「大双眼望遠鏡 (LBT)」の口径11.9メートルなどに抜かれてしまいましたが、世界最大級の反射望遠鏡であることは間違いありません。

「Image Credit:すばる望遠鏡
この望遠鏡の性能で最近話題になったのが、最先端技術を用いた超広視野主焦点カメラが搭載したことで、これまで部分的にしか撮影し貼り合わせることでしか全体像を見ることが出来なかったアンドロメダ銀河を、一度に鮮明な画像で撮影出来るようになった事や、宇宙誕生から間もない頃の銀河(約129億光年)の発見するなど、望遠鏡やカメラの性能が世界トップクラスであることを証明しています。
●参考サイト:【すばる望遠鏡】
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すばる望遠鏡は旅行ツアーで見学出来る!?

標高4,200メートルという富士山よりも高い場所にある「すばる望遠鏡」ですが、一般の旅行客でも無料で見学が出来るそうです。
但し、これだけ標高が高いので、空気が薄く地上の60%程度しかありません。
よって、見学に行かれる際は、人体にとってはあまり良くない環境であることをしっかりと意識する必要があります。
●参考サイト:【マウナケア夕日と星空ツアー】

どうやって「すばる望遠鏡」まで行くの?

富士山よりも高い場所にある「すばる望遠鏡」。
やはり、徒歩による登山で行くのか?と思ってしまうかも知れませんが、実は「すばる望遠鏡」までは道が整備されており、ツアーで行くとクルマで山頂まで連れて行ってくれるそうです。

「Image Credit:iStock」
ただ、クルマで一気に登ってしまうと高山病にかかってしまう可能性があるため、高地順応をするために休憩をはさみながら、3時間ほどかけてゆっくりと山頂を目指します。
また、ツアーで行かなくても4輪駆動のオフロード車があれば個人でも行くことは可能とのことです。

気になるツアー料金は?

「すばる望遠鏡」自体の見学は無料ですが、そこまで行くのに旅行会社に頼んで行くので、それなりのツアー料金がかかります。
料金は1名につき170ドル~。日本円で2万円くらいからだと思っていただくとよいでしょう。
ちなみにツアー料金内訳は、送迎代、マウナケア入山料、弁当代、おやつ、飲料など。

すばる望遠鏡見学の注意点

普通の見学ツアー感覚で「すばる望遠鏡」まで行けるワケではありません。
そこは一般人が一生に一度行くか行かないか?の高地です。そのため注意点がありますので確認しておいた方が良いでしょう。

家族旅行には不向き?

標高4,000メートル超の場所にある「すばる望遠鏡」。当然ながら過酷な環境のため、誰でも行けると言うワケではなく健康な人しか見学することは出来ません。
見学出来る条件として健康に不安のある方(高血圧、呼吸器系疾患のある方等)や妊娠中の方、高齢者(86歳以上)等は見学出来ない事と、また心肺機能が成熟していない未成年(12歳未満)は見学不可のようですので、家族旅行には向かないかも知れません。

「Image Credit:いらすとや」

防寒対策はしっかりと!

「すばる望遠鏡」があるのは高地です。
そのため、常夏のハワイと言えどそこまで行くとかなり寒く、また施設の中も望遠鏡の性能を維持するため摂氏0度に温度が保たれています。
つまり、ハワイはハワイでもそこは別世界ということです。
防寒対策はしっかりしましょう。
但し、ツアーで行く場合は料金の中に防寒グッズのレンタル代が含まれています。

マウナケア山は聖地!

「すばる望遠鏡」があるマウナケアは、現地の人達にとって神聖な場所”聖地”です。
そのためこの山の本当の山頂標高4,205メートル地点は、ハワイアンの方々にとって神聖な地として崇められています。
観光で行けるマウナケア山頂ですが、普通の観光地でないことを意識して、現地の方々に敬意を祓う必要があります。

マウナケア山頂から見る夜空は絶景

すばる望遠鏡があるマウナケアは世界一と言えるほど天体観測に最適の場所です。
当然メインとなるのは日本が誇る最新鋭の望遠鏡の見学ですが、やはり行くからには星空が眺められる夜間に行くべきです。

「Image Credit:GMO
別名「宇宙に一番近い場所」とまで呼ばれる、すばる望遠鏡のあるハワイ・マウナケア山頂。
4,000メートルの高地ですので天気に邪魔されず、澄んだ空気のもと最高の星空が堪能できることでしょう。
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