木星のガリレオ衛星のひとつ「エウロパ」は科学者たちがとても興味を持っている星です。
その理由は、エウロパには生命が存在する可能性があるからであって、今後の探査・調査に興味が注がれています。
氷に覆われた極寒の星であるエウロパに何故生命存在の可能性があるのか?その理由と、もし生命がいたらどんな生物なのか等について調べてみました。

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木星の衛星「エウロパ」の基本データ

エウロパは、木星のガリレオ衛星ではイオに続き、木星から2番目に近い距離を公転している衛星ですが、実際には6番目の軌道上にある天体です。
エウロパの特徴は星全体を厚くて固い氷に覆われていて、その厚さは数キロもあると考えられています。
  • 「直径」3,130キロ
  • 「木星からの平均距離」671,100キロ
  • 「公転周期」3.5日
  • 「自転周期」公転と同期の3.5日
  • 「表面重力」平均マイナス170度

「Image Credit:Wikipedia」
このようにエウロパは、月よりひと回り小さい衛星です。

エウロパに生命の存在が期待される理由

前記の基本データをご覧いただいても、エウロパの地表の表面温度は生命が存在出来る限界温度を遥かに下回るマイナス170度です。
つまり、太陽から7億キロ以上離れている木星の軌道上では、とても地球のような気温を維持することなんて出来ません。
そのためエウロパは厚い氷で覆われているのです。
しかし、その厚い氷が生命存在の可能性を期待させる要因となっています。
これまでのエウロパの調査で、木星の強力な潮汐力の作用によりエウロパ内部に熱が発生し、厚い氷の下には熱で溶けた氷の海が広がっている可能性が高いと考えられています。
エウロパで水の海があるのであれば光の届かない暗い海ですが、水性の生物が存在するかも知れない。
そんな期待が寄せられているのです。

「Copyright ©:NASA All rights reserved.」
ただ、その生物の存在を確認するには厚さ数キロの氷の砕いて、海まで到達しないと行けません。
残念ながら現在の科学技術では、エウロパ内部を調べる手段がないのです。

エウロパに生命探査計画

現在の技術ではエウロパの生命探査は厳しいですが、将来的には本格的にエウロパ内部を調べる計画があります。
それは実際に計画が進行中でシュミレーションも行われているとの事。
2030年~2040年頃の計画実行に向けて準備を進めているそうです。


「Copyright©:MasakhaneSA All rights reserved.」
果たして計画は無事実行出来てエウロパに生命の存在を確認出来るのでしょうか。

エウロパ以外にも生命の存在が期待される太陽系の星たち

これまでの太陽系の調査で、地球のように地上に生命の存在が確認出来る星は見つかっていませんが、エウロパのように星の内部になら生命がいる可能性がある星はいくつか存在します。
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火星

まずは、火星。
この惑星には、薄い大気があるため昔から生命の存在が期待されてきましたが、これまでの調査結果ではとても地上に生命は住める場所はありません。
しかし、近年の調査で地下に水脈が存在する可能性が出て来ましたので、もしかしたら、その水脈に流れる水の中に生命がいるかも知れません。

土星の衛星「タイタン」

土星の衛星・タイタンには地球の1.5倍にも当たる気圧の厚い大気があるとされ、生命の期待があったのですが、そもそも太陽から遠く離れた土星の衛星に生命が存在しうる気温を維持出来るかが疑問で、さらにタイタンの大気を構成する成分が窒素とメタンであることから、生命存在には適さないと考えられています。

土星の衛星「エンケラドゥス」

こちらも極寒の星・土星にある衛星・エンケラドゥス。
しかし、最新の調査ではこのエンケラドゥスに最も生命の存在が期待出来ると考えらていて、科学者の中にはこの星に生命がいることを確信している人もいるほど。
エンケラドゥスもエウロパ同様、星の表面を厚い氷に覆われており、氷の下に水の海が存在し、そこに生命が存在する可能性が十分あるとのことです。

以上、エウロパには今後、詳しい探査が行われるとのことですので、その期待度はとても大きいと思われます。
ただ、もし生命の存在が確認出来たとしても、地球の人類のように知的生命体がいるワケではなく、たぶん存在の可能性があるのは原始的な生命体ではないかと考えられています。
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