火星の地表に降り立った無人探査機で有名なNASAの「キュリオシティ」。
キュリオシティは、地球からの遠隔操作で火星の地表を自由に動き回われる探査ローバーです。
そんなキュリオシティが火星の地表を探査し始めてからこれまでの間に、同機が撮影して来た火星の風景をグーグルがまとめ、webコンテンツとして一般に無料で公開している「Access Mars」が話題になっています。

Sponsored Link

キュリオシティが見た火星世界を疑似体験できる「Access Mars」

火星探査ローバー「キュリオシティ(Curiosity)」は火星の地表を自由に動き回れる車輪があり、全長3メートル、重量900キロと小型乗用車並みの大きさがある探査車で、2012年8月から火星の地表を探査しています。
かなり重量のあるキュリオシティですが、火星の重力は地球の3分の1ほどしかない事もあり火星地表での実際の重さは300キロほどだと言います。

「Image Credit:Wikipedia」
2012年から10年以上に渡り火星で活動を続けているキュリオシティ。途中、いくつかのトラブル(不具合)を起こしながらも、何とか無事に探査を続けています。
そんなキュリオシティはこれまでの探査で火星の様々な表情を撮影しており、これらのデータをGoogleが編集しWebVRで3D化した仮想の火星を探検するサイトAccess Marsを公開しています。

「Image Credit:Access Marsトップページより」
このコンテンツはGoogleが運営しているブラウザ「Google Chrome」でのみ閲覧できるモノで、キュリオシティから地球に送られて来た画像データを「WebVR」を使用し3Dモデル化。
さらに「Google Cardboard」も利用すれば3D感もよりリアルなモノになります。
Google Cardboard(グーグル・カードボード)3Dメガネ
ちなみに「Access Mars」はPCでの利用はもちろんの事、スマートフォンでも利用できます。

Access Marsの使い方

Access Marsは、英語表記のため使いづらい印象もありますが基本的に使い方は簡単で、キュリオシティが見た火星の場面をクリック(タップ)することで、その場面が拡大表示され音声での解説が聞ける(英語)ようになっています。

「Copyright ©:NASA Jet Propulsion Laboratory All rights reserved.」
なお、Access Marsで公開されている画像データは、キュリオシティが活動している限り随時アップデート(更新)して行くとのことですので、このコンテンツを使っていればもしかしたら新しい火星の情報が入ってくるかも知れません。
Sponsored Link

そもそもキュリオシティは火星のどこにいるの?

火星の地表を探査している探査ローバー・キュリオシティって、そもそも火星のどこで活動しているのでしょうか?

現在キュリオシティが探査を行っている場所は、火星のエリシウム平原の低地の端付近(南緯5.2度 東経137.3度)にある直径154キロもあるゲールクレーターの中で、火星の赤道に近い高さ3マイル、直径96マイルの山の麓で活動しています。

「Image Credit:NASA」
もちろんキュリオシティは探査ローバーですので、現地点だけに留まらず1日あたり200メートルほどの移動を繰り返しながら探査を行っており、私たちは地球に居ながらにしてキュリオシティが火星の地表を移動して撮影して来た画像を、可能な限り閲覧し宇宙飛行士になった気分で探検出来ることになります。

キュリオシティの探査目的と成果

探査ローバー・キュリオシティは、アメリカ航空宇宙局 (NASA)が火星探査ミッションで行っている「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」に搭載された探査車です。
キュリオシティが着陸したゲールクレーターは火星の低地にあり、この低地にはかつて水が存在した可能性があり水によって堆積した物質が豊富にあるのではないか?と期待されてこの地に降り立ちました。

もちろん、かつて水があった証拠があれば、生物の痕跡も期待されるワケで、これらを詳しく調査するためキュリオシティは移動しながら装備されたカメラでの撮影やロボットアーム、掘削ドリル、スコップなどを使って試料採集し、分析装置で調査を行っています。

「Image Credit:NASA/JPL-Caltech」
そんなキュリオシティが、これまで火星地表行った探査で判明した成果はいくつもあり火星の謎を解明する上で大きな貢献をしています。
『キュリオシティの成果』
  • かつての火星は生命生存が可能な環境だった。
    約35〜40億年の火星は、厚い大気で覆われ水も豊富にあり、温暖湿潤な気候があり、生命が生息するには十分な環境が揃っていた。
  • 過去に川が流れていた痕跡を発見。
    低地であるゲールクレーターに、かつて水が流れていたと思われる川床が発見される。
  • 生命の痕跡を発見?
    残念ながら、現時点において火星に明確な生命の痕跡は発見されていませんが、
    キュリオシティは生命につながるかも知れない、有機化合物(6種類)を分析装置で特定しています。
  • 火星の土壌は汚染されている。
    将来、人類の火星移住が計画されていますが、キュリオシティの調査でその移住計画に赤信号が?!
    火星には磁場がないため、そのため太陽からの放射線を防ぐことが出来ず、火星の地表からは、人類が生活するには非常に危険なレベルの放射線量が検出されています。
他、火山活動にようるものと思われる鉱物の発見や、地下に水が存在する可能性などいくつもの発見をしています。
そのようなキュリオシティがもたらした発見の数々も「Access Mars」では知ることが出来るらしく、このコンテンツの登場により今後も火星の新しい発見をよりリアルに体験できるかも知れません。
Sponsored Link