もし史上最大規模の太陽フレアが発生したら地球への影響はどうなるのでしょうか?
実際、最大と言われるXクラス太陽フレアが発生したことでメディアでも大きく取り上げられ、人々の不安を煽るような報道がされています。
最大規模の太陽フレアが起こると、メディアが報じているような被害が地球で起きるのでしょうか?

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2017年9月6日。約11年ぶりという大規模な太陽フレアが発生。

「Image Credit:NASA」
このニュースはメディアが一斉に報道しており、地球上の電子機器、GPSや様々なインフラに影響が出る可能性あるとして注意喚起を行いましたが、幸いな事にそれほど大きな事態になることなく、何とか収束を向かえました。
ですが素人的な疑問にはなりますが、何故、遠く離れた太陽で起こった出来事が地球に影響を与えるのでしょうか?
不思議に思った人も、少なくはなかったのではないでしょうか?

日常的に発生している太陽表面爆発~太陽フレア

↑上の画像を見ておわかりの通り、太陽を捉えた写真の右下(南半球)側で、閃光が走っているのが確認できます。
これが太陽フレアという現象で太陽表面で起こった爆発です。

太陽表面付近では強い磁力線が複雑に走っており、その一部にエネルギーが溜まることで飛び出してしまい、その磁力線が飛び出した場所がいわゆる「黒点」と呼ばれるモノで、黒点の場所が周りの温度より若干低いことから黒く見えています。

「Image Credit:太陽表面に飛び出した磁力線イメージ図(YouTUBEより)」
そんなエネルギーが溜まった場所が太陽の強力な圧力に耐えられなくなり磁力線が断裂。その衝撃により爆発現象が起こってしまいます。
その現象が太陽フレア(太陽表面爆発)で、爆発の威力は水爆の10万~1億倍と推測されています。

「Copyright ©:NASA Goddard All rights reserved.」
実は、この太陽フレアは珍しい現象ではなく日常的に起こっており、小規模なモノだと活動期はほぼ毎日のように発生しています。
しかし、今回メディアでも大きく取り上げられた太陽フレアは、日常的に起こる爆発より1000倍以上の規模があるとされ、このクラスの大規模太陽フレアは2006年12月に観測されて以来11年ぶりとの事です。
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大規模太陽フレアで起きる地球への影響

太陽フレアは、爆発時に放出されるx線の強度によってランク付けされ、強度が弱い方からX⇒B⇒C⇒M⇒Xに分類されます。
そんな2017年の太陽フレアの強度はXクラスという最強強度。
そのため地球への大きな影響が懸念されていましたが、オーロラが広い地域で観測されたことや、GPSに狂いが起きたこと以外人工衛星や通信障害等、特に被害の報告は挙がっていません。

結果として被害が少なかったことは喜ばしいことですが、Xクラスの太陽フレアが起こっても地球に影響はあまりない!と断言する事は非常に危険です。
あくまでも今回は幸運だったと判断すべきで、もし最悪な事態が起こった場合は、電子機器の障害や大規模停電他、現代の文明に不可欠なインフラに大きな影響が出てしまい大参事になってしまう可能性もあります。

「Image Credit:太陽フレアの影響?南極昭和基地で観測されたオーロラ(情報通信研究機構より)」
ちなみに、この時期、某国のミサイル発射が懸念されていましたが、結局ミサイルの発射はありませんでした。
その原因は、太陽フレアが発生したことで断念した!?という話もありましたが真偽は定かではありません。

Xクラス級の太陽フレアで観測された圧巻のオーロラ

幸いなことに地球には大きな被害が出なかった2017年9月の大規模太陽フレア。
そんな中、世界各地では普段では観られないような圧巻のオーロラが観測されて話題になっています。

例えば、9月8日ノルウェーのトムロソで観測されたオーロラ。

「Image Credit:https://vk.com/
さらには、低緯度の地域でもオーロラが観測されています。

写真はアメリカ・マサチューセッツ州ケープコッドで観測されたオーロラ。

「Image Credit:http://spaceweathergallery.com/
低緯度オローラと言えば、北海道でもオーロラが観測されることが期待されていましたが、残念ながら今回は観測することが出来なかったようです。
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