日本のJAXAが開発・運用している期待の小惑星探査機「はやぶさ2」
これまで大きなトラブルもなく、小惑星リュウグウでのサンプル採取にも大成功を収め、帰還の途にある同探査機の地球到着日が決定。
2020年12日6日に地球に帰って来る事になりました。
果たして「はやぶさ2」は無事に地球に帰還出来るのでしょうか?
どんな方法で大気圏再突入をするのか?そして成功したとは言ってもサンプルは本当に帰還カプセルに入っているのでしょうか?

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これまでの「はやぶさ2」のミッションを振り返る

小惑星探査機「はやぶさ2」のミッションについては、様々なメディア等で紹介されているので説明は不要のような気もしますが、今一度、この探査機のミッションを簡単ではありますが振り返ってみたいと思います。
  • 打ち上げ:2014年12月3日
    13時22分・鹿児島県種子島宇宙センターからH-IIAロケット26号機によって打ち上げられました。

    「Image Credit:はやぶさ2の打ち上げ成功シーン(YouTUBEより)」
    打ち上げ成功後、はやぶさ2はイオンエンジンに点火。地球の公転軌道に近い航路を取り太陽を周回する飛行に入ります。
  • 地球スインバイ:2015年12月3日
    約1年かけて太陽を1周した「はやぶさ2」は、2015年12月3日に再び地球に接近し地球の引力を利用した軌道制御(スインバイ)を実施。
    これにより小惑星リュウグウ(1999 JU3)に向かう軌道に無事に乗る事に成功します。
  • 小惑星リュウグウ到着:2018年6月27日
    打ち上げから1,302日。日本時間の2018年6月27日午前9時35分に、小惑星リュウグウ上空約20キロ地点に到着。

    「Image Credit:岩塊に覆われた小惑星リュウグウの表面(JAXAはやぶさ2プロジェクトより)」
    この時、地球との距離は約3億キロ離れていました。
  • 観測&タッチダウン・リハーサル:2018年7月~2019年1月
    「はやぶさ2」はリュウグウ上空を周回しながら観測及び、来るべきタッチダウン運用に向けて入念なリハーサルを行います。
  • 小型ローバー分離・着地:2018年9月21日
    「はやぶさ2」から分離された小型ローバーMINERVA-Ⅱ1が小惑星リュウグウ表面に着地。
    MINERVA-Ⅱ1はRover-1AとRover-1Bの2機から構成されており、地表を飛び跳ねる自律移動型(内部のモーターの力で最大15分ジャンプ可能)。小惑星表面で移動探査をした世界初の人工物となりました。
  • 1回目タッチダウン成功:2019年2月22日
    この日、はじめてのリュウグウ接地(タッチダウン)ミッションにチャレンジし、小惑星表面のサンプル採取を実施。見事に成功しました。

    「Image Credit:タッチダウン直後の画像~リュウグウの地表に「はやぶさ2」の影が写っています。(JAXAより)」
  • 人工クレーター作成に成功:2019年4月25日
    1回目のタッチダウンで小惑星表面のサンプル採取を行いましたが、小惑星内部の試料を採取するため世界初の試みである人工クレーター作成にチャレンジ。
    「はやぶさ2」から分離された衝突装置を使って地表に向け金属球を発射。これにより、小惑星に直径10メートル程の人工クレーターを作成する事に成功しました。

    「Image Credit:金属球衝突の衝撃で作成された人工クレーター(JAXAより)」
    ちなみに、人類史上初の人工クレーターの名前は「おむすびころりん」との事。
  • ターゲットマーカー投下:2019年5月30日
    2回目のタッチダウンのため、「はやぶさ2」が降下する地点の目印となるターゲットマーカーを投下。ターゲットマーカーは目標地点からわずか3メートル離れた場所に接地されました。
  • 2回目タッチダウン成功:2019年7月11日
    「はやぶさ2」最大のミッション。作成した人工クレーター内にタッチダウン。着地の精度はわずか60センチの誤差で見事に内部サンプルを採取する事に成功。このとき0.1グラム程のサンプルを採取したとみられます。
    ● 参考動画:【2回目タッチダウン成功時の映像】
  • ミッション終了小惑星リュウグウ離脱:2019年11月13日
    最大ミッションである2回目のタッチダウン成功後も、リュウグウ上空を周回しながら様々なミッションを実施。
    ミッションを終了した「はやぶさ2」は地球に向けて帰還フェーズに入ります。
以上のミッションをまとめたCG動画は、「はやぶさ2」が地球を出発する前にJAXAが作成。ほぼ、スケジュール通りのミッションを遂行し地球帰還しています。


「Copyright ©:JAXA宇宙航空研究開発機構 All rights reserved.」

2020年12月6日「はやぶさ2」地球帰還

正確に言えば「はやぶさ2」が地球に帰還するのは、同機から分離された大気圏突入用カプセルのみです。
2020年12月6日。地球低軌道上空に到達した「はやぶさ2」は、小惑星リュウグウで採取したサンプルの入ったカプセルを、落下地点のウーメラ砂漠(オーストラリア南部)に投下します。

「Image Credit:はやぶさ2と大気圏に突入するカプセルの想像図(JAXAより)」
カプセル回収については、オーストラリア政府とNASAの支援を受けて行うとの事ですが、2020年は新型コロナウイルス感染のリスクもあるため、回収作業は慎重に行われるとの事。
このカプセルには、合計2回に渡るタッチダウン・ミッションで採取されたサンプルが入っているハズです。
そして、カプセル投下の成功を見届ける間もなく「はやぶさ2」は次の小惑星探査に向かいます。
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「はやぶさ2」次のミッションは?

前回の初号機「はやぶさ」は、探査機本体ごと大気圏に突入しその任務を終えましたが、二号機の「はやぶさ2」の任務はまだまだ終わりません。

「Image Credit:初号機「はやぶさ」の大気圏突入の様子(Wikipediaより)」
カプセル投下後の「はやぶさ2」。現時点(2020年7月)での次の探査目標は決定しておらずJAXAは検討中との事で、探査目標が決まり次第その天体に向けてエンジンを噴射、及び軌道修正の地球フライバイを行う予定。

では次の目標はどこなのでしょうか?
それは燃料、電力の残量。そして探査機としての「はやぶさ2」の構造上、次に向かう天体も小惑星(地球近傍小惑星)となる見込みだそうです。

ただ次の目標天体の探査は2030年頃となっており、また、リュウグウのように「行きたい小惑星」ではなく、「行ける小惑星」になる可能性が高く、それでも可能ならばタッチダウン・ミッションも行うかも知れません。
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