※ 小惑星探査機「はやぶさ2」は2020年12月に無事地球に帰還しました。
小惑星探査機「はやぶさ2」は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が開発運用している無人宇宙探査機です。
日本中、いや人類の期待を背負い2014年12月3日に打ち上げられた「はやぶさ2」ですが、今、どこを飛んでいるのか?の現在地と「はやぶさ2」の目的地・小惑星「リュウグウ」とは、いったいどんな星なのか?少し調べてみました。

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小惑星探査機「はやぶさ2」のミッション概要

小惑星探査機「はやぶさ2」は、宇宙のことに興味がなく知らない人でも知っているというほど有名になった小惑星探査機「はやぶさ」の2号機です。
「はやぶさ」のミッションは簡単に言うと、目的地の小惑星に着陸し、その星のサンプルを採取し再び地球に戻ってくること。
初号機の「はやぶさ」は、数々の困難を乗り越えながらも奇跡的に地球に帰還し、世界中で感動を呼び大きな話題になり、映画も何作も制作されるほど注目を浴びました。
何より「はやぶさ」の帰還・ミッションの成功は人類初の快挙であり、この成功により日本の宇宙探査技術は見直され、今後に期待も寄せられることとなりました。

「Copyright ©:JAXA | 宇宙航空研究開発機構 All rights reserved.」
初号機「はやぶさ」の目的は小惑星に行き、サンプルを持ち帰ることでしたが、2号機「はやぶさ2」の目的はただサンプルを地球に持ち帰るのが目的とは違い、有機物質や水を保有していると考えられる小惑星に行き、そのサンプルを採取する事。
そのため「はやぶさ2」は小惑星の表面の物質を採取するのではなく、太陽光線などで影響されていないであろう、小惑星の地下に眠る有機物質などが含まれる可能性が高い物質を採取し、地球に持ち帰ることが今回の探査に課せられた大きなミッションであります。
もし、このミッションに成功すれば、太陽系の起源や地球に生命が誕生した謎の解明に近づける、研究材料が確保出来ると言います。
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「はやぶさ2」の目的地の小惑星とは?

小惑星探査機「はやぶさ2」が向かっている小惑星は1999JU3といい、「はやぶさ2」打ち上げ成功後に一般公募から小惑星「リュウグウ」と名前が付けられました。
「はやぶさ2」は小惑星「リュウグウ」まで、遥か60億キロの旅をして目的地に到着するとされているため「リュウグウ」がとても遠い場所にある小惑星と思われがちですが、実際の「リュウグウ」は地球に非常に近い軌道を公転する”地球近傍小惑星”で、地球の公転軌道もかすめる軌道で太陽の周りを周っている小惑星です。

「Image Credit:地球と小惑星リュウグウの公転軌道(AstroArtsより)」
小惑星「リュウグウ」の大きさは直径900メートルほどと非常に小さく、とても市販の望遠鏡などで観測出来る天体ではありません。
「はやぶさ2」がこの小さな天体を目指す理由は、生命の起源となる有機物質や水分が含まれている可能性が高いからであって、この星のサンプルが手に入れば非常に科学的意味があるものとと期待出来るからです。

「Copyright ©:JAXA | 宇宙航空研究開発機構 All rights reserved.」

「リュウグウ」は地球に近いのに何故「はやぶさ2」は3年半も宇宙を旅をするのか?

地球に近い場所にある「リュウグウ」に、何故「はやぶさ2」は3年半もかけて60億キロの宇宙の旅をしないといけないのか?
その理由は約900メートルという小さな天体「リュウグウ」に近づくまでに、何度も加速し軌道を調整するために何度も太陽の周りを廻りながら少し筒目的地に近づくため、結果的に60億キロを飛ばないと「リュウグウ」にたどり着けないないからです。
また「はやぶさ2」には余分な燃料も積んでいないため、自力で加速するのも難しく、地球の重力を利用して加速(スイングバイ)したりしながら目的地に少しずつ接近して行きます。
つまりこれは、いかに探査機を小天体に送るのが難しいかを物語っており、ここも日本の技術力が試されるところでもあります。

「はやぶさ2」の現在地は

2014年12月に打ち上げられた「はやぶさ2」ですので、かなり地球から離れて遠い場所に行ってしまっていると思いがちですが、現在も地球の近くを飛びながら少しずつ軌道を調整しながら小惑星「リュウグウ」に近づいています。
また「はやぶさ2」は軌道修正と加速を行うため、2015年12月に地球の重力を利用したスイングバイを行うため、地球に約3,100キロの距離まで近づきました。
このように「はやぶさ2」は、地球に隣接しながらも60億キロの旅を続け2018年夏の「リュウグウ」着陸を目指しています。
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