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はやぶさ2帰還までの軌跡とその後の拡張ミッション等総集編

日本(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」。

2020年12月6日未明。予定通り小惑星・リュウグウで採取したサンプルを地球大気圏に投下。

そのカプセルも無事に回収されミッションは大成功を収めました。

そんな「はやぶさ2」の成し遂げた偉業ってどのようなモノだったのか?
簡単に振り返りながら、その後まだ残っているミッションについても少し触れてみたいと思います。

はやぶさ2が地球に投下したカプセルに入っているモノ

約6年間に渡る宇宙の旅を終え、地球軌道まで帰って来た日本の小惑星探査機「はやぶさ2」。

2020年12月6日未明(日本時間)に大気圏に突入し、美しい火球となって地球に帰還した「はやぶさ2」のカプセル。

「動画参照:YouTube (プライバシー ポリシー)

そのカプセルは無事に回収され、中に入っていると思われる小惑星・リュウグウのサンプル。


「画像参照:豪州・ウーメラ砂漠で回収された「はやぶさ2」のカプセル(JAXAより)」

そんなカプセルの中にはどんなモノが入っているのか?
とても気になるところです。

もちろん、はやぶさ2は地球に帰還したばかりでカプセルの中身が確認出来ているワケではないですが、サンプル採取が成功していたならば、まずは密閉した容器の中から、採取した際に揮発したガスが溜まっいると思われ、それを取り出して簡易分析が行われます。

そしてカプセルに入っているメイン試料は小惑星の砂。

小惑星・リュウグウでのサンプル採取の時は、メディアでも大きく取り上げられ、大掛かりな採取ミッションを行っただけに、さぞ大量のサンプルが採取出来たと思われるかも知れませんが、実は採取出来たサンプルの砂は0・1グラムから1グラム程度。

「たったそれだけ?」とガッカリする人もいるかも知れませんが、この採取量は予定通りで、しかもそれだけあれば十分なんです。

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少ない試料でも大きな成果が期待できる!?

はやぶさ2は、小惑星・リュウグウにタッチダウン(接地)した瞬間に、地表に向け弾丸を発射して飛び散った砂を採取しています。


「画像参照:タッチダウン直後の画像(JAXAより)」

上画像のように、弾丸の衝撃で四方八方に砂や石が飛び散りますが、はやぶさ2のカプセルに取り込む量はそれほど必要ではなく、多くても1グラム程度。

つまり、採取したいサンプルは量より質なのです。

その理由が、はやぶさ2が2019年4月5日に行った小惑星・リュウグウへ衝突体を発射し、人工クレーターを造った事にあります。

小惑星表面に人工クレーターを造る。
これは世界初の試みで見事に成功!


「画像参照:人工クレーター生成時の様子(JAXAより)」

そしてこのクレーターこそが、小惑星の内部を調べるカギになります。

と言うのも、小惑星の表面は長い年月の間、太陽光や宇宙線に晒されて劣化している可能性が高く、せっかく採取して地球に持ち帰っても十分なデータが得られない可能性があります。

そこで、小惑星に穴を開け劣化の影響が少ない内部のサンプルを採取すれば、太陽系が誕生した頃の成分を分析する事が出来、地球に生命をもたらした水や有機物等がそのままの状態で残っている可能性があるのです。

もし、期待通りのサンプルが採取出来ていれば、私たち地球の生命がどこから来たのかといった謎に迫る手掛かりをつかめるかも知れないのです。

偉業を成し遂げた「はやぶさ2」の軌跡~その1

小惑星探査機「はやぶさ2」が地球を出発したのは、「偉大なる失敗」と呼ばれた初号機「はやぶさ」の奇跡の地球帰還から約4年半後の2014年12月3日、種子島宇宙センター(鹿児島県)からH2Aロケットによって打ち上げられました。


「画像参照:はやぶさ2の打ち上げ成功シーン(YouTUBEより)」

小惑星・リュウグウに向かう軌道に乗った「はやぶさ2」は地球の引力を利用したスイングバイを行いながら、加速とコース変更をしつつ太陽を2周して目的地のリュウグウに接近して行きます。

そして2018年6月27日、リュウグウ上空2万メーチルまで到達。


「画像参照:はやぶさ2が上空から撮影したリュウグウの表面(JAXA宇宙科学研究所HPより)」

小惑星リュウグウは地球と軌道が交差する近傍小惑星

メディア等の報道でも良く言われていた「地球から小惑星・リュウグウまでの距離は3億キロ」。

探査機「はやぶさ2」は、3億キロもの遥かなる旅をして小惑星・リュウグウに到着したと言われていますが、実はリユウグウは地球の公転軌道と近い軌道を周回する地球近傍小惑星なのです。


「画像参照:地球とリュウグウの公転軌道(YouTUBEより)」

上画像を参考いただければおわかりか?と思いますが、青い線が地球の公転軌道で黄色い線が小惑星・リュウグウの公転軌道です。

ご覧のとおり、リュウグウは楕円軌道で太陽を周回しており、一部は地球の公転軌道の内側に入る時があり、もしこの軌道交差時に地球に最接近した場合の地球との距離は、わずか約45万キロと言われています。

つまり小惑星・リュウグウは、一歩間違えれば地球に衝突するかも知れない、言わば危険な天体でもあるワケです。

ちなみに話を戻しますと、地球と小惑星・リュウグウの距離が3億キロ彼方と言われたのは、「はやぶさ2」がリュウグウに到着した時、太陽を挟んだかなり離れた地球との位置関係だったためです。

偉業を成し遂げた「はやぶさ2」の軌跡~その2

小惑星・リュウグウに到着した「はやぶさ2」は、約半年間、リュウグウ上空から地形や重力などの観測を続け、本番のタッチダウンに向けて何度もリハーサルを行って来ました。

2018年9月21日。
「はやぶさ2」に搭載された2基の小型探査ローバー「ミネルバII」が投下。


「画像参照:2台の小型探査ローバー「ミネルバ-II」(JAXAより)」

2018年10月9日。
同じく搭載されたドイツ・フランスの着陸機「MASCOT」が投下。


「画像参照:小型着陸機「MASCOT」(JAXAより)」

2018年11月5日。
「はやぶさ2」がリュウグウへタッチダウンするための目印となるターゲットマーカーを投下。


「画像参照:「はやぶさ2」下部に取り付けられた5つのターゲットマーカー(左)と拡大図(右)(JAXAより)」

2019年2月22日。
1回目のタッチダウンに成功。
この時は、リュウグウ表面に接地し石や砂などの採取にも成功したとみられています。


「画像参照:「はやぶさ2」がリュウグウ表面に接地する瞬間(JAXAより)」

偉業を成し遂げた「はやぶさ2」の軌跡~その3

そして、ここからが本番と言われるタッチダウン・ミッション。

2019年4月5日。
リュウグウ上空500m地点から「インパクタ」と呼ばれる円柱型衝突装置を投下。

この世界初の試みである超突爆破により小惑星表面に穴を開ける人工クレーター作製に成功します。

ちなみに、この人工クレーターの愛称は「おむすびころりんクレーター」だそうです。


「画像参照:JAXA」

2019年7月11日。
はやぶさ2は作製した人工クレーターに向け降下し、2回目のタッチダウンに成功。

ここで、このミッションで太陽系、生命の起源を知る上で最も重要なサンプル採取に成功したとみられています。

予定していた全てのミッションを成功させた「はやぶさ2」は、2019年11月13日に「リュウグウ」を離れ地球に向けて帰還の路に出発。

そして、無事に地球軌道上に到達した「はやぶさ2」は2020年12月5日に小惑星・リュウグウのサンプルが入ったと思われるカプセルを分離。

カプセルは翌6日に地球の大気圏に突入し、オーストラア・ウーメラ砂漠地帯の一角に着地して、サンプル・リターンのミッションをコンプリートしました。

サンプル・リターンの舞台裏の衝撃の事実!

報道では順風満帆に進んだように伝えられた「はやぶさ2」のミッションですが、実は苦難の連続の末のミッション成功だったようです。

例えば、地球からはその詳細な地形が分からなかった小惑星・リュウグウ。

実際に行ってみると、表面はゴツゴツした岩だらけ。
殆ど平坦な場所が見当たらず、「はやぶさ2」のタッチダウンする場所を探すのに苦労したとの事。


「画像参照:小型探査ローバー・ミネルバ-IIが撮影したリュウグウの地形(JAXAより)」

そこで「はやぶさ2」のプロジェクト・チームは、リュウグウの地形をくまなく調査し何度もシュミレーションを繰り返し、あらゆるトラブルを想定してのタッチダウン訓練を行ったと言います。

そんなタッチダウン訓練は合計48回行い、うち成功したのはたったの9回のみ。

つまり、シュミレーションではありますが、21回「はやぶさ2」は小惑星・リュウグウに墜落していたそうです。

はやぶさ2の新たなミッションとは?

小惑星・リュウグウのサンプル・リターンミッションに成功した探査機「はやぶさ2」ですが、その本体はまだ宇宙にあります。

6年間の宇宙の旅を終えても尚、そのミッションは継続。
「はやぶさ2」は次の目的地の小惑星に向けて11年の旅をして行きます。

「はやぶさ2」の今度の目的地は直径およそ30mほどの小さな天体「1998 KY26」到着は2031年。

また、目的地までの航海の途中(2026年)には、小惑星「2001 CC21」の近くを通過。

通過しながらも、観測を行う予定だと言います。


「画像参照:小惑星1998 KY26の軌道(AstroArtsより)」

目的地到着まで11年もかかる長旅のため、さぞかし遠くの天体まで行くモノと思われがちですが、上図をご覧いただければおわかりのとおり、小惑星「1998 KY26」も「2001 CC21」も、地球の公転軌道に隣接する、いわゆる地球近傍小惑星です。

つまり、何度も太陽の周りを周回(11周)しながら、少しずつ目標の天体に近づいて行くため、それだけの時間を要してしまうという事なのです。

なお、小惑星「1998 KY26」に到着した「はやぶさ2」のミッションはどんなモノなのか?

残念ながらリュウグウの時とは違いタッチダウンはせず、上空から調査を行うだけのようです。

しかし、探査目標はわずか30mほどの天体が故に、目的の天体にランデブーするだけでも至難の業。

これも日本の技術が試される、大いなる試練になるとも言えるのではないでしょうか?

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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