2023年10月。NASAが世界初の小惑星探査機の打ち上げに成功!?・・・これまで人類は何機も小惑星探査機を打ち上げているハズ!なのに、何故”世界初”なのでしょうか?
実は今回打ち上げられた小惑星探査機は、宇宙に埋蔵されている”お宝探し”に行くらしいのです。
もしそのお宝が見つかった場合、その価値は、なんと!14垓5,500京円もあると言うのです。
小惑星帯に向けて飛び立った探査機「サイキ」
2023年10月5日。アメリカフロリダ州にあるケネディ宇宙センターから1機の小惑星探査機が打ち上げられました。その探査機の名は「サイキ」。目的地は火星と木星の間の軌道にある、大小数百万個から成る小惑星帯(アステロイド・ベルト)の中の1つの小惑星「プシケ(英語読みではサイキ)※以降プシケで表記」。
地球からの距離は約4億キロと離れており、探査機サイキは約6年かけてプシケに向かう事になっています。
「Image Credit:小惑星プシケに到着したサイキの想像図(NASA/JPL-Caltech/ASU)」
小惑星プシケに到着したサイキは、プシケを周回する軌道に投入され、少しずつプシケに接近しながら観測を行う予定で、最終的にはプシケ表面に85キロまで接近するとの事で、予定では約2年間に渡りプシケを観測する事になっています。
小惑星プシケとはどんな天体?
地球から約4億キロ離れた小惑星帯の中にある小惑星プシケ。直径は約250キロほどで、小惑星帯の天体の中ではかなり大きい方に分類される小惑星です。この小惑星プシケの特徴は、純度の高い鉄とニッケルからなる金属で出来ていると考えられており、元々は直径500キロ以上の準惑星サイズの天体だったと思われ、太陽系創成期に起こった大規模な天体衝突によって天体が破壊された結果、中心部の核(コア)が剥き出しになって残った、いわゆる星の残骸となってしまった小惑星ではないか?と考えられており、このようなタイプの天体の探査を行うのは世界初だと言います。
つまりプシケは、星の核(コア)を直接観測出来る貴重な天体であるワケで、探査機サイキのミッションは、惑星形成プロセスを理解するうえで重要な知見が得られる可能性が高いとして、探査結果に大きな期待が寄せられているのです。
小惑星プシケにはとてつもないお宝が埋蔵されているかも知れない
星の核(コア)が剝き出しなっていると考えられている小惑星プシケ。その組成は純度の高い鉄とニッケルといった金属で構成されていると推測され、他にも金やプラチナといった地球では超貴重な金属も埋蔵されている可能性が高く、このプシケの価値を金額で換算すると推定14垓5,500京円に相当するのでは?と考えられています。ちなみに、”京”や”垓”といった金額を言われてもあまりピンと来ないかも知れませんが、単純に数字の単位を低い方から並べてみると。
一、十、百、千、万、億、兆、京、垓・・・と表記され、私たちが良く聞く単位の”兆”が13桁なら、”京”は17桁、”垓”は21桁になりますので、14垓5,500京円といった小惑星プシケの価値は、正に想像を絶する天文学的な価値となり、もしこのプシケに埋蔵されているであろう”お宝”を採取したした場合、地球の経済は根本から変わってしまう程、混乱するのではないでしょうか?!
「Image Credit:小惑星「プシケ」想像図(Arizona State University/NASA)」
とは言っても、探査機サイキはプシケに眠るお宝を探しに行くワケではなく、あくまでも科学的な目的のための探査であり、プシケの地質、形状、組成、磁場、そして質量分布を調べることで、惑星の形成についての理解を増大させることがミッションとなります。
小惑星プシケに本当にお宝が埋蔵されていたとしたら?
NASAの目的は小惑星プシケの科学的探査です。しかし、この探査によって本当に14垓5,500京円もの価値がある金属が埋蔵されている事がわかったとしたらどうなるでしょう。これを知った宇宙進出を目指す民間企業が黙っているでしょうか?
プシケに眠る高価な金属の採掘に乗り出す企業が出て来る可能性があるかも知れません。ただ地球とプシケの距離は遠いワケで、それを実現する技術を開発するまでには、まだまだ遠い未来の話になるのではないでしょうか?!